中国福建省民居(屋敷建築群)「永泰庄寨」研究会 議事録
第1回 研究会
作成 高口
開催日 2019年10月17日(木)19:00~ 21:45
会場 ふ印ラボ(藤原惠洋研究室)学生研究室(九州大学大橋キャンパス5号館5階)
出席 藤原先生、高月、江上、鈴木、舌間、長谷川、高口、田、薛
(1)現地踏査報告 藤原先生、現地で撮影した写真を交えつつ現在までの知見を報告。
藤原 2019年9月、福建省北方に点在する巨大な宗主屋敷「庄寨」を訪問調査。当地ではユネスコ世界文化遺産登録「福建土楼」ばかりを訪ねる日本人の多くが知らないだけ、らしい。中国では周知かもしれない。福建省は世界へ羽ばたいた華僑の故郷。その中でも知られるのは、すでに世界遺産登録の福建土楼群。庄寨建築群は、大規模な木造複合建築の宗主館であり、観光開発とは異なる孤高の存在とも言える大規模な木造遺構群とも言えよう。
同月、当地で以下の2つの案件に関して関係者たちと面談、今後への協力を約束した。
[1]福建「庄寨」民居建築を、今後どのように文化遺産として保護し、再生、活用していくべきか、という現地での取り組み計画に助言していく。
[2]厦門と対峙する台湾・金門島とに挟まれた大嶝島・小嶝島は歴史的建造物・文化財、文化遺産をふんだんに有する。政府による巨大な埋め立てと国際空港建設が展開、2年後には竣成。変化の中で歴史的建造物を保全、再生し、民泊やゲストハウスとして活用するビジネスプランを若者たちが実践中、現地への波及効果を注目したい。いずれも現代中国における歴史的建造物や文化遺産を巡る最前線。中国福建「庄寨」民居建築保存・再生・活用マネジメントプロジェクトのため研究会を設け、現状分析や今後の共同作業の可能性を検討。
今後の調査計画 2020年2月4日〜11日(中国の旧正月が終わった翌週)、継続的な現地踏査を予定。
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藤原先生:今回の滞在調査の契機となった研究室OB Jim熊先生は現在「高齢化社会」と「歴史的建造物の保存」の相関関係について新しい研究を行おうとしている。その一環で、この庄寨に巡り会うことができた。
鈴木:昨今の災害で、自分の居場所を失った高齢者が孤独に死んでいっている。Jim先生の研究はそれにも通じるようなテーマだ。
藤原先生:現地から「どう庄寨を保存・活用していけば良いか」という提案が求められている。2月の踏査では他の複数の庄寨も見て回る予定。日本人の奥さんがおられ、取り組みが上手い庄寨があり、そこで詳しい情報が得られるのではと期待する。
(2)2020年2月現地踏査計画について
藤原先生、現地踏査について説明。
福岡〜航空機〜厦門・高崎国際空港(香港経由もしくは福岡経由、LCCならマカオ経由も可能)〜BRT〜厦門北駅〜新幹線〜永泰駅〜手配車〜山中へ移動して福建「庄寨」民居建築踏査〜現地調査3〜4泊ならびに研究会・シンポジウム1日〜永泰駅〜新幹線〜厦門北駅〜厦門理工学院表敬訪問〜厦門市内歴史的街区宿泊〜厦門・高崎国際空港〜福岡
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藤原先生:さらに世界遺産登録の福建土楼、コロンス島、そして対岸の台湾・金門島へ。コロンス島は1日20,000人の上陸人数制限、外国人専用の渡船場へ。朝早く向かえばいい。
藤原先生:来年2020年6月2日~ 7月4日にかけて中国福州で世界遺産委員会が開かれる。これを機に「庄寨」は世界に知られる。
(3)質疑応答
江上:小嶝島の若者たち(華僑大学建築学科卒業生)が取り組むリノベーションは、自主的なものか?それとも政府がそう勧めたのか?
藤原:自主的なもの。政府はこれを褒め上げ、取り組みは広がりを見せている。
江上:建築を志す若者が大規模なプロジェクトではなく、伝統家屋のリノベーションをわざわざ選択するところがスゴイ。
藤原:非常に丁寧に取り組んでいる。削ぎ落とし洗練していくようなリノベーション。
江上:庄寨で現在も人が住んでいるところはあるのか?
藤原:庄寨の隣に建てられているような新しい建物に移り住んでいるようだ。
鈴木:土楼の場合は周りに大きな新しい建物は存在しなかったが、報告の写真を見るとこの庄寨の周りには存在している。
藤原先生:土楼は流浪の一族、客家の住処。それが周囲に住居が無いことと関係する。庄寨は他にまだ数多くあり、山の中にポツンとあるものもある。
鈴木:高口さん、現地踏査感想は?
高口:一族のためにこんなにも巨大な家を作るとは驚いた。また、観光地とは異なり、人の営みがすぐ側にあることも印象的だった。今後、どのように保存・活用されていくのかとても関心がある。
藤原先生:「遺産影響評価(Heritage Impact Assessment)」が人の営みと遺産保存を考える上で重要。「今後1000年間、それを残すためには」という観点で、沖ノ鳥島のように人を入れないという選択や、廈門のコロンス島のように人数制限をかける方法などがすでに実施されている。
(4)今後の研究会連絡先
藤原惠洋研究室 〒815-8540福岡市南区塩原4-9-1九州大学大橋キャンパス5号館5階4-9-1 Shiobaru Minami-ku Fukuoka 815-8540, JAPAN Tel/fax +81(0)92 553 4529























