
2016年度日本建築学会大会[九州]が2016.8.24-26 会場:福岡大学七隈キャンパスで開催されました。
記念特別講演会
2016年8月23日(火)13:00~16:15「九州からオリンピックを俯瞰する」アクロス福岡イベントホール
講演者:片木篤(名古屋大学教授)、Peter Bishop(ロンドン大学教授)、安井順一(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与)、大野秀敏(東大名誉教授・建築家)、工藤和美(東洋大学教授・建築家)
創立130周年記念行事:大会シンポジウム
2016年8月24日(水)14:00~17:00「みんなの建築」福岡大学メディカルホール
基調講演者:伊東豊雄(建築家)
パネラー:伊東豊雄、山崎亮(コミュニティデザイナー)、木下斉(エリアイノベーションアライアンス)、岡崎正信(オガールプラザ代表)
以上2つに行って来ました。

8月23日はアクロス福岡でオリンピックを考えます。↓


ロンドン大学のピータービショップ先生はロンドンオリンピックの文化プログラムを市職員として担当したそうです。文化プログラムの目的は貧困地区にあるロンドンの東側を再生する為だったそうです。曖昧な言い回しはなさいませんでした。ロンドン東地区はブラウンフィールドで、冷蔵庫や車が数多く、捨てられた状態でした。
下の写真は車が地面にささっている写真です。



オリンピックが終わったあとどのように町をひらくかが課題だったということです。





貧困や移民が多く暮らすロンドンの東地区、ここにオリンピックを持ち込むことで活性化を図ろうとしたということが第一の目的でした。オリンピック終了後のロンドンの街をいかに再生するかが中心のコンセプトだということがわかりました。マスタープラン作成の時は60~70の団体が自らのチャンスを広げる仕組みを考えたそうです。Change of Life という言葉が聞かれました。貧困がオリンピックによって転換できるかということが主題だったということを知り、日本とはオリンピックの捉え方が違うのだと思いました。またインフラがあっても投資者がいないとこまるので、グリーンエンタープライスゾーンを設けたそうです。













圧巻だったのは大野先生です。神宮の歴史的文脈に沿って考えることが必要で、ロンドンは600億円の費用で日本は3000億円かかるということで、たった2週間のために3000億円が使われるのはおかしいのではないか。今は縮小時代にあり、混むのは開会式と閉会式でそのための3000億円か。建築は20世紀型の評価方法ではダメだ。競技場の200mの面が年に与える影響を考える必要がある。オリンピックは積年の思いを果たすばである。













2日目は福岡大学です。


みんなの家:安藤忠雄氏↓

みんなの家:ザハハディド氏↓





































岩手県紫波町のオガールプロジェクトはPPP(公民連携)の取り組みで、この中心人物が以前は都市再生機構にいた岡崎正信さんです。当時の町長とともに自分たちで駅の西側に10年以上放置された土地10.7haを使い、再開発、現在では補助金に頼らない運営をしています。オガールプロジェクトの中核となる施設「オガールプラザ」は、紫波町の情報交流館(図書館+地域交流センター)、子育て支援センター、民営の産直販売所、カフェ、居酒屋、医院、学習塾などで構成される官民複合施設で、図書館以外のところからのテナントなどでうんえいしています。
資金のバックボーンに触れない議論では説得力がありません。以前は、どうせ補助金を使うのだろうくらいしか思えませんでした。しかし、この岡崎氏はリスクは負うが補助金に頼らない仕組みを作っています。もう少しこの岡崎氏の方法を学びたいと思いました。
岩井