いよいよ今週末、地域通貨で〜ら祭りへ出店します！！
「ふ印ガジェット」（ガジェットは気の利いたガラクタ！）どうぞお楽しみに！！
おっと早瀬家屋敷の会場内にてアルティザン・トークも13:00〜13:30に開催。ドイツ・ベルリンからやってきた若手建築家ジョンくんと談論風発、創造的な世界平和への道のりを語りあいます！
藤原惠洋拝
「ふ印ガジェット」でいう「ガジェット」とは何か？
かつて1993年以降九州大学芸術工学部工学部工業設計学科造形論授業や1997年設置の芸術情報設計学科の藤原惠洋「芸術文化環境論」授業をきちんと聞いていた学生諸君なら、ジャン・ボードリヤール『消費神話の神話と構造』La Société de Consommation（1970）が唱えた「記号消費」を促す「ガジェット」をお聞き及びでしょう。
モノの生産と消費が飽和状態になった現代社会（1970年当時すでに）において、モノは機能性・有用性・合理性によって需要されるのではなく、社会文化的な「記号」として消費される、と看破していたのです。工業社会や工業化は明快な目的・ミッション（社会的使命）を持ってモノを生産し、より良く売れるように品質改良やイノベーション、宣伝広告といった創意工夫を増幅させていったのですが、そこでは暮らしに必要だから消費がなされるのであって、社会文化的な「記号」としての消費は起こっていませんでした。ボードリヤールはモノが単に使用価値や機能性で消費されるものではなく、合わせて身分や社会階級と結びついた社会の要素でもない、と見抜いたのです。
いわば大衆化社会が募る時代に、私たちの消費活動の心理には「記号としての消費」が通底し、モノの機能的な使用や所有ではなくなる、消費は個人や集団の権威づけの機能ではなくなる、さらに消費はコミュニケーションの交換のシステムとして、絶えず発せられ受け取られ再生される記号のコード、いわば言語活動として定義されると消費行動を予測したのです。だからこそ、モノの意味や価値は、モノの内容以上に、記号としてのモノと他のモノ（記号）との間に「関係」が先に存在しており、モノの価値や魅力や言葉のように「差異」から生まれると示していきました。モノとモノ＝記号と記号との差異が意味となって生まれてくるのだと！
すなわち私たちは他者との差異＝個性を追求する社会活動をあくことなく追求しますが、その際に、モノ＝商品という記号を介在させながら、私自身の個性を他者に対して主張するコミュニケーションこそが、現代社会の消費の特徴だと指摘したのです。それゆえ、そこで発する私の言葉があらためてたいせつな消費の契機を導き、消費されるモノ自体の価値や意味や希薄になっていく・・・・。記号としてのモノと他のモノ（記号）には「差異」しかなく、消費欲望は個人から発されるものではなく、記号のシステムから生まれることになる、とボードリヤールは言ったのです。
若いその頃の私が注目したのは、ボードリヤールは消費社会におけるモノの特徴を「キッチュなガジェット」と捉えたことです。機能性や有効性を超える消費は経済的な力にまかせ「本物」という「差異」を誇示しようとしますが、記号に囚われた時点で、いくら消費を重ねても差異は現れず、「本物」とキッチュな紛い物が行き交いする世界は「差異」がズタズタにされ、いわばアナーキーな階級化のなしくずし状況や相対化が生じて面白いのです。だからこそキッチュは社会制度や階級化をズタズタにしうるモノの象徴として君臨します。
一方、「ガジェット」とは本来の機能性や役割・用途からみて無用な遊びや諧謔、無意味装飾のイメージさせるものの、気の利いた感じ、ウィットのある感じ、遊びや笑顔のコミュニケーションを交わし合える付加的な価値に注目しうる遊びのポテンシャルを放つのです。この遊びを生じる不思議な魅力によって「差異化」を駆動させるモノと言えるのです。私の「ふ印ガジェット」はまさにこのボードリヤールを敷衍したいと考えた謎の店として、けっこうな方々に立ち寄っていただくことができました。そして声がけしていただくたびに、それが嬉しくて破格の値段にディスカウントする、ということを繰り返したのですが、それはまさにお互いの差異化を楽しむひとときであったのです。
このたびの11月8日（土）11:00〜15:00地域通貨で〜ら祭りの現場も、白磁器の原材料としてつとに知られる天草西海岸の陶石を海岸で私自身が拾ってきた小石を出店します。5個で100で〜ら。紙袋を用意しましたので勝手に持っていってください。高いか安いかは来客のお客様におまかせするとして、店主の私はその店にぼちぼち不在、で〜ら札が溜まっていくことを期待しながら遠くから見守ります。藤原惠洋＠アルティザンカフェ・プロジェクト主宰
「ふ印ガジェット」（ガジェットは気の利いたガラクタ！）どうぞお楽しみに！！
おっと早瀬家屋敷の会場内にてアルティザン・トークも13:00〜13:30に開催。ドイツ・ベルリンからやってきた若手建築家ジョンくんと談論風発、創造的な世界平和への道のりを語りあいます！
藤原惠洋拝
「ふ印ガジェット」でいう「ガジェット」とは何か？
かつて1993年以降九州大学芸術工学部工学部工業設計学科造形論授業や1997年設置の芸術情報設計学科の藤原惠洋「芸術文化環境論」授業をきちんと聞いていた学生諸君なら、ジャン・ボードリヤール『消費神話の神話と構造』La Société de Consommation（1970）が唱えた「記号消費」を促す「ガジェット」をお聞き及びでしょう。
モノの生産と消費が飽和状態になった現代社会（1970年当時すでに）において、モノは機能性・有用性・合理性によって需要されるのではなく、社会文化的な「記号」として消費される、と看破していたのです。工業社会や工業化は明快な目的・ミッション（社会的使命）を持ってモノを生産し、より良く売れるように品質改良やイノベーション、宣伝広告といった創意工夫を増幅させていったのですが、そこでは暮らしに必要だから消費がなされるのであって、社会文化的な「記号」としての消費は起こっていませんでした。ボードリヤールはモノが単に使用価値や機能性で消費されるものではなく、合わせて身分や社会階級と結びついた社会の要素でもない、と見抜いたのです。
いわば大衆化社会が募る時代に、私たちの消費活動の心理には「記号としての消費」が通底し、モノの機能的な使用や所有ではなくなる、消費は個人や集団の権威づけの機能ではなくなる、さらに消費はコミュニケーションの交換のシステムとして、絶えず発せられ受け取られ再生される記号のコード、いわば言語活動として定義されると消費行動を予測したのです。だからこそ、モノの意味や価値は、モノの内容以上に、記号としてのモノと他のモノ（記号）との間に「関係」が先に存在しており、モノの価値や魅力や言葉のように「差異」から生まれると示していきました。モノとモノ＝記号と記号との差異が意味となって生まれてくるのだと！
すなわち私たちは他者との差異＝個性を追求する社会活動をあくことなく追求しますが、その際に、モノ＝商品という記号を介在させながら、私自身の個性を他者に対して主張するコミュニケーションこそが、現代社会の消費の特徴だと指摘したのです。それゆえ、そこで発する私の言葉があらためてたいせつな消費の契機を導き、消費されるモノ自体の価値や意味や希薄になっていく・・・・。記号としてのモノと他のモノ（記号）には「差異」しかなく、消費欲望は個人から発されるものではなく、記号のシステムから生まれることになる、とボードリヤールは言ったのです。
若いその頃の私が注目したのは、ボードリヤールは消費社会におけるモノの特徴を「キッチュなガジェット」と捉えたことです。機能性や有効性を超える消費は経済的な力にまかせ「本物」という「差異」を誇示しようとしますが、記号に囚われた時点で、いくら消費を重ねても差異は現れず、「本物」とキッチュな紛い物が行き交いする世界は「差異」がズタズタにされ、いわばアナーキーな階級化のなしくずし状況や相対化が生じて面白いのです。だからこそキッチュは社会制度や階級化をズタズタにしうるモノの象徴として君臨します。
一方、「ガジェット」とは本来の機能性や役割・用途からみて無用な遊びや諧謔、無意味装飾のイメージさせるものの、気の利いた感じ、ウィットのある感じ、遊びや笑顔のコミュニケーションを交わし合える付加的な価値に注目しうる遊びのポテンシャルを放つのです。この遊びを生じる不思議な魅力によって「差異化」を駆動させるモノと言えるのです。私の「ふ印ガジェット」はまさにこのボードリヤールを敷衍したいと考えた謎の店として、けっこうな方々に立ち寄っていただくことができました。そして声がけしていただくたびに、それが嬉しくて破格の値段にディスカウントする、ということを繰り返したのですが、それはまさにお互いの差異化を楽しむひとときであったのです。
このたびの11月8日（土）11:00〜15:00地域通貨で〜ら祭りの現場も、白磁器の原材料としてつとに知られる天草西海岸の陶石を海岸で私自身が拾ってきた小石を出店します。5個で100で〜ら。紙袋を用意しましたので勝手に持っていってください。高いか安いかは来客のお客様におまかせするとして、店主の私はその店にぼちぼち不在、で〜ら札が溜まっていくことを期待しながら遠くから見守ります。藤原惠洋＠アルティザンカフェ・プロジェクト主宰
