北海道空知にて、旧産炭地のまちづくり活動を行われている
NPO法人「炭鉱の記憶推進事業団」理事長吉岡宏高先生が
九州の炭鉱町福岡県大牟田市と、田川市を踏査されました。
先日の記事の詳細報告をさせていただきます。
4日はNPO法人おおむた・荒尾炭鉱のまちファンクラブの
永吉守氏に終日ご案内をいただき、研究室6人と
市内の病院に勤務されている佐藤さん、國盛の父と
大牟田の炭鉱遺産を見学して周りました。
炭鉱の近代化遺産を専門家と巡る!
— 5月4日(火)大牟田フィールドトリップコース ー
09:45 西鉄大牟田駅集合
石炭産業科学館
11:00 三池港閘門
旧長崎税関所
12:00 昼食
13:30 万田坑
15:00 港倶楽部
15:30 旧三川電鉄変電所
16:30 宮原坑
17:15 集治監跡
17:30 宮浦坑
18:30 懇親会
20:30 宮原坑ライトアップイベント
炭鉱、まちづくりのエキスパートの方々と
見学していくことは大変有意義で知的で、貴重な時間でした。
要所で大牟田市の職員の方、ファンクラブの現理事長の方、
の大牟田市の職員の方、三川電鉄変電所の方々などもご協力くださいました。
今回のフィールドトリップを企画させていただいた私は
福岡県大牟田市出身ですが、このように外部の人を招き
自分の町の歴史に関するまち案内したのは初めてでした。
企画を考える中で、まちにある、たくさんの景色や場所の中から
テーマに関連するものを選び、
スケジュールの組み立てとして時間軸や地図にマッピングしていく作業は、
自分の町を俯瞰で見る機会となりました。
実施日の一日という箱の中に
自分であれこれまちのピースを配置していくようなそれは、
まちを考える市民としての初歩的な段階かもしれません。
以前先生から、ローレンス・ハルプリンという
演劇的パフォーマンスや公共施設を創ったアメリカのアーティストは
小さな劇場のセットの中でシュミレーションを繰り返していた
という話を教えていただいた事を思い出しました。
場をコーディネートするという、
人々の日常の行為にアートがあることを感じることができ、
まちや日常、芸術との交差点は
クオリティ・オブ・ライフの一つだと思いました。
永吉さんはじめ皆さんの多大なご協力で、
当日は密度がありながらもスムーズに見てまわることができました。
この日私にとって印象的だったことは
荒尾市の万田坑と大牟田市の宮原坑、
両者の遺産の文化発信のされ方の違いでした。
万田坑は4月26日に改修工事を終え、
「新生万田坑オープン」として催しが行われ、観光客で賑わいを見せていました。
万田坑ステーションやガイド見学、コンサート、お土産販売や仮設遊具など多彩です。
私個人が感じたことは、万田坑をとりまくものそれぞれの主張が強く
少し万田坑へ意識や視点を向け辛いところを感じました。
近代化遺産の認知の高まりや、まちの人が誇りを感じる機会が増えることには賛成です。
加えて、地域住民と万田坑の空間が断絶しないことや、
観光としての一時的な消費にならないようなまちづくりを
私たち市民も考えていかなければならないと感じました。
宮原坑には昼間と夜のライトアップイベントの二度出向きました。
昼間は関係者だけの見学をさせていただき、夜はイベントの様子を見に行きました。
ライトアップは市の職員の方々の手作業、誘導はファンクラブの方の
ボランティアで行われていました。小さい規模でささやかなイベントでしたが、
客足は耐える事なく、地元住民も集っていました。
住宅地の中に櫓があるので宮原坑付近の道や広場は狭く、
行うことができるイベントも限定されてくると思います。
しかし住民の生活空間にあるがゆえに生まれる規制が
むしろ宮原坑と住民、イベントがうまく交わりながら共生しているように感じ、
私にとっては心打たれる、魅力的なイベントでありました。
最低限の光量が、宮原坑を見る行為に内省と空想を伴わせ、
寝間着姿で現れる子ども達が、まちの素朴さと温かさを感じさせてくれました。
近代化遺産の活用や場所の特性、
様々な条件の中で遺産を位置付け生かしてゆくことは、とても難しいことだと思います。
これからも、炭鉱に限らず、人、芸術、遺産など
様々なものから「社会と○○」の関係をさぐり続けていきたいです。

壊れた三池炭鉱専用鉄道のブリッジの煉瓦
煉瓦の刻印で製造元が分かる、とのことです。
熊本県 荒尾市 万田坑
改修を終え、公開されていました。
福岡県 大牟田市 宮原坑
ライトアップイベントは、年に数回開催されています。
(國盛)














