建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

おはようございます。

みなさま、お元気でしょうか。
 

 20年前の911日はアメリカで忌まわしきテロが行われた日。犠牲になった方々に合掌。

 

 私たちは、コロナ禍の中で生活しはじめて20か月余が経過しました。この間に、様々なことを自粛するとともに、今までの生活や生き方などについて、じっくりと考える機会を持つことができました。
 

 この20か月余は、自分と家族の生命をいかに守っていくのかが一番の課題でした。そのために、うがい・手洗い・マスク着用をしっかりと守り、密の場所には行かないことを心がけました。また、暴飲暴食をせず、ゆっくりと晴耕雨読の精神で暮らすことに努めました。刺激的なことは少ないのですが、安定した生活を暮らしてこれたのではと思います。幸い、今までのところコロナには感染していませんが、油断するとすぐに罹患してしまうのではと恐れ、これからも憶病に慎重に暮らすつもりです。
 

 この間、たっぷりある時間を使って、デジタルカメラを使う前の膨大な数の写真類(スライドとネガ)のデーター化を進め、1万枚にのぼる写真をJPEGに転換。北は北海道から沖縄までの建物やアートイベントを中心とした写真が中心ですが、データ化しながらも、その土地やお会いした方々の表情を思い出します。特に赤煉瓦ネットワーク関係で訪れた場所には、多くの仲間がいて、交流を深め、私の生活を彩ってくれました。また、アート関係のイベントでもアーティストの方々と一緒に活動できたことは私にとっての財産であり、生きがいでした。お会いした方々にあたらめて感謝します。

 

 1990年に静岡県富士市で、田村明さんの代りに私が講演をした時のレジュメを発見しました。

 
 ひらがなの「まちづくり」とは「一定の地域に住む人々が、自分たちの生活を支え、便利で快適に、より人間らしく生活をしていくための共同の場をつくる」と書かれていました。
 
 黄金町地区でもこれが私の基本的なスタンスでした。まちづくりはむろん人が行うもので、いろいろな人が町には住んでおり、ひとりひとりの価値観がぶつかり合います。
 
 自由な社会では、様々な衝突があります。しかし、自由というのは素晴らしいものです。何事についても、隣人や親せきが決めるのではなく、最後には自分で決めることができます。
 
 一方、人間は一人では生きていくことができません。他人と協力しなければ生きていけません。人々がエゴをむき出しにして生活していくことはできません。
 
 責任なしに皆が勝手放題というのは、皆の自由が危うくなります。

 どう協力して生きていくかが非常に難しく大切になります。

 そして、人の欲望は無限です。自由だからと言って無限の欲望を満足させることは無理です。

 無限に拡大していく欲望を勝手に動き出さないようにコントロールしていく必要があります。
 

 こう考えると自由というのは、あんがい厄介なものです。

 まちづくりは、この自由の要素をいかに皆が確認して、共同で進めるかにかかっています。


 そして、まちづくりは人づくりでもあります。

 どんなに素晴らしい仕組みができても、そこに住む人が自分のまちを愛し、自分の役割を自覚していくことが必要です。
 
 そうした人が育っていかないとどうにもなりません。


 人づくりは人のココロを育てることであり、様々な地域の活動を通して、地域に住む人が自ら自覚して自らの責任で地域を良くしていこうという意欲があって、はじめて「まちづくり」が進んでいきます。

 


 この12年、黄金町地域の一部の関係者やNPO組織との間で、人のココロを育てるのではなく、人を排除していくような傾向が強くなり、なかなかうまく共同の場が作れなくなってきました。

 お互いに信頼関係をつくれず、積極的に動くことができなくなり、私のライフワークである「地域のまちづくり、アートによるまちづくり」も、そろそろ私の知識や経験、情熱では通じないと思いしらされました。


 そのため、今年の5月にNPO法人黄金町エリアマネジメントセンターの仕事を辞め、2―3年は自分達だけでできるギャラリーに専念しようと考えましたが、半年もしないうちに、これにもいくつかのクレームが地域の方からきました。
 
 この間、夫婦で精神的にナーバスになってきましたので、しがらみを捨てて、そろそろ終活に向かって生活を作っていこうかと思い、「エムジィーアーツ」を閉じることに決めました。


 2005
11月に黄金町で活動をはじめ、2012年からはエムジィーアーツを運営するなど、16年間にわたる活動を支えていただいた関係者の方々には感謝しかありません。


 「ありがとうございました」

 

★★★ 黄金町 さようならセール ★★★

エムジィーアーツ(Mzarts)は、20211031日(日)をもって、閉店します。10年の地域での活動、ありがとうございました。
 

閉店にあたり、30-50%割引してお譲りします。

(新作及びアールブリュット、安部泰輔等の一部作品をのぞく)


MZ arts エムジーアーツ[ギャラリー] (mz-arts.co.jp)


会期:2021918日(土)~1031日(日)  

金・土・日  11:0018:00

場所:横浜市中区日ノ出町2-145 高架下日ノ出スタジオ

(京浜急行日ノ出町駅、徒歩4)


 なお、全部の作品を展示することができませんので、エムジィーアーツのホームページ「過去の展覧会」に掲載されている作品が中心になります。
 

 事前に仲原まで連絡いただければ、収蔵庫から展示室に移しておきます。
 

絵 画:井田照一、郭仁植、原口典之、堀浩哉、丸山直文、吉澤美香、吉永裕、

   中谷ミチ子、吉本伊織、川野美華、森田洋美、藤井健司、ほか

写 真:石内都、川越健太、宮本隆司、武田はな、大洲大作、遠藤一郎ほか

陶磁器:内田鋼一、小川待子、加藤重高、クロードシャンピ、鯉江良二、高内正剛、穂高隆児、山田和、吉田明、金理有、篠崎裕美子、郡司康久、鍾雯婷(ツォン ウェンティン)

造 形:安部泰輔(アマビエ等小作品は割引除外)、岡本敦生、金井ひろみ

アールブリュット:川戸由紀、栁まどか、水脇理恵、ほか

 

 101()1031()の期間は「黄金町バザール」を開催しています。


 私は金・土・日にはギャラリーにいますので、バザール見学がてらお越しください。お待ちしています。

 

 まだまだ、困難な時間が続くと予想されます。自分を守り家族を守り、地域を守る、そんな行動をして、「清く楽しく美しい」生活をお過ごしください。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★

■ギャラリーエムジィーアーツ(MZarts

231-0066 横浜市中区日ノ出町2-145先 高架下 日ノ出スタジオ内  http://www.mz-arts.co.jp/

仲原 正治   nakahara@mz-arts.co.jp

仲原正治のまちある記(無料)http://www.mz-arts.co.jp/words.html

★★★★★★★★★★★★★★★★★

P1220273

 

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