建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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藤原先生が教鞭を取られる学部生授業「芸術文化企画演習」は、市民が主人公となる
時代の芸術文化環境を背景に、地域社会の巷間に潜んだ文化資源を探索・再発見し
それらをリソースとした企画・舞台・作品・アートプロジェクト等を提案する
プログラムです。

芸術と社会をつなぐことで、地域社会に潜むブラウンフィールド(衰退・荒廃・
忘れ去られたり、忌み嫌われたりする場所や歴史、地域的特色)を
クリエイティヴシティの核として再生するダイナミックなメカニズムを学びます。
机上の空論ではなく履修生自らのフィールドワークや思考といった体験的な実習に
よって身につけてゆきます。


1月10日の授業では、古川綾さんがたっぷり1時間以上時間をかけて、自らの視点や
企画に対して考察を深めてくださいました。


*


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古川綾さんは九州大学演劇部に所属しており、自らの創作活動をインスピレー
ションに「文化遺産と演劇」というテーマを掲げた。

廃墟と化した遺産の歴史を人々に伝え、ブラウンフィールドとなった場所を
人間の創造性によって再生し、コミュニティの場として再生させるために
演劇の力は非常に有効なのではないかというアイデアを持った。

遺産と演劇は相互作用することができる可能性を持つ。演目内容を地域の文脈に
沿ったものにすること、あるいは地域住民が関わることによって、土着性が高い
作品が生まれ、歴史文化が広く継承される機会となり、廃墟化する遺産の価値が
再評価されるのではないか。

  

借景し演劇をすること、文化遺産を舞台に演劇が行われることで地域の歴史文化
を紡ぎ、あるいは掘り起こし、創造的拠点として機能する事例は多くにある。
 

・フランス アヴィニヨン演劇祭

・オーストラリア アデレード演劇祭

・越後妻有トリエンナーレ、BEPPU PROJECTといったアートプロジェクト

・欧州文化首都のプログラムとしての重要性

・田中泯(前衛舞踏)

・日本各地の能や神楽など


その中で、古川さんの目指す遺産と演劇の関係はどのようなものか、さらに
深める議論のやりとりがおこなわれた。
 
 

・伝統芸術と創作演劇やアートプロジェクトの違いは?
→演劇・アートプロジェクトは、伝えたいこと・テーマの選定・制作の過程など

 一から地域内外の人々が関わることができる。



・遺産を舞台とした演劇と、遺産へのプロジェクションマッピングの違いは?
 

→時の経過を内包し静止した遺産×躍動する生身の人間のコラボレーションが
 場所の力や魅力を誘発する。その時限りの瞬間的な芸術によって伝わる
 メッセージがある。

 昨今のプロジェクションマッピングの中には、地域性や場所性を活かすことなく
 遺産を単にクリエーターのキャンバスとしてみなしたような作品も少なくない。
 演劇でもあり得ることだと思う。
 


・遺産を舞台とした演劇と、遺産を背景としたコスプレイベントの違いは?
 

→コスプレでも演劇でも「参加者が、舞台となった遺産や場所に対する理解を
 どのくらい深められたか」が、場所性を活かした創造行為か否かのバロメーター
 になると考える。


その他様々な質疑応答から、古川さんの考えや方向性を探り深めてゆきました。

次回の1月17日(金)14:50~の授業では、成果発表会となります。

みなさんのアイデアや調査の成果を楽しみにしています。



D3 國盛

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