建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 (写真の建物は図書館総合展in恩納村のフォーラムが行われた沖縄科学技術大学院大学)

 4年前まで北海道民でした。日本列島は長く、北海道にいた頃は自らが沖縄に行くなんて考えていませんでした。しかし、福岡に住み「図書館総合展フォーラムin恩納村」が行われることを知り、図書館の設置数が北海道と同じくらい少ない沖縄、基地があるまち沖縄の状況を知ろうと思い参加することにしました。

 図書館総合展とは、「公共・大学・機関・企業・大学・学校等すべての館種の図書館についての、最新技術・サービス・トレンド・学術情報を紹介する、図書館界最大の展示会」で毎年11月に1週間ほどの期間でパシフィコ横浜を中心に開催されます。これに加えて地域フォーラムがあり、年に4回程、テーマを設けて地域でフォーラムを行っています。3月と5月は終わり、今後は7月、9月に予定されております。

 3月14日に一関文化センターで「東日本大震災と岩手-図書館の復旧と復興支援/震災アーカイブの構築と活用」15日被災地の公共図書館見学ツアー。

 5月16日に、沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「地方創生! 沖縄の図書館振興とまちづくり支援・課題解決支援/新しい図書館におけるアクティブ・ラーニング」17日図書館等施設見学ツアー

 7月11日に、長崎市立図書館で「図書館は地域の課題解決にどう貢献していくか」

 9月19日に、富山国際会議場で、「地域資料アーカイブの今日(仮)」直木賞作家 山本一力氏講演会

 私はこの図書館総合展には2013年熊本から参加しており、2014年は岡山での地域フォーラムと、パシフィコ横浜での総合展に出席しました。図書館や行政の最新の考え方、取り組み、図書館を支える企業の技術、また、図書館職員の奮闘、首長や有識者の方針や考えを披露するフォーラム、地域課題への取り組み、地方の問題、大学の様子などなど、図書館総合展に参加するだけで日本の行政や様々な図書館の動向を一度に把握することができ、また、現場の図書館職員の方をはじめ、行政の方、関係省庁の方などと知り合うチャンスでもあるので、積極的に参加した方がよいと思っています。
 
 今回私が参加した図書館総合展in恩納村のテーマは、

 「地方創生! 沖縄の図書館振興とまちづくり支援・課題解決支援」
 「新しい図書館におけるアクティブ・ラーニング」

 沖縄県では、公共図書館の改築計画、新図書館計画が相次いであるとのこと、また、地方創生が地方自治のキーワードになっている現在、参加せねばと思いました。

 以下若干長くなります。首里城→沖縄県立図書館→市場の順で巡りました。

 15日(金)に初沖縄入り。
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 まずは移動。沖縄のモノレール「ゆいレール」に乗車。まずアソコに向かいます。
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 沖縄の日差しは強く、北海道はいうに及ばず、福岡よりもかなり激しいものでした。
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 この日は修学旅行の一行も来ていました。
 首里城正殿は薬500年にわたり琉球国王の居城(1406年尚巴志)として政治経済文化の中心地でした。。壁の色彩塗装には桐油が塗られています。1945年の沖縄戦で灰燼に帰した首里城は1992年に本土復帰20年を記念して復元されました。
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 植物の種類が違うのか、気候のせいなのかわかりませんが、雑草でさえ太かったです。
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 守礼門。
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 私が見たのは、守礼門、園比屋御嶽石門、歓会門、木曳門、広福門、正殿、黄金御殿、奥書院、美術品などなどでした。ごくごくわずかですが、沖縄文化と植物に接することができました。
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 500円のそうきそば。麺の様子が北海道とも福岡とも違いました。
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 県立芸術大学前の作品↓
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 ここは沖縄県立図書館です。熊本市にある「くまもと森都心プラザ図書館」の副館長・河瀬裕子氏とともに、沖縄県立図書館で聞きとり調査をしました。対応して下さったのは田中克代総務班班長と沖縄にある図書館で唯一の社会指導主事・山内さんです。
 沖縄には図書館がない地域もあります。県立図書館は市町村立図書室や教育委員会、文庫などの団体に一括貸出をし、選んだ400冊を最長1年借りることができます。本をとりに自らで運転してくる職員もいるとのこと。来館しなくても県立図書館職員が選んだ100冊セットを巡回車運行で運搬するとのことです。貸出先の団体は小・中学校、保育園、公民館、ときめき文庫、インターナショナルスクールなどで昨年の貸出冊数は11,956冊です。また移動図書館は、図書館の無い地域を巡りますが、武富町(船浮小中学校図書室)では利用者8名貸出冊数36冊。東村中央公民館では11名貸出冊数72冊などとなっています。沖縄は公共図書館の発展が遅く、公共図書館より学校図書館が住民には使われていたのだそうです。
 山内さんは沖縄の第3次子ども読書活動推進計画の則り、活動をするとのことで、この計画は五感に響かせる読書をがテーマ。EET(ear耳、eye目、talk話す)を中心にすすめるとのことです。ボランティアやリーダーの養成が急務で、写真の推進室は年間420件の団体が活用し、地域の読書活動推進への取り組みをしているとのことです。只、このような社会指導主事の山内さんの仕事は沖縄では初めての取り組みなので、県立図書館の仕事と子ども読書推進の活動をどのようにバランスよく取り組んでいけばよいのか試行錯誤とのことです。

 実際に使われている団体貸出のための図書のパッケージを見せていただき、書庫にも入らせていただきました。沖縄独特だと思うのですが、家譜帳が公的資料として保管されていました。沖縄は小さな出版社が多いそうです。そしてその出版社から、家譜帳を出版する方も多いとのことです。
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 県立図書館のある公園で 囲碁をしている年輩の男性が沢山で、びっくりしました。守衛の方に尋ねたところ、退職した方々とのことでした。
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 近くのスーパーに立ち寄りました。SPAMは沖縄のイメージがあります。
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 見たことのない食べ物だったので買って食べてみました。
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 これは何でしょうか?この時はわかりませんでしたが、後に沖縄の方に聞いてわかりました。
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 こんなところにも魚がいます。↓
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 福岡に来た時、食堂・レストランで食事をしている人々が外にテーブルを出して食べているのをみてちょっとびっくりしました。北海道は寒くて雪があるので、夏期間だけとか、ほんの一時的に外で食べる・ビアガーデンをすることはあってもこのように普通の歩道に椅子を設置して歩道に背中をむけて個人個人が食事をするということはまず無いと思います。
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 ↓商品を無断でもっていく悪い人はいないのでしょう。
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 国際通りに行く前に地元の方が利用する商店街もみます。
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 食べ物と雑貨、服などが混在してました。私はシャッター街を見ることが多いのですが、ここは違い、地元の方と思われる買い物客が夕飯の買い物をしていました。
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 初めて聞く魚の名前。マーマチ。
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                        出会いました。
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              真空パックもあるのですね。
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     いかにも熱帯の魚。
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  中国人観光客の方が多かったです。
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 沖縄の国際通りで札幌でもおなじみのラーメン屋さんを発見しました。
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 このチョコレートの会社の本社は札幌です。↓
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 国際通りは人が多かったのですが、そのほとんどが中国人観光客だと思われます。私が歩いた時は、中国語ばかりが聞こえてきました。
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    本日はこの沖縄物語というゲストハウスに宿泊です。
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 米軍の基地問題でデモ行進が行われていました。
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 この日の夜は沖縄アーツカウンシルの杉浦先生はじめ、審査に来ていた三菱UFJリサーチ&コンサルティングの太下義之氏、企業メセナの専務理事・加藤種男氏、沖縄の教育委員会の添石幸伸氏と懇親会をすることができました。
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  15日はこのように終了し、 翌16日はいよいよ図書館総合展フォーラム参加で恩納村に向かいます。
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 那覇市伝統工芸館に入館し、、琉球びんがた、琉球ガラス、琉球漆器、首里織、壺焼きを見ました。これが良かったです。沖縄の文化はやはり独特に思えました。華やかな琉球びんがたと、日常生活で用いそうな首里織。ガラスも漆器も私にはとても新鮮でめずらしく、興味を持ってみることができました。
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 体験工房もありました。
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 外にはこんなものが。
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 すごい綱引きをしていたことを初めて知りました。
 ↓これから恩納村フォーラム参加者で恩納村の沖縄科学技術大学院大学に向かいます。
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 左手にはずっと米軍基地が広がります。
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   危険なものがいるように見えます。
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  1時間ほどかけて、フォーラム会場である沖縄科学技術大学院大学(OIST)に到着しました。
大きくホテルのようでした。
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 まだ建築中でした。竹中工務店でした。
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 建物の中はアメリカのような雰囲気でした。
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 図書館展に協賛している各企業のブースが既に店開きをしていました。内田洋行を見つけました。
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  なぜか屋台をみつけたので近寄ってみると内田洋行のブースでした。
 内田洋行といえば、藤原研究室では屋台。ですが、まさか ここは図書館展…。

 図書館でもやっぱり屋台。非常によい試みだと思いました。公共図書館でもこのくらいの試みがあった方が楽しいと思います。只、この屋台、普通の屋台しゃありません。
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 この屋台はこのように箱をかざすだけで、デジタル化された情報がモニターから出てくるのです。

 モノが考えて、その時と場合に応じた書誌情報や関連資料(写真動画音声を含む)をバンバン出してくる時代ももうすぐです。
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 こうして図書館総合展は始まりました。
  初めて行った沖縄は外国のようでした。中心部では中国人観光客が多く、ちょっと郊外にでると、アメリカの基地が広い土地を有しています。日本なのに日本とは違う感覚を持ちました。ちょうどこの時は基地問題で中心部ではデモがありました。沖縄の人々のアイデンティティはややもすると負けてしまいそうになるのではないか、だから沖縄では個人が家譜帳を出版し、これを地域のアイデンティティの一部とし、その上に沖縄住民の精神的支柱を立てようとしているのではないかと思いました。

                                  岩   井
 


























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