建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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ふ印ラボ定例ゼミ第49Zoomミーティング  202579日(水)19:0021:55

要約】

冒頭、参加者相互の緩やかな関係づくりでは文月にちなんで今、手紙を書くとすれば誰に何を?と語り合った。続いて参加者は昨今の情勢や参院選挙を前にした政治状況、社会問題について幅広く議論を展開、ジス世代や若者が抱える未来への不安や足元で余儀なくされる地域コミュニティの変化、政治家の言動に対する批判的な見方を共有していった。そのうえで今後の社会再生やコモンズ(入会地)創出へ長期的な視点と地域の絆の重要性を強調しあった。輪講テキストとしてスタートした宮本常一著『忘れられた日本人』を中心に、日本の伝統文化や社会構造について意見を交換、次回の会議でさらに深く議論することとした。

 

【概要】

(1)緩やかな関係づくり

藤原惠洋が主催・連絡役をつとめるふ印ラボ定例ゼミも48回目。参加者たちは七月の古名文月にちなんで手紙を書くとすれば誰に何を、を語り合った。藤原惠洋は母親と妻に手紙を書きたい。松浪は祖母に、花生は古代史の先生に、河村は過去の中学生の頃の自分に手紙を書きたいと語った。参加者たちは、それぞれの思い出や考えを共有しながら手紙を通じて伝えたいこと、手紙を書くことの重要性を語り合った。

さらに立ち上げ時、宮本常一やガンジーの言葉の重要性を取り上げ、それらを現代に活かす方法についても話し合った。後半は、松浪作成のレジュメを用いて議論した。

(2)参議院選挙に向けた政党の伝達力と影響力

参議院選挙に向け政党の伝達力と有権者への影響力について議論した。松浪は特定の政党のメッセージ性と伝達力の高さを評価、一方で山田は同政党の戦略に懸念を示した。政治家の伝達能力や政党助成金の影響、過去の政治家との比較など、多角的な視点から現在の政治状況が分析されていった。

(3)若者への期待と課題

藤原惠洋は日本社会が直面する課題として乗り越え難い格差や非正規を余儀なくされる次世代・若者が何を待望しているのか、きちんとフォローしておく必要があると指摘。近視眼的な社会気運として「日本人ファースト」の台頭につながっているのではないかと分析。岩井千華は、根拠のないデマが広がる現象や、復古主義的な政治的主張に対する懸念を表明。

(4)グローバル化による自国ファースト主義

松浪と藤原惠洋は、グローバル化の副作用としての自国ファースト主義の現象について議論し、社会的不平等と公益資本主義の概念を探求した。また地域社会の関係性と接点の重要性を強調し、インターネットの普及によるこれらの関係の減少についても議論した。糸島エリアでは福岡市の近くに住む小学校の集団登校の問題や、田舎地域での伝統的な集団登校の継続性も話し合った。地域社会では、不審者情報の扱い方、コロナ禍による社会関係の変化、地域コミュニティの脆弱化も大きな課題となっている。岩井は教育委員会での経験から不審者情報の問題点を指摘、松浪はコロナ禍による伝統行事や人間関係の断絶を懸念。藤原惠洋は昨今海外からの野放図な資本流入による水資源収奪や土地所有に問題はないか、と懸念を表明、岩井は高齢者のコミュニティ活動や不平等感が社会に与える影響について言及した。

(5)地域の知恵を大切に

参加者は現在の政治状況や選挙に対する懸念を共有しあった。特に若者が表面的な言葉に惑わされる危険性について議論。松浪は宮本常一『忘れられた日本人』を引用し、無名の人々の知恵や生活文化の重要性を強調。また地域の特性を活かした教育や女性の社会的役割の重要性についても言及された。参加者は長期的な視点と地域の絆を大切にする必要性について同意した。

(6)土佐源氏に包含された差別問題

松浪がレジュメに基づき宮本常一『忘れられた日本人』について5つの観点から感想を述べた。藤原惠洋は、とりわけ若い頃読んだ際に「土佐源氏」に関心が生じたと報告。岩井は男女の固定観念に疑問を呈し、藤原惠洋は30年前のブータンで聞いた夜這いを紹介した。山田修は宮本の創作性と差別の問題を指摘、松浪は日本の対話文化の重要性を強調。参加者たちは情報の真偽や多様性の重要性について議論を展開した。

(7)日本の課題と社会参加

これからの日本社会が何を生み出すのか、という際、藤原惠洋は英国のナショナルトラスト運動から学べる観点があるのでは、と指摘。私有財産に拘泥し続ける日本の土地相続問題を克服しながらコモンズ(入会地)化できないものか、さらにそこから派生する政治制度の問題を改革していくには?若者の社会参加をどう進めるか?などについて議論が行われた。藤原惠洋はかつてイワン・イリイチが提唱した自立(自律)共生=コンビビアリティの概念を強調し、個人の責任と権利を重視する社会の重要性を説いた。参加者たちは、日本社会の課題や未来の方向性について意見を交換し、次回723日に予定されらゼミでは宮本常一『忘れられた日本人』とガンジーの著作についてさらに深く議論することが決まった。

宿題・次へのステップ

惠洋母と連れ合いに手紙を書き、次回のゼミまでに完成させる。

松浪祖母に65年前の思い出を綴った手紙を書く。

花生古代史の先生との対話を継続し、日本の歴史の正しい理解に向けて学習を続ける。

河村十代の自分に向けて手紙を書く。

山田大石武一さんをはじめとする環境保護活動家に手紙を書き、環境と社会の関係性について再考する。

岩井:札幌に住む弟に感謝の手紙を書く。

 

松浪公益資本主義の概念について詳しく調査し、次回のミーティングで共有する。

全員参議院選挙の結果ならびに日本人ファーストの動向を注視し次回のミーティングで議論する。

岩井: 712日に行われる全国一斉アクションの結果を次回のミーティングで報告する。

全員グローバル化の副作用と格差社会の問題について、具体的な解決策を考え、次回のミーティングで提案する。

松浪地域社会における外国人労働者との関係性構築の進捗状況を継続的に観察する。

岩井高齢女性の地域コミュニティ活動の実態について、さらなる調査を行う。

藤原馨若者向けに、政治的な言説の裏にある真意を理解するための啓発活動を計画する。

全員不平等感や社会格差の問題に対する具体的な解決策を議論し、提案する。

松浪地域のコミュニティ活動や伝統行事の再開・継続について、安全対策を含めた計画を立てる。

松浪宮本常一の「忘れられた日本人」に描かれた地域の知恵や文化についてさらに深く調査し、現代の地域活性化活動に活かせる要素を検討する。

惠洋地域おこし協力隊の制度について、参加者の人生観や価値観の変化に焦点を当てた調査を行い、制度の効果を再評価する。

岩井『忘れられた日本人』の内容を現代の視点から批判的に分析し、ジェンダーや社会規範の変化について考察をまとめる。

松浪糸島の16地域における多様性を活かした地域活性化プロジェクトの進捗状況を報告し、今後の展開について提案する。

松浪地域での寄り合い的な話し合いの仕組みを再構築する方法を検討する。

花生大牟田市庁舎の視察結果ならびに歴史的建造物の保存と活用について、コモンズ財産化の観点から検討する。

全員次回のゼミまでに宮本常一『忘れられた日本人』と浅井幹雄編『ガンジー 魂の言葉』を読み直し深く理解する。

全員自立(自律)共生=コンビビアリティの概念について考察し、今後のゼミで共有し議論できるよう準備。自律的な市民社会の形成に向けて、個人の責任と権利について考察する。

 

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