建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

 天草の下島の最南端、熊本県天草市牛深で『牛深ハイヤ祭り』に参加しました。

 大学で約1時間×1週間、研究室の諸先輩たちに振付を教えてもらいました。初参加の人たちの為に時間を割いて下さってありがとうございます。何事も基礎基本は重要です。
しかし、現地に行き、本番数時間前、踊りを合わせてみたところ、大学で練習していた踊りと実際に行われる踊りが違うことがわかりました。九大組はあわてて練習。(↓はその練習風景)DSC06233

 1日目は雨の為、ホールで5分程度の演舞。2日目は午後1時から道中踊りでした。実際にこれらを踊ってみてわかりました。基礎が或る程度できれば、あとは現場で実際にやっていく中でできるようになるということを。学びました、不測の事態に直面しても騒ぎ立てず、なんとか乗り越えることができるよう、日頃から、脳と身体を使い、さまざまな経験をし、それらを脳と身体に蓄積しておくことが重要だということを。道中踊りの時、私のポジションは後ろでしたが、皆、変更部分もあっているように見えました。参加者は、参加してよかったと思っているのではなかろうかと思います。(↓はお別れの挨拶風景)DSC06255

 ところで、そもその『ハイヤ』とは何か。全国に残る「ハイヤ」「アイヤ」「おけさ」「阿波踊り」「ソーラン」などの民謡は全て「牛深ハイヤ」にルーツがあるとのこと。踊りはじめの時もハイヤと言ってスタートします。日本語にしては変わった語感。インターネットのみですが、調べてみました。ハイヤは南風(ハエ)が訛ったもの。牛深は昔、海上交通港の重要港。当時の船の推進力は風、南風待ちの「上り船」と北風待ちの「下り船」、時化待ち船が長く逗留していたそうです。そうなると、遊郭ができるようです。ハイヤは元は遊女の歌のようです。歌詞をみるとより頷けます。12番まであるそうですが、3番まで見てみると「ハイヤエーハイヤ ハイヤで今朝出した船はエー どこの港に サーマ 入れたやらエー エーサ 牛深三度行きゃ三度裸 鍋釜売っても酒盛りゃしてこい 戻りにゃ本土瀬戸徒歩(かち)わたり」「ハイヤエー来たかと 思えばまだ南風(はえ)の風ヨー 風さえ恋路の サーマ 邪魔をするエー」「エーサ 黒島沖からやって来た 新造か白帆か白鷺か よくよく見たればわが夫(つま)さまだい」「ハイヤエーハイヤ ハイヤで半年ゃ暮らすエー 後の半年ゃ サーマ 寝て暮らすエー エーサ どっから来たかい薩摩から 碇も持たずによう来た様だい」。注目するのは、≪来たかと 思えばまだ南風(はえ)の風ヨー 風さえ恋路の サーマ 邪魔をするエー≫の部分でしょうか。『風と共に去りぬ』とか蝶々夫人を連想します。これらに少し恨み節が混ぜられているようです。
 江戸時代の船乗りたちは 薩摩と大阪を行き来していた弁財船にのり生活物資とともに新しい通貨新銀を持っていました。この新銀は当時大変貴重なもので船乗りたちは牛深の遊女たちにこの新銀を支払っておりました。このため、遊女たちは新銀取りと呼ばれました。牛深で生産された カツオ節などの加工品は弁財戦によって遠隔地に運ばれます。牛深は漁業、加工業、問屋の 3 つが一体となった天草諸島で一番繁盛した町でした。船乗り間ではここは有名な遊郭だったようです。ちゃんと調べてないのですが、きっと北前船の船乗りとの交流もあったはず。当時の船乗りは夜、寝ずに航行をしていたそうで、その時、歌を歌っており、それが色々な船乗りとの交流の結果各地へ伝搬したとのこと。北の人、南の人、様々な情報交換があったのではないかと思います。 今の私たちには考えられませんが、徳川幕府は民が遠洋にいくことを禁止してたそうです。そのため、船にはキール(船底のあばら骨)部分が始めから取り付けられてはおらず、近場の海を移動するのみだったと聞きました。徳川幕府がキールを禁止していなければハイヤはできなかったかもしれません。次の文はインターネットからの引用。
 「
酒盛り唄として歌い出された『牛深ハイヤ節』は、九州西海岸を航行し、関門海峡経由で大阪入りする帆船によって、瀬戸内海へ持ち込まれ、さらに北前船によって大阪から日本海側の港へと広まっていった。津軽アイヤ節(青森)、佐渡おけさ(新潟)、北海道ソーラン節(北海道)、そして阿波踊り(徳島)を初めとして、塩釜甚句(宮城)、浜田節(島根)、宮津アイヤエ踊り(京都)、さらに、加賀ハイヤ節(石川)、鹿児島ハイヤ節など、全国に現存するハイヤ節系の民謡が、この『牛深ハンヤ節』を源流としている。富山湾にたどり着いた北前船は、商人をともなって、さらに神通川、井田川を越中八尾までさかのぼる。土地の人たちとの交流を深めるなかで八尾の地の唄とハイヤ節系の唄が融和定着したのが、『風の盆』で知られる『越中おわら節』。風待ちやシケ待ちのため牛深に寄港した船乗りたちは、陽気な「ハイヤ節」を肴に酒宴を開き、その思い出を「牛深三度行きゃ三度裸、鍋釜売っても酒盛りゃしてこい」と唄い、次の港へと伝えていった。それが、全国各地40ヶ所以上の地方へ伝わり、その土地土地の民謡にハイヤを取り入れた事から「牛深ハイヤ節」は全国40ヶ所のハイヤ系民謡のルーツと言われている。ハイヤの踊りは、元々が船乗り達の酒盛り踊りであったため、中腰で重心が低く、また網投げ・櫓漕ぎなどの動きが特徴となっている。」

 北海道出身の私は、ソーラン節の起源がここにあることを初めてしりました。
 (上記内容は文献調査、フィールドワークによるものではありません。)
 ↓のリンクは関西大学学術リポジトリで読むことができる「周縁の文化交渉学シリーズ8 天草諸島の歴史と現在」の中にある論文です。


http://kuir.jm.kansai-u.ac.jp/dspace/simple-search?query=%E7%89%9B%E6%B7%B1&submit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2


                                           (研究生:岩井) 


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