建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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国の文化的景観「小鹿田焼の里」でくすぶる選定返上の声大分県日田市に不信感「規制厳しい」

2023/12/20 09:41 読売新聞 秋吉直美

国選定の重要文化的景観「 小鹿田おんた 焼の里」(大分県日田市 源栄もとえ 町)で、選定の「返上」を求める住民の声がくすぶり続けている。根底には、日田市の文化財行政に対する根強い不信感がある。識者は「住民の理解、納得を前提に成り立つ制度なのに、そのための取り組みが十分に行われてこなかった点に問題がある」と指摘する。(秋吉直美)

九州で初めて選定

 小鹿田焼の里は2008年に九州で初めて、全国でも5番目に重要文化的景観に選定された。

 国指定重要無形文化財「小鹿田焼」の窯元が軒を連ねる皿山と、1キロほど山手に入った池ノ鶴の2集落があり、住民は皿山14戸(うち窯元9戸)、池ノ鶴3戸。7月の大雨では大量の土砂や倒木が作業小屋をはじめ、美しい景観を織りなす棚田や水路などに流れ込み、場所によっては今も無残な姿をさらしている。

昨年11月、住民の感情を逆なでする問題が表面化した。1戸の窯元が申し出た作業場の改築など2件の工事について、市教育委員会が誤った指導をした結果、窯元が望む形で施工できなかったことなどが判明。窯元が被った損害に対する補償交渉は今も継続中だ。

 関係者によると、この問題が一つの引き金になって、住民から「規制が厳しすぎる」「制度には何のメリットもない」といった不満の声が相次ぐようになった。選定を返上(解除)すべきだと考える人も多数いるという。

 一方、選定後に市教委が実施した関連事業は、記録が残る範囲では11年2月のシンポジウムのみ(災害復旧工事を除く)。住民に文化的景観の意義や価値を理解してもらうための普及、啓発などの取り組みは10年以上、行われていない可能性がある。

 文化財保護法は、例えば大規模災害で集落そのものが壊滅してしまうなど、極めてまれなケース以外に選定の解除を想定していない。それでも、住民側が一致して解除を求めるような事態に発展すれば異例だ。

「ゼロベースで議論する」

 地元住民と専門家らでつくる「日田小鹿田焼の里景観委員会」の藤原 恵洋けいよう 委員長(九州大名誉教授)はこれまでの市教委の対応について「住民に寄り添う姿勢が見られなかったのは残念。その結果、行政と住民の間に大きな溝が生まれ、住民側の不満や不信感につながっている」と指摘。「住民の『暮らし』や『なりわい』を保護の対象にする制度の趣旨を踏まえ、信頼関係を取り戻すための取り組みを急ぐ必要がある」と訴える。

市教委による誤指導問題の当事者で、13日に「経過報告会」を開いた住民組織「小鹿田焼の里景観保存会」の坂本浩二会長(54)は「制度としては意味がある」としつつ、「今のやり方ではダメだ。(運用の指針となる)保存計画のあり方などについては今後、ゼロベースで議論する」と話す。

市長に早期解決を要請

 国の重要文化的景観「小鹿田焼の里」の関係者3人が19日、日田市役所に椋野美智子市長を訪ね、市教委による誤指導問題の早期の解決などを要請した。

 訪問したのは「日田小鹿田焼の里景観委員会」の藤原恵洋委員長と、地元の住民組織「小鹿田焼の里景観保存会」の坂本浩二会長ら2人。このうち、誤指導問題の被害者でもある坂本会長は「何が原因であんなことになったのか、きちんと調べてほしい」などと訴えた。これに対し、椋野市長は「市長部局も一緒になって対応に当たりたい」と応じた。

重要文化的景観 =2004年の文化財保護法改正によって加えられた文化財。地域における人々の暮らしに根ざした景観で、特に重要なものを都道府県または市町村の申し出に基づき文部科学相が選定する。9月28日現在、全国で72件、県内では5件が選定されている。

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