建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
こんにちは。
ノッポ特派員の旅人です。

 この週末は慶應義塾大学三田キャンパスで開催された日本文化人類学会研究発表会に参加しておりレポートをアップするのが遅れました。

 さてさる6月6日、私たちは藤原惠洋研究室メンバーで待望の佐賀県武雄市図書館を踏査しに行きました。あくまで踏査であり、視察ではありません。これが九州大学大学院芸術工学研究院で芸術文化環境論講座を展開している藤原惠洋研究室の主義であり、地域社会への介在のしかたでもあります。

 なお、武雄市図書館は優れた環境で図書閲覧や滞在が楽しめるように、室内での写真撮影は禁止されています。私たちは、あらかじめ武雄市役所および指定管理者のCCCさまにご許可をいただき、代表者による代表写真撮影をすることができました。
 どうぞみなさまは武雄市図書館を訪問された場合には、ルールを守って、優れた図書環境の創出と遵守にご協力をお願いいたします。

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 内装は図書館とはかなりイメージの違うもの。
 パソコンのワイファイが通っており、事前に登録すれば図書館の中、パソコンでインターネットも使用することが出来ます。


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室内には静かな音楽が流れており、オシャレな気分。
照明もふだん私たちがイメージするものとはずいぶんと違います。
この室内のインテリアまわりや照明は、デザイナーの原研哉さんが手がけたものです。

図書館の中を見ると、TUTAYAの書籍販売コーナーと、従来の武雄市図書館が持っている本が
同じ空間の中に置かれています。
目印が黒いお知らせの部分は図書館コーナーです。
白い目印のコーナーは販売図書となっています。

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 検索機では自分の読みたい本がすぐに検索ができます。
さらには館内の場所が一目瞭然でわかるマップまで印刷されます。
これは便利!!
 早速、試みてみました。

 また館内で販売している雑誌や本も、慣れたら自動機械で購入することが出来ます。
ほら、このようにピピっとね。
 踏査に参加したメンバーもチャレンジしてみました。

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今回の踏査では武雄市役所にお世話になりました。
市役所FacebookCity課、ならびにCCC(カルチャーコンビニエンスクラブ)
の方々から武雄市図書館が出来るまでの基本計画や、2013年4月に開館してから以降の
統計データを基にしたお話を伺うことができました。

武雄市図書館は、図書館の利用者の幅を全国規模(日本国内)へと拡大させ、
図書館の内装をリニューアルさせ、
スターバックスを図書館と併設させることで、
新しい図書館のイメージを作り上げました。

さて、この日の午後は、武雄市内で「こどもまちづくり研究所」を主宰される井上一夫さんをお訪ねすることができました。
そこでは武雄市図書館がリニューアルされる以前からのお話を聞くことができました。
井上さんは、こども目線から図書館構想を考えている方です。
地元市民の目線、教育者としての目線からのご意見は、図書館まちづくりに関する地域研究や他地域での取り組みに関わろうとしている私たちにとって大変参考になりました。
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井上さんのお話を聞いている中で僕が感じたことは「地域全体のまちづくり課題の中、図書館だけを考えてはいけない」ということでした。
図書館だけを考えるのではなく、武雄市という総合的・包括的な市民社会の中で、図書館はどのようなミッション(社会的役割)や公共性を果たしていけばいいのか、もっと俯瞰的な視点から私たちは図書館のあるべき姿を見なければいけないのではないか、ということを今回の武雄市踏査を通して考えることができました。
これから50年後、100年後の武雄市を考えたときに、市民が主体となってどのような市民社会を形成させていくのか。そういった視点から見たとき、図書館の役割はもっと包括的な存在感を示して行くはずです。単なる知識の供給やもっかの情報の消費のためだけではなく、自分にふさわしい自己実現や自己表現を生み出そうと努力をするとき、身近で親しみやすい自己鍛錬や自己育成の現場として私たちは図書館にいったい何を求めるのでしょうか?

残るひととき、このようなことをふっくらと考えながら、武雄市の関係施設を周遊することとしました。

武雄温泉では、改装中の楼門を見てくやしがり、でもせっかくの武雄なら湯舟をたんのうしないわけにはいかないと武雄温泉を堪能しました。

そして参加メンバーでいろいろ論議を重ねながら福岡への帰路につきました。

ふ印ラボには、近未来へ向けてインクルーシブな図書館創造をめざす研究生の岩井千華さんが所属しています。武雄市とも素晴らしいご縁をいただくことができましたので、今度は泊まりがけで武雄市全体を楽しみながら、再度の図書館踏査を継続して行ないたいなあと個人的に思った次第です。


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ノッポ特派員:旅人
 

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