20250214 毎日新聞
没後80年の詩人に名誉博士号 授与決めた同志社大の「反省と責任」
亡くなって80年もたつ詩人の男性に、同志社大が16日、名誉文化博士の学位を贈る。故人に名誉博士号を授与するのは初めて。男性は同志社大の元学生だが、生前に一冊の詩集も出していない。なぜ今ごろ、この男性を顕彰し、学位を贈るのか。背景には男性の凄絶(せいぜつ)な人生とともに、大学がくぐりぬけてきた数々の苦難があった。
名誉文化博士号が贈られるのは、韓国で国民的詩人とされる尹東柱(ユン・ドンジュ)(1917~45年)。旧満州(現中国東北部)に生まれた尹は熱心なキリスト教徒で、子どもの時から詩を作っていたという。ソウルの延禧(ヨニ)専門学校(現延世大)を卒業後、日本に渡り、立教大を経て42年10月に同志社大へ。英文学を学ぶとともにハングルで詩を書いていた。
25年に制定された治安維持法は当初、共産主義者を取り締まり対象としていたが、次第に幅広い労働・社会運動家に対象を拡大。尹は抗日独立運動への関与を疑われ、43年7月、同法違反で京都・下鴨警察署に逮捕された。京都地裁で懲役2年の判決を受け、移送された福岡の刑務所で45年2月16日に獄死した。27歳だった。
時代の象徴に光
尹の詩は死後に評価が高まり、詩集が出版され、日本の学校教科書でも取り上げられている。死没50年にあたる95年2月には在日コリアンの同志社大卒業生らによって、今出川キャンパス(京都市上京区)に詩碑が建てられた。韓国からの観光客や修学旅行生らが詩碑に立ち寄り、年間通じて献花が絶えない。
今年は尹の没後80年、戦後80年にあたる。なぜ今、尹の功績をたたえるのか。(以下略)















