建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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出典:王羲之「蘭亭集序」

是日也天朗気氣清《恵風和暢》仰観宇宙之大 俯察品類之盛 所以遊目騁 懐足以極視聴之娯 信可楽也。

「恵みの風がふき、心おだやかに和む」

〈恵風〉はめぐみの風、春風、陰暦二月の総称。転じて君のめぐみ。
万物を育む春の風(もしくは春の雨)が肌に心地よく吹いている。
〈和暢〉は穏やかで和やかな状態を醸し出している。

スクリーンショット 2023-10-08 22.31.00

「書の力」第3回では以下のように解説される。
https://bunya.ne.jp/syonotikara3/
 
・p2-1 書の力3 

恵風和暢(けいふうわちょう)」とは王羲之(おうぎし)「蘭亭序(らんていじょ)」に出てくる言葉で、四字熟語としてもお馴染みです。「恵みの風がふき、心おだやかに和む」ことです。

永和9年(353年)3月、浙江省紹興市にある会稽山(かいけいざん)麓(ふもと)の蘭亭(らんてい)において名士たちが集い、禊(みそぎ)の儀式と曲水の宴を催しました。そこで「恵風和暢」は詠まれます。王羲之は中国4世紀の東晋時代に活躍し、従来の書法を飛躍的に高めたことでよく知られます。

この作品は、その名句を明治33年に日下部鳴鶴(くさかべめいかく)が書いたものです。柔らかい羊毛を使い、線は力強くも落ち着いた筆致で、自身の気持ちを投影しているようです。

近代書道史上、日下部鳴鶴は明治の三筆と呼ばれています。大久保利通の知遇を受け、新政府の太政官文書課に属し、書くことが公務でした。公用書体は、それまでの柔和で優美な印象の御家流(おいえりゅう)(和様書道の流派)から唐様(からよう)へ、新しい時代に新たな書へと変化をしていきました。

唐様といってもいろいろありますが、開国を迎え、特に感化されたのは東洋一の大国とされた中国・北朝の碑学(ひがく)(石碑などの書を学ぶこと)でした。それらは北の山間部にあって、険しい気候や厳しさを表すような書体で力強さがあります。富国強兵を求められた激動の明治期、自ずと書きぶりも力強さを求めたようです。

自粛でお花見も制限されそうな今春。それぞれに感じる「恵風和暢」を短冊に筆ペンでしたためてみるのも良いかもしれません。今号の「恵風和暢」は5月16日まで公開、3月号の大田蜀山人の七言絶句の作品は今月20日~5月16日まで公開します。(学芸員・谷本真里)


藍蟹堂意訳 生きとし生きる森羅万象の育みを感じるように命の躍動感と歓びに溢れた美しい描写を見たことがありません。春の訪れは新たな命の歓びをもたらすものです。


 

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