建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
7月11日(土)、我らがふ印ボス藤原惠洋先生の還暦のお祝い、そしてこれを契機とした学生からの感謝の会が福岡市は歴史的建造物の「博多百年蔵」にてとり行われました。

研究者としてはもとより、1981年の東京工科専門学校、建築実務専門学校を皮切りに、1983年の國學院大學文学部兼任講師就任からは32年、1988年の千葉大学助手就任より数えれば27年の長きに亘って教育者指導者として過ごされ、九州芸術工科大学、九州大学芸術工学部、九州大学大学院芸術工学研究院と移りかわりながらも、その門下からは数多くの優秀な人材を数々と輩出されてきました。

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藤原惠洋先生をお祝いし、常日頃のご指導ご鞭撻への感謝の会を開く…というコンセプトのもと、水面下では2ヶ月ほどかけて準備してきました。当日は朝からなんとも嫌な天気で、開場前には降りだしてまいました。そんな足元の悪い中北は北海道から南は九州(近場ですね!)いやいや、香港、シンガポール、韓国に至るアジア各地から煩悩の数と奇しくも同じ108名の大先輩にご足労頂き、大変盛大な会となりました。

式次第
16:30 受付
17:00 開場
     学生挨拶、乾杯
     一芸披露
     来賓挨拶
     主賓挨拶
     記念撮影
20:00 終了、2次会へ

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国登録有形文化財として登録されている酒蔵を使用した博多百年蔵。
非常に雰囲気の良い会場でした。

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現在のふ印ラボ現役メンバーは研究生1名、学部学生1名、修士学生2名、博士学生3名※の7名で国籍は中国、韓国、日本となっており、少数精鋭かつ多国籍です(※社会人学生の方は除いています)。

さらに集われたOB、OGの皆様に非常に大きなお力添えを頂きました!
この場をお借りしてお礼申し上げます。

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この間に世界各国をフィールドワーカーとして歩きまくってきたふ印ボス先生が、現地・現場で作成してきた膨大な数の資料、スケッチブック、野帳、ヘルメット、鞄、靴が縷々展示されていたのが圧巻。
各地から出席されたご来賓のかたがたが手に取って見つめられることしきり、これはこれは凄いねえ、と驚いておられました。

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会場内正面の舞台に掲げられたこのすてきな題字は、長らく交流を育んできた熊本県菊池市在住の高木敬二画伯によるもの。
会場の雰囲気をより一層高め、温かく飾ってくださいました。

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写真は先月28日(日)に行われた菊池FWでお会いした時のもの。東京・銀座や東急ハンズ等でも展示される高木さんは、廃材や竹を使って独特の作品を作っていらっしゃいます。

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会場では、先生へのビデオメッセージの収録も!
公開まで今しばらくお待ちください。

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学生による挨拶の様子。

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研究室紹介

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熱気で溢れる会場の様子

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ふ印OGの東京藝術大学大学院博士後期課程で博士論文執筆中のピアニスト小井塚ななえさん。オープニングを、ドビュッシー作曲『亜麻色の髪の乙女』の素晴らしい音色で飾ってくださいました。


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九州大学工学部建築学科時代のご同輩の方々と語らうふ印ボス藤原先生。
日頃はまったく出ることも無い赤裸々なお話までいただけました!?

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札幌国際大学教授、NPO法人炭鉱の記憶推進事業団理事長の吉岡宏高先生の呼びかけで舞台へ登場したふ印ラボの旧産炭地を元気にしたいと各地(北海道、北部九州等)で取り組む関係者による合唱の様子。
この即興性が素晴らしくただただ脱帽でした。

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ふ印ラボの同人で公開講座重鎮として活躍の鈴木秀之さん。最近はふ印ラボの「最高顧問」と勝手に呼ばせて頂いている〈スズキング〉こと鈴木さんによるスピーチ。
鈴木さんをはじめ多くの大先輩にご挨拶頂くことが出来ました。
話術、度胸、すべてが勉強になります。

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そしてこの5月、カンヌ国際映画祭でのパフォーマンスも経験された有名ジャグラーの望月ゆうさくさん。じつは望月さんもふ印ラボOBなのです。九大卒業後、さらに研鑽を深めるため東京藝術大学大学院修士過程へ進学。あの先端芸術表現学科のアーティストで教授の日比野克彦さん門下で鍛えられたとのこと。望月さんによる大道芸・ディアボロを使った圧巻のパフォーマンス!
会場が静寂と大喝采に包まれ盛り上がりは最高潮に。
望月さん素晴らしい舞台をありがとうございました。

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香港から駆けつけた兒島理華さん。大学生として中国・北京の清華大学でデザインを学んだ後、九州大学大学院修士課程出身のデザインストラテジー専攻に留学・進学されました。この間、不思議な縁が重なりふ印ボスの教え子としても大活躍を遂げられています。現在は母国とも言える香港で、小劇団大演劇祭という名のユニークな演劇祭を主宰するアートマネジメントの実践者です。
一方、ドイツ・ライプチヒ出身で東西ドイツを隔てたベルリンの壁が崩壊した後、日本へ移住をしたペーター・ゲスナーさん。移住先の北九州市で、」20年も前に同地を代表する劇団「うずめ劇場」を創出されました。現在は、桐朋学園大学教授として大活躍です。酒宴の席上で、ようやくこの二人が出会いました。ここからいったい何が起こるのでしょうか。

こうした出会いがあるのも、ふ印ボス先生が多彩な方面で培われてきた人間関係の深さと広さの賜物でしょう。

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ご存知!わが国を代表する長寿料理漫画「クッキングパパ」でお馴染みの作者・漫画家のうえやまとちさんも登場。長年、日田市の異業種交流組織の助言者をつとめられており、うえやまさんの前任者がふ印ボス先生であったことから交流が始まったとのこと。
すでに、ふ印ボスが取組む熊本県菊池市のまちづくり現場での地産地消をご支援頂いたり、とちさん主催の夏の海岸パーティーにみんなで参加したり、交流が重なっています。

このたびは、なんと懐かしい高田渡の曲を歌っていただくことになりました。
小井塚ななえさんのピアノ即興演奏とともに、うえやまとちさんの甘い歌声をご披露頂きことができました。
さらに嬉しいことに、当日は学生スタッフへの差し入れとして、お手製のコロッケ(揚げ物料理)もいただきました!たいへんごちそうさまでした、とてもとても美味しかったです!!

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そして主賓である藤原先生によるご挨拶。


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いよいよ、フィナーレが近づいてきました。
ほんとうに来たは北海道から南はシンガポールまで、世界各地から集まっていただきましたご来賓の皆様へ。
ふ印ボス先生から、本日記念用に間に合わせて作成することになった未発表論集「未建築な建築 〈鬱勃たるパトス ノオト〉」と、驚くべき手作りの手形アート色紙が全員に贈られました。

ふ印ボス先生のご挨拶は、話の冒頭で会場の笑いを誘いつつ、ご自身の深く内省的な考えや生き方にまでおよぶ非常に示唆に富み感慨深いものでした。
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さらに長きにわたって先生を支えてこられたご夫人でオイリュトミストの馨さんにも登壇いただき、この間の思い出やエピソードをいただきました。

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藤原惠洋先生還暦祝賀会集合写真
感謝 還暦 雨 霰〜藤原惠洋先生への感謝の会〜はひとまず終了…

しかし、その後もまだまだ飲み足りない語り足りない方々は二次会へ!ということで、博多の夜は更けて行きます。

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先生を見送る参加者一同

今回は、私たち学生が、みずからの力でぜひともしっかりした企画運営と進行をやり遂げたいと構想してきました。しかしながら、実際には各地からお集まり頂きましたご来賓の方々を前にして緊張することしきりでした。
会の運営におきましては、主賓の藤原先生はじめご来賓の方々に大変ご心配ご迷惑をおかけしてしまいましたこと、重ねてお詫び申し上げます。

この間、たくさんの方々にお力添え、応援、お叱り、励ましをいただきました。
特に冒頭、励ましてくださり会の雰囲気を良い方向へと導いて下さった諸先輩方には感謝の言葉もございません。
学生一同力量不足を痛感すると共に、改めて皆さまの振る舞いや器の大きさ、 即興性、卓越した芸の凄さを目の当たりにし心打たれました。
自ら「歌って踊れる研究者を目指す」と宣わった以上、より一層精進してまいりますので今後ともご指導ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いします。

最後にふ印ボスの藤原先生、ご臨席賜った皆様、本当にありがとうございました。


藤原惠洋先生への感謝の会《感謝 還暦 雨霰》 実行委員会

代表 吉峰 拡

國盛麻衣佳 佐藤忠文 馬麗那 張慶彬 張榮 久保晶 何勤 岩井千華


(文責:M2 吉峰)


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