新国立競技場:安倍首相「ゼロベースで計画を見直す」
毎日新聞 2015年07月17日 16時03分(最終更新 07月17日 16時54分)
安倍晋三首相は17日午後、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設計画について「現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直す」と表明した。首相官邸で記者団に明らかにした。
新国立競技場:首相、見直し午後表明 W杯使用断念か
毎日新聞 2015年07月17日 東京夕刊
安倍晋三首相は17日午後、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設計画を抜本的に見直す方針を表明する。総工費が 2520億円に上る現行案への世論の批判が強く、方針転換せざるをえなくなった。工期がずれ込み、19年9月開幕のラグビー・ワールドカップ(W杯)に間 に合わない可能性もあるが、やむを得ないと判断した。【細川貴代、山本浩資、田原和宏】
首相は表明に先立ち、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相と首相官邸で会談し協力を要請する。下村博文文部科学相ら関係閣僚にも見直しを指示する。
現在の計画は日本スポーツ振興センター(JSC)の国際公募で12年11月に最優秀賞となったイラク出身の女性建築家、ザハ・ハディド氏のデザイ ンに基づき作成された。2本の弓状の巨大な構造物「キールアーチ」が総工費の高騰の要因と指摘され、当初の1300億円から、2倍近くまで膨張した。
菅義偉官房長官は17日午前の記者会見で、「デザインそのものが大きな工事費につながっている」と述べ、工費削減のためにはデザインの抜本的な変更が不可欠になるとの考えを示した。
政府は「デザインの変更は国際的信用を失墜しかねない」(菅氏)などとして計画変更に否定的だった。しかし、安全保障関連法案への世論の反対が強 く、内閣支持率は下落傾向にある。現行計画で押し切れば、批判がさらに高まり、政権基盤にも影響すると判断し、方針転換に踏み切った。
下村氏は17日、閣議後の記者会見で、17日中に安倍首相と会うことを明らかにし、「今日、首相が記者会見すると思う。それが終わってからコメントしたい」と述べた。
遠藤利明・五輪担当相は閣議後の記者会見で、「工期や費用の面で課題があるという指摘があるので、最終的に政府として決定していかなければならない」と語った。
閣僚からは見直しを支持する発言が出ている。
麻生太郎副総理兼財務相は「いろいろな形で見直すというのは間違った方向ではない」と語った。高市早苗総務相は「納税者が納得できるコスト削減が 実現されることを期待する」と述べた。また、山口俊一沖縄・北方担当相も「国民の理解をいただく形で見直しができることを期待している」と語った。石破茂 地方創生担当相は「国民の理解が進むものでなければ、政府与党に対する信頼が揺らぐ」と指摘した。
17日の自民党の内閣・文科部会の合同会議でも、建設計画の見直しに賛同する意見が相次いだ。高騰するコストに疑問が集中し、ザハ氏のデザインを白紙撤回するよう求める意見も出た。













