大分県日田市は29日、同市上津江町の高齢者施設「やすらぎ苑」について、同市中津江村の旧「中津江ホール」敷地内に建設する高齢者施設への統合・移転計画を住民に説明した。上津江体育館で同日説明会を開き、住民ら約50人が集まった。
市は(1)上津江町は高齢化が進んでいるが人口減の方が大きく、施設を利用する高齢者数は減少する(2)現在の施設は土砂災害特別警戒区域に建設されている-ことから、中津江村に建設する新施設への統合に理解を求めた。
中津江村にあった高齢者施設「安寿苑」は2020年の記録的豪雨による土砂崩れで全壊しており、市は23年度までに安全性の高い旧中津江ホール敷地内での再建を目指している。それに「やすらぎ苑」を統合する計画だ。
一方、昨年8月に市が上津江町の全304世帯を対象としたアンケートでは、回答した196世帯のうち「統合し上津江内に移転」か「統合反対」という、市の計画に反対する意見が計101世帯(回答の51・5%)に上っていた。
説明会でも、参加した住民女性は「私たちの世代は(上津江から)保育園もなくなり、小学校もなくなり、中学校もなくなった世代。『今度はこれ?』と、妥協に終わりがない」と訴え、男性は「公共施設がこれだけ順次なくなるのはさびしい。子どもも増えていかない。上津江への重点的な振興策を約束してくれませんか」と求めた。
これらの声に、原田啓介市長は「振興策は必要だと思う。どういった事業ができるのかを具体的に検討したい」と答えた。
また市は、やすらぎ苑に隣接する上津江診療所についても、上津江振興局内か「道の駅せせらぎ郷かみつえ」周辺という、上津江町内2カ所の移転候補地を住民に提示した。市は今後も両施設の移転計画について住民と協議していく。 (藤原賢吾)














