
九州大学大橋キャンパスサテライト2階にて、九州大学芸術工学府 修士論文発表会
が開催されました。芸術工学府修士課程において、各分野の研究を行ってきた学生の
発表を一挙に聴くことができる貴重な機会です。中間発表を終え、さらに成果を
挙げた彼らの勇姿を見ることができました。
分野としては、農村や都市の交通に対する問題、東南アジアの生活文化、環境問題
など多岐に渡ります。 制限時間はわずか10分ですが、凝縮された情報を集中して
得ることができます。 地道な調査、企画実施、フィールドワーク等、彼らの足跡が
見てとれるようなものでした。
トウケイ 「石を立てる」作庭手法とした庭園の日中比較考察
トウケイさんは石に注目した日中庭園の比較考察について述べました。日中の庭園は
共通する宗教的観念を背景に持ちながらも、それぞれ独自の庭園文化を築きました。
作庭することを「石をたてる」と例えるように、作庭において石は非常に重要な位置
を占めます。そこで石を中心とした視点から、日中の庭園を比較考察するものです。
Q:庭園の批評・評論・紹介を述べ居ている。自らフィールドワークし、現地視察
を行ったにもかかわらず、そのような論文の構成になっている。現地で取材した
内容はどこにあるのか?
A:取り上げた庭園については全て現地調査を行っている。考察については確かに
参考文献をまとめるような内容も多いが、現地の視察を行っていることで情報を
目的に沿って明確に精査することが できていると考える。
A:中国の回遊式庭園と日本の座鑑式の庭園を比較している。鑑賞の仕方が異なる
庭園を比較しているが、研究は石という点において注目している。鑑賞の仕方に
よって変わってくる点はどのように捉えているのか。
A:中国の石は人のスケールの大きさで石を積み、洞などを作っているのに対し
日本は石を二等辺三角形に配置。高さは若干しか出ていない。
北岡さんは九州大学HME(ホールマネジメント育成ユニット)で企画運営を行った
「艶競里恋唄」の実施と評価検証に対する考察を述べました。
福岡市南区の伝統文化として残る筑前琵琶と長唄三味線、人形浄瑠璃を組み合わせる
ことで新しい芸能を生み出しながら、敷居が高いと捉えられがちな伝統芸能に、
市民が主役となって参加するものです。
Q :参加者の意欲を高めるような仕組みが見られ、それらが成功へと導いている。
このような活動の継続性はどのようにすれば持つことができるか。
A ; まず成功体験をしてもらうことが大切であり、その為に人々の意識を1つに
してゆくことに注力した。小学生は社会的なコミュニケーションの練習の場として
大人はコンプレックスの解消となった人がいたことなど、芸能を通して自らを
高める機会であることを理解してもらったことが大きかった。参加者は終了後
人形一座を立ち上げ活動が継続している。参加者と専門の方の関係を緊密にさせて
ゆくことで、市民の自主的な活動が継続できる仕組みとなったと考える。
Q : 大阪で伝統芸能の継承に対する問題が勃発した一方で、福岡ではこのような
事業が成功を収めていてとても素晴らしい。伝統は、楽しい・またやりたい・
見たいという市民の気持ちが守らせてゆくものである。今後もこのような活動を
継続してほしい。
Q : 参加者の気持ちを鼓舞するようなマネジメントをプロセスの要所要所に組み
込んでいたのが素晴らしい。そのようなカリキュラムを教育の中に組み込むこと
は可能であろうか?
A : 参加者はそれぞれ事情を持ち合わせながら参加している。企画は3人のチーム
であったので、参加者の問題や生活スタイルを把握し、細やかな連絡や声かけ
ケア等を行っていった。
2人の発表は短期間で洗練され、10分という短い時間の間でも、研究内容の充実
やダイナミズムが感じられることができました。 この日を迎えられるまでに
関わって下さった方々、先生方など、皆さんのお力添えで華麗な成長を遂げた
2人の発表に立ち会えたことを嬉しく、誇りに思いました。
D3 國盛




















