建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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Let's Timberrize! in 九州  木の新しい可能性を探る

  2012.11.17(SAT)_2012.11.25(SUN)
  @アイランドシティ中央公園ぐりんぐりん

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「都市の木造建築」というテーマを掲げて開催されてきたティンバライズ展。
これまで東京・表参道、静岡、愛知、北海道と巡回展を重ねてきたなか、ついに九州にもやってきました!
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「ティンバライズ」とは、木を新しい木材としてとらえ、新しいものをつくり出すという造語です。
2008年に発足された「木」の可能性を探る建築家・技術者集団であるTeam Timberize。過去の伝統や習慣にとらわれることなく木の新しい可能性を模索し、社会へ幅広く提案することに取り組まれてきたそうです。

そんな木の可能性を打ち出さんとするティンバライズ、九州での展覧会を開催するに当たり、なんと日本全国スギダラケ倶楽部もタイアップする形での開催となりました!!
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全国の展覧会でも紹介された木造・木質構造についての紹介パネルや、都市木造の提案展示模型が並ぶなか・・・
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日田の「屋形屋たい」に、天草高浜・森商事さんの木のおもちゃ!!IMG_1439
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スギカウンターに並ぶのは、スギトロフィーにスギのし袋にお酒のスギパッケージ等のSUGIFT(スギフト)たち。

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子供たちのための木の遊具と家具・・?IMG_1441
おおーーーーきなスギコダマ。すべすべが最高に気持ちよかったです!

11月25日(日)には『子供ワークショップ』が開催されます。
そちらで有馬晋平さんの「スギコダマワークショップ」と、森商事さんの「森の宝物づくり」が体験できます。皆さんぜひ、お子様もいっしょに参加されてください!!

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そして展示パネルにもスギで作られた「日田格子」が!タカクラさんが屋台と共に日田から運び込まれたそうです!

本物の、生の「木」が会場全体にあふれていました。全国で展開されたティンバライズの展示会ですが、これだけ「木」であふれている展示は九州ならではでしょう。

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11月18日(日)には、シンポジウム「木の新しい可能性」が開催されました!!

  パネリスト 腰原幹雄氏(東京大学生産技術研究所)
          若杉浩一氏(日本全国スギダラケ倶楽部)
          山下保博氏(建築家・アトリエ天工人)
  司会進行  末広香織氏(建築家・九州大学・NKSarchitects)

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「木」という素材を、我々日本人は1000年、2000年かけて生活に欠かせないものとして使用してきました。とくに建築では、構造や仕上げなどの多くの部分で「木」が使われています。
ところが明治から近代化していく過程で、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の技法が広がり、木造建築、ひいては「木」そのものが日本の生活の中から離れていきました。

現代社会において、本当に鉄やコンクリートの建築物を建てることが良いことなのでしょうか?
そもそもモダニズム建築とは、日本の中では本当に我々の生活を豊かにしうるものだったのか?という問いかけ・提示がなされていきます。

だからといって、昔の日本の木の建物をただ建てるという話ではありません。
今の環境、ライフスタイル、社会状況に応じた、日々の生活に見合った建築を、きちんと目指していくべきなのではないだろうか、と提案が続きます。

日本の伝統建築は、その当時の社会環境の中でつくられたデザインでした。
では、〝今”のデザインとは何か?

住環境や、建物の性能・快適性、あるいは景観や意匠まで含め、それらを育て上げてきた〝技術”によってどう形にするのか、新しいものに挑戦していくかが重要なのです。

現在、都市木造などとして建てられている建築は、実はまだ、鉄骨ビルの鉄骨を単に木に置き換えたというようなもので、鉄筋コンクリートや鉄骨の延長線上の運用となっているが、
これらの実験的な取り組みを続けていくことで、現代の技術を活用して木を使っていくことで、新しい現代のカタチを提案できるのではないかというお話でした。

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スギダラ&プロダクトデザイナーの若杉浩一さんは、さらになぜ「木」なのか、「スギ」なのかという点についてお話くださいました。

「木」の特性として、あたたかいとかやわらかいとか心理的なやすらぎを与えることや、人の手で加工しやすいといった工作的な利点が挙げられます。
でも、効果や効能、素材の性質などを語る以前に、スギという存在は私達のまわりにあふれかえっていて、全国どこにでもスギがというのが現状です。そして、まぎれもなく日本中に在りながら、その森林・山村が廃れてしまっているという現実があります。

その昔、「木」は地域の風土であり、産業であり、地域のまち並みであり、人々の暮らしそのものでした。「木」をベースとして、生活が営まれ、人々はつながっていたのです。


そして、木をどう使うかは、現代のつくる者のデザイン次第です。
やみくもな〝木づかい”ではなく、木の特性を見つめながら、足りないところはをデザインで補い、今の私たちが求めるデザインを提案することが大切です。

国土の66%、3分の2は森林という日本。そこに住む我々が、木とどういう風に暮らすか、どんな関係を築くのかという知恵と態度が必要なのです。

いくつもの問題を抱えている「スギ」だが、それは〝豊かな未来を背負っている何ものかである”という気がする、と語られていました。

相変わらずのダジャレとスギ三昧なトークで会場を大いに沸かせてくださいながら、スギとデザインをめぐる素晴らしいお話を頂きました。

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会場にはスギダラメンバーもみんなで応援に!!
JRの荒川さんはお子様とご一緒に・・森商事さんのボールプール大好評です!
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天草高浜リデザインワークショップ2011にいらして下さったスギダラ3姉妹のお二方、溝口さんと佐藤さんにもお久しぶりにお会いできました!
糸島でご活躍中の「ここのき」さん、のぐちさとみさんとも交友させていただきました。
ふ印ラボからは、ナカムラアキヨさんや、市原長老ご夫妻&ご子息も駆け付けていらっしゃいました!!
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懇親会もティンバライズ展の実行委員会&学生の皆さんも一緒に大盛り上がり。
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そしてそして、今回の重要な立役者、スギダラ北部九州支部で大活躍される千代田健一さん!!
ティンバライズ展in九州を盛り上げようと、スギダラパワーを注ぎ込んでの東奔西走、充実した展示と企画を九州の実行委員&学生の皆さんと共に創り上げていかれたそうです。
そのご活躍ぶりはほんとうにかっこよかったです!!


ティンバライズ展は11月25日まで開催中です。入場無料!
ぜひ一度足を運ばれて、実際に「木」に触れて、見て、感じてください!!


(修士 北岡慶子)

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