posted on2024年10月07日14:15
bykeiyo_labo
水俣病犠牲者の慰霊を目的とした仏舎利塔の再生に、熊本県水俣市の市民グループ「水俣森の会」が取り組んでいる。市内で16日、よみがえった白亜の塔に仏像を迎え入れる「入仏式」が営まれた。
森の会によると、仏舎利塔は市中心部と不知火海を見下ろす中尾山の山頂付近にあり、高さ21メートル。1971年に市議会で水俣病犠牲者の慰霊を目的とした仏塔建立が提案され、日蓮宗系の日本山妙法寺の信者だった市内の故・吉村栄さんが私財を投じて83年に着工した。だが完成前に中断し、コケに覆われた状態で放置されていたという。
着工から36年。森の会代表の高倉敦子さん(66)が2019年のインド旅行から戻った後、この仏塔の存在が気になって現地を訪れた。塔は黒ずみ、塔につながる道には空き缶などごみが散乱していた。
「ここから逃げることはできないな」。そう思い立って周辺の草を刈り、ごみを拾った。過去の経緯も調べるうちに、改修への思いを強くした。「吉村さんの思いが眠っていた。慰霊の場を完成させなければ」
友人らの協力も得て20年5月から塔のコケを落とし、白く塗装した。16日は、水俣湾埋め立て地にある水俣病慰霊の碑前に僧侶らが集い、犠牲者を供養。その後、大分県竹田市の彫刻家・早瀬成憲さんが手がけた金色の仏像と移動し、塔の龕室(がんしつ)に迎え入れた。
森の会は今後も周辺の環境整備に取り組み、10月3日には落慶法要を営んで「釈迦の遺骨」とされる仏舎利を納めるという。高倉さんは「仏教者でなくても、気軽に集える場にしたい」と話している。(奥正光)
藍蟹堂
藍蟹堂。感受性は海の底から波濤や世界の波瀾万丈を見上げる蟹そのもの。では蟹とは?