去年10月からドイツのカールスルーエ造形大学において交換留学中の九州大学大学院芸術工学府環境・遺産デザインコース・藤原研究室修士課程の張榮です。
私の交換留学生活もあまり残ってないですが、より有意義な時間として過ごすため、8月にはドイツのカールスルーエから離れ現在はドイツのベルリンの近くで生活をし、ベルリンを巡りながら、交換留学生活の残りの時間を過ごしています。
今回は、ドイツのベルリンにあるユダヤ人虐殺追悼公園(Memorial to the Murdered Jews of Europe)を紹介したいと思います。私はドイツにくる前からここには必ずきてみたかったのですが、やっと来ることができました。
ユダヤ人虐殺追悼公園(Memorial to the Murdered Jews of Europe)は第二次世界大戦当時犠牲になった600万人のユダヤ人を追悼するための記念公園で、ホロコースト記念碑(Holocaust Memorial)とも言えます。ホロコースト(Holocaust)は第二次世界大戦中ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺を意味します。
ホロコースト記念碑(Holocaust Memorial)は1980年代中頃、ユダヤ人たちからの設立建議により設立されることがきまりました。その後、アメリカ建築家ペーターアイジェンマン(Peter Eisenman)により設計され、1999年から2005年まで工事を行い、第二次世界大戦が終わった後の69周年目、2005年に完成しました。
記念公園はベルリン市内の中心部位置されていてベルリンに来たら簡単に見にいくことができます。遠い距離からこの公園をみると、多くの長方形でグレーの石碑が立てれている様子がわかります。高さ0.2mから4.8mまで2,711個の記念碑が置かれていました。
公園の中に入り、その記念碑の間を歩いてみました。迷路のように構成されている2,711個の碑の間を歩いてみると当時犠牲になったユダヤ人たちの苦痛が感じられるようでした。記念碑の高さがすべて異なり、私の背より高い碑の中で立ってみると、光や影の影響により、犠牲になった人々の心情がより深く感じられ気がしたのです。私は単純に見に行っただけなのですが、その中で時間を過ごすほど悲しくなってしまいました。同時にこの公園を通して、ユダヤ人たちの心情を人々に理解しやすくし、感情の伝達がよくできているように思えました。感情を建築物として表現することで、視覚的で効果的な伝達力を持っていると思います。
公園だけではなく内部で連結されている展示もありました。展示は無料でみることができますし4月から9月までは午前10時から午後8時まで、10月から3月までは10時から午後7時まで開いています。(月曜日は休館)。私が展示を見ようとした時も多くの人々が展示を見るため並んでいました。
展示をみに行くと、犠牲になったユダヤ人たち一人ひとりの名前や個人記録を見ることができました。この展示場は虐殺されたユダヤ人の心情や心理をよく表しているようでした。非常に暗い空間の中でユダヤ人たちの日記や記録がある記事だけが照明に照らされていました。当時ユダヤ人たちが家族へ書いた手紙もあり、一つ一つを読みながら、彼らの苦しみさや悲しさを大きく感じ、私は更に苦しくなりました。それ以外にもドイツがユダヤ人たちにどんな虐殺行為をしたのか、どんなユダヤ人家族が亡くなったのか、当時虐殺した場所についても写真を通して見ることができました。





































このようなユダヤ人虐殺追悼公園(Memorial to the Murdered Jews of Europe)がドイツの首都ベルリンに建てられているというのはドイツ人たちの反省がなかったら絶対できない結果の公園だと思います。ドイツ人たちの心も感じられるような公園でもあり、今までは感じられなかったユダヤ人たちの心情を少しだけでも感じられ歴史の重要性についてももう一度考えるようになりました。私だけではなくこの記念公園には多くの観光客がきて当時の状況や雰囲気を感じると思います。悲しい物語ではありますが、歴史を忘れない、記憶できるような場所でもあると思います。我々が住んでいる現代でも時間が流れ、歴史は作られて行っていますが、過去の物語、歴史を忘れずに現代、現在を生きていくのが重要だと思います。
M2 張榮









