建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

道路や建物の整備だけがまちづくりではない

 最近、まちづくりが注目されはじめ、住む人たちのコミュニティを作り上げるという意味で使われる「コミュニティビルディング」という言葉もだいぶ聞かれるようになりました。まちをつくるのに欠かせないのがコミュニティを作るという考え方です。まちづくりは何も道路や建物などを整備することだけではありません。そこに住む人々をつなぐことも、そのまちを形づくる大切な要素の一つなのです。また、芸術と社会のつながりを考えることも、魅力あるまちづくりには欠かせないことです。

日常の中にあふれる芸術

 芸術に触れるというと、美術館や劇場に行くことを思い浮かべる人も多いでしょうが、私たちが暮らす日常の中にこそ、芸術の原点はあるのです。芸術の秋という言葉も日常からできた言葉でした。秋、日本では収穫を祝い神への感謝の気持ちを歌や踊りで表現する風習が古くから伝わってきました。これこそが芸術の始まりでした。そしてこの集いがコミュニティを生み出していたのです。しかし、現代はこのような交流が持ちにくい世の中です。ではどうしたらコミュニティを形成できるのか、建物を用いて考える例を紹介しましょう。

「散歩」も研究の一環になる!?

 まちづくりのために集落全体を保存しようと試みる地域が出てきています。こうしたまちづくりでは、ただ単に建物だけを残せばよいというものではなく、そのまちに新しいコミュニティを作り出すことも合わせて考える必要があります。私たちが、まちづくりにかかわる場合には、まず、そのまちを知ることが必要で、ときには「散歩」が有効です。例えば、うねうねと曲がった小道を発見し、地元の方に伺うと、そこは昔、小川が流れていたということがわかりました。散歩しながらまちのよさを聞くことにより、地域の人々とのつながりが生まれます。また、地域住民同士の交わりも生まれます。集落全体の保存という共通の目的をもつことが、住民同士を結ぶ橋渡しの役割を果たすのです。

 

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メッセージ

 私の専門は、芸術と社会を楽しく結ぶことです。芸術と社会の絆をどうやって結ぶことができるのかを一緒に考え、体験してほしいと思っています。芸術は、美術館や劇場だけにあるものではありません。芸術を学ぶということは、教養を高めるだけではなく、想像力を人に宿していくことだと思います。地震で傷ついた人の心を癒やす力も芸術は持っています。この芸術の力を、地域社会の絆づくりなどに役立てていけないか、そんなことを探っていけたらと思っています。


http://yumenavi.info/lecture_sp.aspx?GNKCD=g004560&OraSeq=56&ProId=WNA002_Sp&SerKbn=Z&SearchMod=2&Page=1&KeyWord=コミュニティ

 
 

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藤原 惠洋 先生がいらっしゃる九州大学に関心を持ったら

九州大学は、教育においては、世界の人々から支持される高等教育を推進し、広く世界において指導的な役割を果たし活躍する人材を輩出し、世界の発展に貢献することを目指しています。また、研究においては、人類が長きにわたって遂行してきた真理探求とそこに結実した人間的叡知を尊び、これを将来に伝えていきます。さらに、諸々の学問における伝統を基盤として新しい展望を開き、世界に誇り得る先進的な知的成果を産み出してゆくことを自らの使命として定めています。

 

 

 

 

 

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