4月18日(土)~19日(日)藤原研究室恒例!新入生歓迎!牛深ハイヤ祭り踏査が行われました。今年、藤原研究室からの参加者は21名。研究室メンバーより研究室外の方の参加が多かったです。そんななかでも留学生が大活躍でした。モロッコ出身のセルマさんはナント初参加で「ハイヤ名人」を奪取。私は参加しだして4回目ですが一度もハイヤ名人を取ったことがありません…。
8:30に九大大橋キャンパス出発。13:00天草キリシタン館を見学した後、14:00天草にある丸尾焼到着。その後、「芸術文化環境論」の非常勤講師である丸尾焼5代目の金澤一弘氏のお話を30分程聞くことができました。
(↑ 天草にある丸尾焼5代目・金澤一弘氏と金澤さんの話を留学生がわかるように通訳してくれた九大芸術工学府の研究員(芸術工学博士)で、玄人はだしの写真をとるジム・クマ氏)以下、金澤氏の話です。
丸尾焼HP
「ここ(天草市)に住み続ける続けるのはどういうことか。グローバリズムか、ローカリズムか。このメンバーでグローバリズムの中で仕事をしようと思っている人はいますか?私はローカリズム、天草で陶芸家をしている。ところでなぜみなさんはこのような地方に来て踊るのですか。私はグローバリズムを疑っている。昨年、大学で講義をした時、『貴方が持っているものの中で一番高価なものは何ですか?』と聞いたところ、スマートフォンという答えが返ってきた。このようにスマートフォンを高いお金を出して買ってランニングコストをかけて使い続けるという状態を疑わないのがグローバリズムではないか。もうこれ以上便利にならなくていいのではないか。そこでローカルの重要性が増すのではないか。世界のあちこちでおこる諍いはグローバリズムとローカリズムの衝突ではないか。逆にローカルをみて共存していくことが新しい価値を創造するのではないかと思います。世界で有名な祭りは何ですか。リオのカーニバル、ベネツィアのカーニバル、スペインの牛追いまつり、スペインのトマト祭り。私はスペインの牛追い祭りは見たいと思っています。このように人がそこに行きたいというものを作ることがこれから考えることではないでしょうか。『〇〇(場所)の何かを見たい!』という人、『あそこに行ってあの人に会いたい!』というのは極めてローカルです。そこに住む人の形が人を惹きつけるのです。東京のハイスピード、天草のロースピード。でも天草の空は美しいですよ。私は19歳の時東京に行ったけど美しいとは思わなかった。東京に行って思ったのは<僕って誰?>。でもここ天草にいるとそんな風には思わない。<私>っていう座標軸があるから。世界は次世代に向かって飛びつつあるがそれは崖かもしれない。人間の頭部を移植しようという試みがあるというニュースを聞いたが、私たちはどこから来て、どこへいこうとしているのか。-その結論は今日踊ってから考えて下さい。」
その後、私たちは祭りの衣装に着替え、丸尾會として牛深八幡宮に行き参拝した後、19:00-20:30まで牛深のメインストリートでハイヤをおどりました。
1日目終了後は、丸尾會皆さんで大宴会。これも恒例の宴会でのハイヤを踊りました。留学生たちはクレイジーと大喜び。
↓ハイヤ数日前には特訓をしていたんですよ。
↓次の日、温泉に入り再び祭りの衣装に着替え、昼食をとっているところ。再び牛深のメインストリートでハイヤを踊ります。
↓留学生女子は衣装を身につけヘアスタイルも祭りバージョンにしてもらってご満悦。丸尾會の女の子たちと一緒に写真をとり更に幸せな気分になりました。
オランダ人留学生のサーシャさんは、当初踊らないつもりでした。でも、牛深ハイヤの踊りを見ているうちに、自らも踊りたくなり、2日目から総踊りに参加。「上手くできないかもしれないケド頑張る。」と言い、最後まで踊りました。
人を傍観者から当事者に変える力がハイヤ祭りにはあるのですね。
岩 井