「大震災を知る、見る、考える」というテーマのもと、文献調査から現地調査を
通して震災を考えていく取り組みをしています。
学生報告のつづき
地図による石巻市の被災状況 |王文花
石巻市 震度6強 津波最大8.6m 市内の13、2%が浸水
中心市街地は全域が浸水
津波遡上痕跡調査 河川を遡上する津波は距離が長く、旧北上川は市街地を
通っており被害が大きかった→ゾーニングした地図、写真地図との比較
地図を読み取るときには、各地図をオーバーレイする必要がある。基本
スケールと場所は一致されることが望ましい。場所を明確に表記する必要性。
地図の精度は重要
石巻市南浜町周辺の被災状況 被災前(昭和50年)、被災後を比較(平成23年)
石巻市デジタル標高地形図 東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動量 石巻市や
牡鹿半島は変動量が最も大きい
|石巻市における被災地 姜 藜東
石巻市では被害のほとんどが津波によるもの 石巻市面積555㎢
河川、交通状況(鉄道、高速道路など)都市、農地の特色
NASA衛星対比図 地形が変わっている様子が伺える
|被災地に関する地図 付琳
中心市街地の域および区域 新規事業並びに継続事業が見込まれる旧基本計画に
おける区域を中心に、移転を計画してる市役所などの公共施設群を含む
56.4ヘクタールが中心市街地の区域とされる
石巻市浸水マップより 津波で一掃された部分の大半が、戦後に拡大した
市街地であった。一方、昔からの中心市街地の建物の流出被害は比較的小さかった。
石巻市土地利用計画 市街地展開ゾーンは交通、物流、医療等の機能が集中
古くから石巻の中枢として機能していきた。中心市街地は江戸時代から
商業地として繁栄してきた。
高齢化、経済不況によって現在は衰退している。←地図からは読み取れない。
出典からの引用ではなく、読み取った特徴を説明することが望ましい。
石巻市における被災地の把握 |荒木洋平
国土地理院が出している様々な地図 google map
ストリートビューによる被災前後の写真地図が見ることができる
浸水範囲と標高地図を比較→標高だけでは被害の状況は把握できなさそうである
沿岸部でも微高地など被害地を免れた場所がある→全壊・半壊など被害は
地形だけに留まらない
|被災地地図からの分析 森島貴之
1/5000地図 扇状地の北川、全壊地域、水田が見られる 日和山を境に
南部はほとんど更地となってしまった
復興関連計画図 中心市街地の位置は変わらない
住宅は一部移転を予定している 地震・津波・浸水に対する計画の詳細は
未だ見受けられない
地図から見る石巻市の被害状況 |國本健太郎
地形概要図googleマップ 航空写真から見ると沿岸部に中心市街地が発展
幹線道路、JR周辺に住宅が多い 被害状況を示す地図 浸水と遡上範囲が
明記されている
石巻市 都市基盤復興基本計画図 沿岸部の港湾整備 道路網図が明記されている
被災時に避難が遅れたことで、道路は考慮して再計画されているのではないか?

|被災地地図から分かること 金曼
標高4m以上は浸水していない JRは浸水地域であった 0.5m—1mの浸水
石巻市 土地利用方針図 道路体系図
石巻市基盤復興基本計画 堤防の整備、中心を保護するために強化されている
被災地に関する地図 石巻市は山地、丘陵地域、海岸地域、平野地域に分けられる
浸水リスクマップ 浸水範概況図 浸水面積 津波による浸水範囲
被災地復興に関連した地図 土地利用構想図(平成24年)
「災害に強いまちづくり」 復興基本計画区域は2種類
1災害危険区域 海岸防潮堤、河川防堤、高盛土道路など
2 二線堤内地域 津波浸水リスクが低い 農地復興ゾーンがある
先生方のアドバイス
・地図は ①距離 ②高さ ③用途の分布 ④時間軸 の4つを読み取る。
・都市計画の計画ツールとしては、地図は2、3の要素を特に強調し作成されている。
・地図にはポリシーなどを明記することができる。
・誰がどの目的で作ったのかを把握する。昔の地図は精度が良くないが、
地図情報を基に他の資料で裏付けすることが重要である。
・書かれていることの真実性、作者の意図を読み取ることが大切
・著作権などに気をつけ、出典を明らかにしておくことが大切
・アカデミック・インテグリティが必要
地図から都市計画や被災状況を把握する試みは学生の多くが初めてだった
ようで、学び深いものとなりました。私自身も、同じ場所に対して
沢山の地図があることを知り、それぞれから読み解けるもの、また
基準等の
違いによって状況の把握の仕方が変わってくることなどを初めて知りました。
各分野の先生によって新しい視点による被災地へのアプローチ方法を学び、
実際の調査に活かして行きたいと思います。












