
2016年3月27日(日)某所で『楽茶会』が開かれました。お客様は建築家の方やランドスケープデザイナーの方々、そして楽茶会を楽しみたい方々です。
前日の26日の晩、先生はいつものように揮毫に取り組みました。

先生は自らでこの揮毫を幟のようにするつくりも考えました。揮毫も、物をつくるのも上手なのですね。

そして、27日(日)朝8:30某所へ向け出発。ここです。
戦後の京都数寄屋大工により普請されたお茶室とのこと。待ち合いはありませんでしたが、崖地を緩やかに登って行く踏み分け道を進むと、突然、露地が現れます。前庭を覆ったコケの感じがじつに素晴らしい景観を成しています。

幕開けは、前庭から広間へあがって頂き、広間に座していただきました。
そこで藤原先生から、昨年の調査時の成果による建物全体の説明が行われました。


続けて、再度前庭に出て頂き、ぐるりと廻って木戸垣根を越えると、そこには本格的な躙り口があります。そこから潜る込むように小間へ入って頂くこととしました。
いよいよ小間にて濃茶を戴きました。

さて小間では、茶事が終わった後、お客様のお手元の茶器に見られる景色や物語等をゆっくりと鑑賞していただきながら、お茶を立てて頂いたオーナーさまと歓談して頂くことができました。
その後は、場所を移して、野趣味豊かな居間へ。そこで、イノシシ汁などをご賞味いただくこととなりました。いわば、本日の「楽茶会」の懐石とでもいった趣向となっていました。






その後、スタッフとして参加してくれたふ印ラボ(藤原惠洋研究室)のみなさんにもお抹茶が振る舞われました。作法を知らないから・・・と恥ずかしい限りですが、それでもみなさん自由に楽しんでいきます。オーナーさまも、じつに楽しそうに、みんなと語らって頂きました。


大分県竹田市で建設業を営む嘉月孝志さんは、藤原惠洋先生の20代の頃からの教え子さんですが、今回のお茶時の細部をしっかりと支えてくださったふ印ラボきっての趣味人。自称「現代の魯山人」とおおしゃるだけあって、たいへんおもむき深いお話を次々と聞かせてくださいました。

季節のお軸が選ばれ、架けられていました。

神妙な趣きのふ印ラボスタッフ。


再び、藤原惠洋先生による戦後数寄屋の精髄を反映された当茶室の特徴と課題が、ゆっくりとわかりやすくお話されていきます。


午後4時頃、「午後之部」のお客様が参上されました。








とても楽しくざっくばらんなお茶会、まさに鷽ン谷の「楽茶会」でした。
ご参加いただきましたみなさま、ほんとうにありがとうございました。
また、今回の鷽ン谷「楽茶会」の開催に向けて、いろいろお世話戴きましたオーナー様、関係のみなさま、心から御礼を申し上げます。たいへん良い勉強となりました。誠にありがとうございました。
岩 井