建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

20250105毎日新聞

日本初の鉄道堤は保全不十分 歴史的遺構 開発と保護、難しい両立

北九州市が同市門司区で計画する、複合公共施設の建設予定地の地中から見つかった明治期の初代門司港駅(当時の名称は門司駅)関連遺構は、市が保存と移築を決めた機関車庫跡のわずか一部を除いて事実上の全面解体となった。開発と埋蔵文化財の保護をいかに両立させるかは、国際記念物遺跡会議(イコモス)が2022年に緊急声明「ヘリテージアラート」を出した東京都の鉄道構造物「高輪築堤」の保全が不十分だった反省から、国でも議論がなされている。

スクリーンショット 2025-01-05 17.06.34
追加発掘調査が終わり、造成工事が始まった複合公共施設の建設予定地。初代門司港駅関連遺構の大半は今後解体され、土砂(左下)で埋め戻される=北九州市門司区で20241115日、伊藤和人撮影

 

高輪築堤は新橋―横浜で開業した日本初の鉄道のうち、海上に築かれた堤だ。東京湾の埋め立てで地下に埋もれたが、19年にJR品川駅周辺の再開発による掘削工事で見つかった。

堤の存在や価値が高いことは知られていたが、開発前は発掘、保護に向けた動きが鈍く、発掘後も開発計画変更に難色を示す事業者の意向で、現地保存ができたのは800メートルのうち120メートルにとどまった。

 

埋蔵文化財保護のため、文化庁は都道府県教委に埋蔵文化財が所在する土地を「埋蔵文化財包蔵地」(包蔵地)として登録するよう求めるが、高輪築堤は登録されていなかった。文化庁が公表した22年の報告書は、高輪築堤の事例を教訓に、開発との競合を避けるため早期に遺跡を把握し包蔵地として登録し、必要に応じ史跡化することの重要性を強調する。では、北九州市で見つかった初代門司港駅の関連遺構はどうだったのか。

 

スクリーンショット 2025-01-05 17.06.49


出土した高輪築堤の石積みの一部=東京都港区で2021410日午後141分、本社ヘリから西夏生撮影

 

福岡県教委の担当者は「資料から遺構がある可能性は把握していたが、建物などがあって調査できなかった」と話す。包蔵地登録に向けた試掘がなされたのは、北九州市が元の所有者だったJR九州から土地引き渡しを受けた直後の233月。試掘の結果、遺構の存在の可能性が高まったため同5月に包蔵地として登録され、同9月に始まった発掘調査で遺構が見つかった。

 

スクリーンショット 2025-01-05 17.07.01


出土した高輪築堤の石積みの一部=東京都港区で2021410日午後141分、本社ヘリから西夏生撮影

 

発掘後、市は遺構の扱いについて県教委と文化財保護法に基づく協議を複数回実施したが、毎日新聞が入手した協議の概要を記した県教委の文書によると、市は終始解体を前提とした記録保存を主張していた。

 

市幹部は、施設整備に向けた9年間の議論を念頭に「代替地がないことは結論が出ている。文化財保護と開発が融合できない難しいケースだった」と吐露。「せめて用地選定時に包蔵地が分かっていれば違ったかもしれない。高騰を続ける人件費や資材などに充てる財源、既存施設の老朽化を考えれば立ち止まる時間はなかった」と強調する。

スクリーンショット 2025-01-05 17.07.20


機関車庫跡(作業員らが立っている付近)の一部を除いてほぼ解体された初代門司港駅関連遺構=北九州市門司区清滝で20241220日午前1154分、伊藤和人撮影

 

23年に文化庁が都道府県に実施したアンケートでは、近代遺跡の3割は開発に伴って把握される。価値が高いものがあっても、開発事業者に計画変更を求めることは制度上難しいのが現状だ。保存するとなれば、事業者や地域、専門家の合意形成が不可欠となる。

 

行政が果たす役割も大きいが、約40年間、市の埋蔵文化財発掘調査にあたってきた市芸術文化振興財団埋蔵文化財調査室の佐藤浩司・元室長は「北九州市は工業都市として発展した経緯からか開発優先の傾向が強く、文化財へのまなざしが弱い」と指摘する。

 

22年の文化庁の報告書作成に携わった坂井秀弥・奈良大名誉教授(文化財学)は「近代の埋蔵文化財は古い時代のものと比べて適切に評価されていない現状がある。それでも、北九州市の発展を考えると、初代門司港駅はその出発点といえる象徴的な施設だ。市を代表する観光スポット『門司港レトロ地区』と一体でもあり、全部といわなくとも保存に向けてもう少し手立てはあったのではないか」と指摘する。【伊藤和人、山下智恵、吉住遊】

 

 

Add Comments

名前
 
  絵文字
 
 
プロフィール

藍蟹堂

藍蟹堂。感受性は海の底から波濤や世界の波瀾万丈を見上げる蟹そのもの。では蟹とは?

『日田ラボ』 最新記事
『きくけん』 最新記事
カテゴリ別アーカイブ
月別アーカイブ
記事検索
ギャラリー
  • 20260311 ふ印ラボ第61回定例ゼミをインドMumbai〜日本をつないで展開、途中で挫折も・・・・!
  • 20260311 ふ印ラボ第61回定例ゼミをインドMumbai〜日本をつないで展開、途中で挫折も・・・・!
  • 20260311 ふ印ラボ第61回定例ゼミをインドMumbai〜日本をつないで展開、途中で挫折も・・・・!
  • 20260311 ふ印ラボ第61回定例ゼミをインドMumbai〜日本をつないで展開、途中で挫折も・・・・!
  • 20260311 ふ印ラボ第61回定例ゼミをインドMumbai〜日本をつないで展開、途中で挫折も・・・・!
  • 20260311 ふ印ラボ第61回定例ゼミをインドMumbai〜日本をつないで展開、途中で挫折も・・・・!
  • 20260311 ふ印ラボ第61回定例ゼミをインドMumbai〜日本をつないで展開、途中で挫折も・・・・!
  • 20260311 ふ印ラボ第61回定例ゼミをインドMumbai〜日本をつないで展開、途中で挫折も・・・・!
  • 20260311 ふ印ラボ第61回定例ゼミをインドMumbai〜日本をつないで展開、途中で挫折も・・・・!
  • 20260311 ふ印ラボ第61回定例ゼミをインドMumbai〜日本をつないで展開、途中で挫折も・・・・!
  • 45日間、慣れないインド亜大陸をふらふらと東西南北に行ったり来たり。 古希老人徘徊か、東奔西走か。
  • 20260225ふ印ラボ定例ゼミ第50回を南インド・サンカランコービル滞在中のふ印ボス(藍蟹堂藤原惠洋)とZOOMで繋いで開催!途中で途切れました。
  • 20260225ふ印ラボ定例ゼミ第50回を南インド・サンカランコービル滞在中のふ印ボス(藍蟹堂藤原惠洋)とZOOMで繋いで開催!途中で途切れました。
  • 20260225ふ印ラボ定例ゼミ第50回を南インド・サンカランコービル滞在中のふ印ボス(藍蟹堂藤原惠洋)とZOOMで繋いで開催!途中で途切れました。
  • 20260225ふ印ラボ定例ゼミ第50回を南インド・サンカランコービル滞在中のふ印ボス(藍蟹堂藤原惠洋)とZOOMで繋いで開催!途中で途切れました。
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ