第50回目、記念的な定例ゼミを開催しました。
冒頭、世界の変化や新自由主義の影響について議論し、参加者にガンジーの思想や共有価値について考えを深める良き機会として夏休みの宿題を依頼した。
冒頭の近況紹介では、各自が自由に古代・古墳研究、北海道の美唄市の近況報告、戦後80年に関する反省、歴史的記憶と家族のルーツ継承についてなど多彩な話題を交わし合った。
連絡役の藤原惠洋は、こうした定例ゼミ会議の開催ミッションを単なる集いあうだけの「井戸端会議」ではなく、共通の課題と価値観を持つ人々の間で、私たちはとこから来て今どこにいて、これからどこへいくのか、という俯瞰的かつ文脈的な視点から多彩な社会テーマに関して自由闊達な意見交換を生み出すことをめざしてきたと振り返った。
次回の第51回ゼミは9月24日(水)19:00〜に開催。
概要
ゼミ復帰記念とも言える定例ゼミ
連絡役の藤原惠洋が都合2回にわたり欠席して定例ゼミは休講とも言える一ヶ月の休止から復帰した。そして50回目のゼミ。今夏、参加メンバーの足元にも音を立てて迫り来た世界の変化や新自由主義の影響について議論しあうことから始めた。
さらに連絡役は、参加者に夏休みの宿題として、かつて日本人を捉え直した宮本常一の視点、ガンジーの思想や共有価値について考えることを依頼した。
花生直樹さん 古墳研究と考古学の話
自分が興味を持って進めている古墳研究について話し、20年前に東北に単身赴任した際に考古学への興味を持ち始めたと説明した。その後、藤原惠洋は20年頃前に日本における旧石器時代のあり方を見つめ直さざるを得なくなった「神の手事件」という捏造事件について言及、元来古墳研究に関わる方々ははいたって真面目で誠実な人々である、にもかかわらず複雑怪奇な事件だったと強調した。
岩井千華さん 美唄市近況報告
故郷北海道の美唄市から参加、勤務地のある栃木県も暑かったがそこに8月31日まで滞在。論文を提出して9月に帰郷した。美唄市の中心部で店舗が大量に閉鎖され、熊の出没問題が深刻化していることを嘆いた。藤原惠洋は美唄市の崩壊的な変化に心配を示した。
藤原旅人 利賀インターゼミ
最近増えている東京での公共交通の混乱を報告。続けて今夏の印象として富山県利賀村で開催された演劇フェスティバルと文化政策・アートマネジメント系大学交流利賀インターゼミへ参加してきた報告を話した。
山田修さん 戦後80年反省
戦後80年という時期の反省と後世への伝達について参加者はそれぞれ話しあった。山田さんはとりわけかつて石橋湛山などにみられた豪胆かつ自律的な力のある政治家の業績に言及した。
藤原馨さん 陶芸家・詩人山本源太さん逝去
陶芸家の山本源太さんとの関係と、せっかくいただいた窯焼き時の小さなケーゼルが偶然落ちて破損した時、山本源太さんが逝ったような気がしたことついて語った。
藤原惠洋 二年前に逝った友人の書物整理と宇井純さんリーフレット再発見
15-16ページのリーフレットを示して説明。岩手県雫石町の友人が残した莫大な書物整理作業を今夏行ってきたことについて話し、特に1984年に発行された「宇井純の汚水処理」資料を発見したことを共有した。この資料は、公害研究者として私たちを導いてくれた宇井純先生が作成したもので、若かりし頃の藤原惠洋にとって社会を見る目、社会を批判する目、社会を変革していくための目、といった重要な社会認識の変化を示すものとして価値があった経験を重だした、と述べた。同時にでは私はどうするのか、と藤原惠洋は自身が保管している大量の書物整理の必要性を感じており、友人の書物整理を手伝ったことで、自身の書物の取り扱いについても深く考えるようになった、夏休みの成果を話した。
藤原惠洋 南西諸島から陸続と展開していくミサイル基地問題
藤原惠洋は戦後80年を振り返り、社会が平和の問題として見るか戦争として見るかについて議論が必要だと述べた。惠洋はこの夏、南西諸島や九州にミサイル基地が建設される状況について懸念を表明し、私たち国民が栽培されてしまっていること、「飼いならされた」状態で問題に気づいていないのではないか、と指摘した。山田修さんは沖縄の核ミサイル問題やPFAS(ピーファス)問題を例に挙げ、防衛施設の安全性と住民の健康への影響について議論を展開した。
藤原旅人 利賀国際演劇祭に関する討議
藤原旅人が二年ぶり今夏の利賀演劇祭で鑑賞した鈴木正志の演劇作品「世界の果てからこんにちは」について議論し、野外での上演や花火との組み合わせ、戦争のテーマを含む内容について話し合った。藤原惠洋は利賀国際演劇祭の歴史について説明した。前提となる1960年代以降の演劇シーンには寺山修司、鈴木忠志、唐十郎などの著名な演劇人たちが跳梁跋扈で活動していたことを振り返り、その結果、鈴木忠志さんが1976年、東京から富山県利賀村への移住を決意し、現在世界的に有名な国際演劇祭を設立していった困難の歴史が話された。
戦後80年歴史記憶継承議論
岩井さんの故郷美唄の近況を伝えた内容へ藤原惠洋は日本全国各地での問題にもつながると指摘、戦後80年を迎える中での歴史的記憶と家族のルーツの継承について議論した。岩井は樺太出身の家族の記憶が失われていることを伝えた。一方、藤原惠洋は現在の日本人には過去の文脈を理解するための想像力やスキルが不足していることを指摘、惠洋はオランダ社会での公文書館利用の例を挙げ、自分のルーツを知ることの重要性を強調し、歴史認識のトレーニングの必要性について話した。そこで花生さんは自身のルーツ調査について言及し、惠洋は政治的不確実性と経済状況が個人の文脈や物語さえないがしろにする時代になってはいまいか、と懸念を表明した。
藤原惠洋 ゼミ会議の方向性と目的
1か月ぶりの定例ゼミ開催であった。こうした遠隔ゼミの目的と今後の方向性について問い直すひとときを生み出した。その結果、本日の参加者から肯定的な反応を受けた。花生さんは会議が刺激的であると感謝を表明し、松浪は深い考察と異なる意見を聞ける場として価値があると述べた。あらためて藤原惠洋は、定例ゼミの目的は「井戸端会議」ではなく、共通の課題と価値観を持つ人々の間での意見交換であると説明し、共通のこころざしを涵養していくことがとても大切ではないか、と指摘した。
次回の定例ゼミは9月24日(水)19:00〜21:00。
さらなる宿題的・・・・
- 松浪さん: 夏休みの宿題として作成した、行き過ぎた資本主義についてのレポートを共有する。
- 花生直樹さん: 20年間の訪問先の資料を地域別に整理し、新しい見解を検討する。
- 岩井さん: 明日朝8時過ぎに美唄市から新千歳空港へ向かう。
- 山田修さん: 戦後80年を振り返り、世代へのバトンタッチとして戦後体験を伝える努力を続ける。
- 岩井さん: 母の出身地であるサハリンの先斗町について調べる。
- 藤原惠洋: 若い世代をゼミに招き入れるための努力を続ける。
- 全員: 次世代や若い仲間たちにゼミへの参加を呼びかける。
























