西日本新聞 20240806壇知里
北九州市の振興財団が復帰要求に応じず 門司駅遺構巡る学芸員の配置換え
北九州市が取り壊す方針の初代門司駅関連遺構(門司区)を巡り、調査を担当してきた学芸員が配置換えされた問題で、市芸術文化振興財団は、学芸員の復帰を求める専門家らに対し「財団の学芸員は経験豊富であり、誰が担当しても調査に影響は生じない」などとして要求に応じない考えを文書で伝えた。7月31日付。
財団は市から遺構の発掘調査を委託されている。学芸員は昨年の出土当初から調査を担当してきたが、財団は、今月中に開始予定の追加の発掘調査を前に配置換えを決めた。これに対し、日本イコモス国内委員会副委員長の溝口孝司九州大大学院教授らが「同一遺跡で連続する追加調査は、同一学芸員の経験と知識の蓄積に基づく詳細かつ適切な調査が絶対的必要条件」などとして、復帰を求める嘆願書を提出していた。 (壇知里)