建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

遠隔ゼミ要約 2025212日(水)19:0021:30

ふ印ラボ定例ゼミ第38回 Zoom meeting invitation

要点

遠隔ゼミは冒頭、緩やかな関係づくりにおいて、ニーチェの思想を基に自己反省と社会批判を行う自己紹介をしあった。その後、セルジュ・ラトゥーシュ『脱成長』をテキストに節度ある資本主義社会の実現や持続可能な社会の構築について議論を展開さしった。教育、若者の成長、グローバル化、資本主義社会の問題点、などを深く掘り下げ、地域での具体的な取り組みや個人の意識改革の重要性を強調しあった。次回の第39回ゼミ(2/26)ではラトゥーシュ『脱成長』をを読み上げることとし、では私たちは何をすべきか、という具体的なアクションプログラムや提案を出し合う、こととした。

次のステップ

• 全員次回のゼミ(226日水 夜)までに、具体的なアクションプログラムや提案、テーゼを提示。

• 全員:ジェレミー・リフキンの「レジリエンスの時代」を読みだしあう。

• 全員:ラトゥーシュの「脱成長」をどう読んだかについて、簡単なチャットやメールで意見を共有する。

• 藤原惠洋:次回のゼミの議事録を作成し、参加者に送付。

 河村一郎:サティシュ・クマール「ラディカル・ラブ」について、他の参加者に詳細を共有。

• 岩井千華:図書館での若者向けの本の選定や紹介方法について検討。

• 松浪榮:小学校での総合学習のサポートを通じ、地域の価値や循環型社会について子どもたちに伝える取り組みを継続。

• 大屋敬一:学校教育におけるアートや対話の重要性について、さらに実践と検討を展開。

要約

自己反省と社会批判

冒頭、緩やかな関係づくりにおいて、参加者たちは、ニーチェの言葉を元に、自己反省や社会批判について語り合った。藤原氏は、自分を常に脱皮させていく必要性を感じつつ、虚構的な生き方を振り返った。花生氏は新自由主義への対抗策を模索中。松浪氏は学びを実際の行動に移すことの難しさを感じている。大屋氏は教育と資本主義の関係性を客観的に見直し、地域での共同体づくりを考えている。岩井氏は学生からの評価を受ける立場の困難さを感じている。新次世代に本を読むことの意義どいうつたえるべきか思案。山田氏は、自然を過度に収奪する現代社会を未来の視点から見直す必要性を指摘。

東京藝術大学ダイバーシティプロジェクト

藤原旅人氏は自己紹介を通し現在の状況について報告。東京芸術大学の教員としてDOORプロジェクトの社会人受講生募集の締め切りが近づいている。彼の住む埼玉県草加市で最近起きた陥没事故について言及、それが日常生活に影響を与えていることを説明。深淵というテーマに関しては、大西巨人の「深淵」という本のタイトルを思い出したと述べています。

脱成長の倫理的考察

松浪氏は、自己制御の倫理、地域循環型経済、コモンズの再構築が豊かな社会の基盤だと考える。自身の経験から、これまでの物質的豊かさを否定しきれない葛藤もある。 惠洋氏は、脱成長の概念に出会えたのは、これまでの経験があったからこそだと指摘。実際に脱成長型社会を実現するには、日々の生き方や暮らし方を劇的に変える必要がある。 両者は、脱成長社会の実現に向けて、個人の意識改革や地域での取り組みの重要性を認識。特に惠洋氏は、人口2-3万人程度の小規模な集団なら脱成長型社会が可能、竹田市などでの実践を期待。 松浪氏は自然環境と経済のバランスが取れた状態で心豊かに生きることが自身にとっての脱成長の解釈だと述べる。

教育を通じた持続可能な社会

松浪氏と大屋氏は、教育を通じて持続可能な社会づくりに取り組んでいる。松浪氏は糸島の小学校で総合学習のサポートを行い、地域の自然環境や伝統文化の価値に気づかせる活動を。大屋氏は、現在の教育システムが資本主義的な価値観に偏重していることを指摘し、探究学習の重要性と学校運営の民主化を通じて、子どもたちの自主性や社会を変える力を育成することの必要性を強調。両者とも、教育を通じて次世代に持続可能な社会への意識を植え付けることを目指している。

社会変革の教育の重要性

教育、若者の成長、脱成長の概念、そして社会変革について論議。 大屋氏は、対話を通じて民主主義を実現し、アートの力を活用することの重要性を強調。岩井氏は、高校生や大学生の未成熟さと、社会に対する関心の低さを指摘。 藤原旅人氏は、「脱成長」という言葉の適切さに疑問を呈し、より適切な表現を模索。惠洋氏はガンジーの言葉を引用、社会の7つの罪について述べ、個人の生き方と社会のあり方の関連性を指摘しています。 河村氏は若者に脱成長の概念を伝えるための適切な本や方法について提案。大屋氏は、自身の脱成長との出会いの経緯を説明、地方移住がその概念への理解を深めた。全体として、社会の持続可能性や若者の教育、そして個人と社会の変革の必要性について深い議論が行われた。

グローバルな視点と地域の行動

藤原惠洋氏がラトゥーシュの本の振り返りを総括、さらに本日行われた他のウェビナーでアフリカの知識人の発言に言及、グローバル化に対するアフリカの姿勢について議論を展開。参加者たちは、SNSやデジタルコミュニケーションの限界、若者の学習態度の変化、そしてアメリカとの関係における日本の立場について意見を交換。議論の中で、ローカルな活動の重要性や、実際の人と人とのつながりの大切さが強調された。またグローバルな視点を持ちつつ、地域で具体的に行動することの意義が指摘された。

資本主義の問題点と生き方

ゼミ参加者たちは、ラトゥーシュの「脱成長」について議論し、資本主義社会の問題点と今後の生き方について意見を交わしあった。藤原馨氏は、資本主義が市民から思考能力を奪っていると指摘し、教育や人づくりの重要性を強調。大屋氏は日本のアニミズム的な考え方を広げることの意義を述べ、花生氏は「破局から学ぶ」ことの重要性を指摘。岩井氏は、縮小社会に向けて豊かな心を持ちながら生きていく方法を考える必要性を述べた。松浪氏は「節度ある豊かさ」をキーワードとして挙げ、心の豊かさの重要性を強調。最後に、次回の会合で具体的なアクションプログラムや提案を出し合うことが提案された。

 
次回:2025年2月26日(水)19:00〜遠隔Zoomを用いて開催


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