posted on2024年02月01日02:02
bykeiyo_labo
「移築」提唱していない 門司港駅遺構、市「根拠」の小野田氏 全専門家「現地保存」一致 /福岡
毎日新聞 2024/1/31 伊藤和人
審議会委員「正当なプロセスで再検討を」
JR門司港駅そばの複合公共施設建設予定地で見つかった明治期の初代門司港駅(当時の名称は門司駅)関連遺構に関し、北九州市が意見を聴取した公益社団法人土木学会フェロー会員の小野田滋氏が30日、毎日新聞の取材に応じ「現地での保存が理想」と答えた。市は小野田氏ら6人の専門家に意見を聴取、5人が現地保存を求める中、小野田氏の意見だけを強調して一部移築保存の方針を打ち出していた。市の方針の根拠が揺らぐ事態になった。【伊藤和人】
方針は25日午前の定例記者会見で武内和久市長が表明した。一部移築保存の根拠として「遺構を残すということが難しいということであれば、一部移築保存も考えられる」などとする1人の専門家の意見だけを紹介したが、氏名は本人の希望を理由に非公表とした。記者の抗議で市は同日午後に小野田氏の氏名を公表、同時にいずれも現地保存を求める市文化財保護審議会委員5人の氏名と意見も明らかにした。
取材に小野田氏は「可能ならすべてを、難しければ部分的にでも現地で保存することが望ましい。一部移築保存は次善の策であり、提唱したわけではない」と真意を明かした。市は小野田氏の意見だけを採用した理由について、鉄道遺構の専門家である経歴を重視したと説明。しかし小野田氏は「私の意見は一案に過ぎない。他の専門家や市民の意見を集めて合意形成を図るべきだ」と強調した。
当初、匿名を希望した理由については「個人的な見解なので個人名や所属を出さないようにお願いした」と答えた。市からは公文書による意見書提出の依頼や委嘱状交付などはなかったという。
市の方針を巡っては、現地保存の意見を受け入れられなかった審議会委員の一人である福島綾子・九州大准教授が、方針決定の経緯が不透明だとして市に理由の説明と審議会委員による意見交換会の開催を要望。他の4人の委員も賛同している。福島氏は「交換会開催だけでなく、市民と専門家による保存検討委の設置など、正当なプロセスに立ち戻って方針の再検討を求めたい」と訴えた。
市文化企画課は「複合公共施設の必要性と遺構の保存の在り方を総合的に検討し判断した」と述べ、小野田氏への取材内容については言及しなかった。
〔北九州版〕
藍蟹堂
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