西日本新聞2022年11月8日付け[藤原賢吾記者]
市などによると小鹿田焼は江戸中期から300年以上にわたり伝統技術を継承し、国重要無形文化財にもなっている。小鹿田焼の里は福岡県との県境の山あいにあり、住居も併設された窯元9軒が集まる皿山地区と、農業を営む池ノ鶴地区、周辺山林で構成。2008年に九州で初めて国重要文化的景観に選ばれた。指定エリアは約239ヘクタール。
文化的景観は文化庁が所管し、各自治体が運用する。市教委によると、市は選定に合わせ、住民らと協議し「小鹿田焼の里文化的景観保存計画」と「景観形成基準」を策定。市議会や文化庁にも報告した。
市教委によると、小鹿田焼の窯元1軒が12年と19~20年、いずれも作業場の改築を行った際、基準に基づかない指導を行った。
12年の際は、石垣の上にあるデッキ状の作業場について、石垣をコンクリート擁壁に変えて改築しようとしたところ「石垣部分は取り壊さないこと」などと指導。実際は、石垣を撤去しコンクリート擁壁に変更できた。これにより施主である窯元側の負担額が増したという。
19~20年時は、作業スペースを広げる改築をしようとしたところ、自由に改築できないという誤った指導をし、広げられなかった。また改築時には文化庁への届け出が必要とも誤認し、それに伴い時間を要し完工が遅れた。本来は届け出は必要なかった。
市教委によると担当の文化財保護課が組織的に制度を誤認していたのが原因。「職員の指導や規制が厳しい」との住民の声を受け、過去にさかのぼって調べた結果、誤指導が判明した。
市教委は当該窯元へすでに謝罪。誤指導で発生した損害の回復については今後協議していく。この日、市役所で記者会見した市教委の三笘真治郎教育長は「教育委員会として重く受け止めている。再発防止に努めていきたい」と話した。
市教委が6日に実施した地元説明会では、住民から「市教委の対応がずさんだった」「補助金もなく地元にメリットがない。制度を国に返上したい」などの意見が出たという。 (藤原賢吾)
文化的景観の制度理解足りず

























