20240628西日本新聞 古川努記者
門司駅遺構巡る緊急要請「JR九州も対象に」 日本イコモスが検討
北九州市門司区で出土した初代門司駅関連遺構が取り壊しの危機にあるとして国際記念物遺跡会議（イコモス、本部・パリ）が発出を検討している国際的緊急要請「ヘリテージ・アラート」を巡り、日本イコモス国内委員会が発出対象に、現地で公共施設の建設計画を進める市に加え、近くで掘削工事を行うJR九州も含めるよう、イコモス本部に要請する方針であることが分かった。
日本イコモス会員の福島綾子九州大大学院准教授（文化財学）が27日に同市で開いた記者会見で明らかにした。JR九州は、市の了解を得て、遺構近くで給排水管敷設のための掘削工事をしている。工区内には駅舎本体の遺構が埋まっているとみられている。
福島准教授は「まずは市に協議の場の設置を求めたい。事態が変わらなければ、年内にアラートが出される。JR九州も対象にするよう要請する可能性は非常に高い」と説明した。
イコモスのテレサ・パトリシオ会長は25日付の緊急声明で、市などに対し、公共施設の建設計画が見直されなければヘリテージ・アラートを発出すると予告している。
2022年には、東京の鉄道遺構「高輪築堤」に関するヘリテージ・アラートがJR東日本に対して出され、同社は有識者会議を設置し、遺構の一部保存を決めた。 （古川努）
（写真出展：西日本新聞meより）
