
大分県で初の女性首長 元厚労省官僚の椋野氏が日田市長選で初当選
大分県日田市長選は9日に投開票され、無所属新顔で元厚生労働省官僚の椋野美智子氏(67)が、現職の原田啓介氏(64)と新顔で元市議の佐藤功氏(68)を破って初当選を果たした。椋野氏は大分県内で初の女性首長となる。当日有権者数は5万1561人。投票率は58・1%(前回64・66%)で過去最低だった。
【写真】日田市長選で初当選を決めて喜ぶ椋野美智子氏=2023年7月9日午後10時10分、大分県日田市若宮町、白石昌幸撮影
日田市若宮町の椋野氏の事務所では、当選の一報がテレビ中継で流れると大きな拍手が湧いた。椋野氏は支持者と握手を交わし、「日田市の新しい政治の始まりです。子どもたちが世界に誇れる素晴らしい日田を取り戻す。その道を一緒に歩き、切り開いてほしい」と述べた。
4年前に続き2度目の市長選に挑んだ椋野氏は、厚労省時代に少子化対策に取り組んだ経験から、給食費の完全無償化や放課後児童クラブ運営の改善など「子育て支援」の抜本的な強化を訴えた。このほかにも企業誘致の推進などを掲げ、支持を広げた。
4選を目指した原田氏は災害復旧などに尽力した3期12年の実績をアピール。日田市の基幹産業である林業・木材産業の振興や「総合的な子ども支援拠点」の整備などを訴えたが、届かなかった。
佐藤氏は市総務部長や市議の経験から、企業誘致の取り組み強化や学校給食費の保護者負担軽減などの政策を掲げたが、支持が広がらなかった。(白石昌幸、高嶋健)