20240606 西日本新聞 古川努記者
門司鉄道遺構、北九州市が自治総連合会向け説明会 「早期建設」「一部保存」賛否割れる
北九州市門司区の複合公共施設整備と、現地で出土した明治期の初代門司駅遺構を巡り、北九州市は5日、同区の自治総連合会向けの説明会を区役所で開いた。区内21校区の住民代表のうち20人が出席。「施設の早期建設を」「遺構を一部保存して」と賛否は割れた。
発言の口火を切った男性は、遺構について「興味がない。早く埋めて公共施設を建てたらいい」と声を上げ、次の発言者は「遺構を残した場合、観光で門司にお金が落ちるのか。経済効果が見込めないなら、記録保存で十分」と述べた。
一方、別の男性は「校区内には賛否がある。説明責任を果たして」と施設建設を急ぐ市の姿勢に懸念を示し、続けて発言した男性は「一部保存が可能だと思う。良い観光ルートになると思う」と述べた。「(計画される)施設が大きすぎる」「議会の決定次第」との意見もあった。
市は、市議会に説明責任を果たすよう求められ、4月25日から地元説明会を順次開催している。今月6日開会の市議会定例会に、複合公共施設関連の補正予算案を提案し、可決されれば7月から2~3カ月かけて追加の発掘調査を実施。調査終了後、施設建設に向けた造成工事を始め、遺構を取り壊す考え。(古川努)