
2015年3月1日(日)14:00~17:00まで、菊池市七城公民館講堂で、「『活楽(いきがく)連携』シンポジウム」が開催されました。
『活楽』って何?-これは本来、「域学」と書きます。域学連携とは、大学・高校などの学校と地域、行政が協働し、地域の活性化に取り組む域学連携事業のことです。今年度も学生や地域のNPOなどが活動主体となり、多数のプロジェクトを展開することで、菊池市の課題解決や発展的まちづくりに取り組んできました。その報告会と総括、次年度への抱負を語る会がこのシンポジウムです。
プロジェクト発表は以下です。
<特別報告>
①「菊池愛」農商工ン連携・フットパス
②オープンデータ・きくち情報案内人
③農村コミュニティ創設
<活動報告>
きくちラボ/ 田島地区活性化 / 農業連携ヤーコン栽培 / 域学コーディネーター
大学合同ゼミ / 菊池高校文化祭企画
<シンポジウム>
プロジェクトにかかわった3人のパネリスト登壇。
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準備風景。

このシンポジウムで活躍される菊池農業高校の3人が到着しました。

この日は、『隈府のまちなみ古写真ミニパネル展』も同時開催されました。




特別報告から始まります。
NPOきらり水源村は グリーンライフ班と、フットパス班に分かれ、グリーンライフ班は、中原松月堂の大松さんからの提案で耕作放棄地を利用して肥後小豆を作り、できた小豆で酒饅頭を作ったとのことです。フットパス班は2回のフットパスを実施。4月からフットパス協議会発足予定とのことでした。

↓、熊本学園大学学生によるオープンデータときくち情報案内人講座。5回の講座でAR,LINE, ハングアウト、everyone, skitch, 音声アシストアプリの講座が開かれたそうです。高齢者の一部の方々にこのようなことができるようになってもらうことでその方たちが今度はリーダーになり、今度はこのリーダーさんたちが周囲の高齢者の方に教えることで、地域の方々の力を利用した情報を発信しようというものです。

菊池農業高校による農村コミュニティ創設プロジェクト。1つは、先ほどのNPOきらり水源村と一緒にヤギを飼育してヤギにも耕作放棄地の草を食べてもらい、そこで肥後小豆を育て、そのヤギに出張してもらい、出張ヤギ講座をして市民や幼児にヤギを理解してもらい、できた肥後小豆で酒饅頭をつくる。
もう一つは、山都町の小学生を招き交流、穴川地区の夜神楽にも挑戦したそうで、高校生が参加したのは初めてだったそうです。
昔ながらの農業、文化継承、地域ブランド、次世代へ向けた活動 などをし、これらを担った高校生にも大きな成長があったということです。


↓東海大学農学部応用植物科学科の村田達郎先生からは、ヤーコンの栽培についてが述べられました。サツマイモが10アールで2.4トンに比較して、ヤーコンは10アールで7トン収量があり、しかも糖度が14度。便秘に効くという。現在は阿蘇のひみつというシロップを開発しているとのことです。

熊本大学地域風土計画研究室、今回この域学連携事業でも大活躍の田中尚人先生門下の池田君による合同ゼミの発表。池田君は2013年に藤原研究室が菊池市で開催したワークショップに参加してくれた学生です。その後も菊池市で井手(水路)を卒論のテーマとして研究を続けたそうです。
フットパスをしたり、ゼミをしたりと今後の菊池の文化資源の価値づけに貢献しておりました。

菊池たてもの応援団の松田公伸さんと菊池高校の小林くんによる、文化祭での竹を使ったステージつくりの発表。小林くんははじめはよくわからずにしていたが、段々、このステージつくりをやって良かった、達成感を得ることができたと報告してくれました。

↓菊池市まちづくり協力隊で九大大学院芸術工学府博士課程藤原研究室所属の佐藤忠文さんと菊池高校の生徒会長戸田君との文化祭での竹ステージを使ったシンポジウムの様子2014.10.24-25が報告されました。


第2部では熊本学園大学の学生を指導した堺先生、菊池農業高校の生徒を指導した細川先生、市役所で域学連携を担当した河田さん、、コーディネーターの熊本大学・田中尚人先生による振り返りのシンポジウムです。熊本学園大学の境先生からは高齢者から高齢者への情報伝達が今後意味をもつこと、細川先生からは、農業高校の役割は何か?として・高校生ができることなら他の人たちにもできる、・地域のパートナーの話を聞く、・農村は何を望んでいるのかを知る ことができたのが今回の成果ではないかというお話でした。河田さんからは、域学は内向きになりやすいが動きを与えて変化をつけた。域学のテーマが11個ありそれぞれに意味を持たせつなげたというお話がありました。


今回の域学連携事業の報告会である「活楽連携シンポジウム」には80名くらいのご来場者がいたとのことです。この3月1日は菊池市では、初市や高校の卒業式等、行事が重なったとのことでしたが、多くの方が来て下さったのではないかと思います。
私個人は菊池農業高校の取り組みが心に残るものでした。指導された先生のご尽力があってこそだと思います。まず、農業高校での日本学校農業クラブ連盟という全国組織があり、1948年から活動していること、農業クラブの全国大会が毎年各地で行われていること、その中でこの域学連携とのプログラムは親和性が高い事、生徒がこの活動を通して成長したことなどが初めてわかりました。また、プロジェクトの地で「大学生はいつかはいなくなってしまうが、高校生は残る・帰ってくる」と地元の方に言われたそうです。これは衝撃的な言葉ですが、考えさせられる言葉でした。
今回のシンポジウムを私の研究テーマである図書館に結び付けて考えてみました。
菊池市は農業を特徴とするまちであることを再認識すると同時に、夜神楽といった文化伝統もありこれを保存継承する必要がある、情報案内人講座のように高齢者から高齢者へ伝達も必要であるということがわかりました。このような地域の状況を理解した上で、図書館は農村が何を望んでいるかをまず聞く、その為にその地に入り込んでいく、パートナーとなる人々の思いを受け止める、そうすることにより、公共図書館が何をすべきなのかがわかるのではないかと思います。渡部幹雄・和歌山大学教授で図書館長の講演にもあった「農村に都会のやり方をもってきても通用しない、その地にあった図書館をつくる必要がある」という言葉の意味が分かったように思える、私個人にも非常に有益な報告会でした。
岩 井

























