竹田市民公開講座『アルティザン・トーク』第6回ご案内
日時 2023年3月26日(日)14:00〜18:00
会場 TSG竹田総合学院(竹田市植木731)1階共通スペース
語り手 筬島孝一(おさじまこういち)さん
写真家・竹田銀塩クラブ・仕掛け狩猟家・1980年式ランクル40系オーナー・竹田市総合文化ホール〈グランツたけた〉施設管理者
〈グランツたけた〉の施設管理に携わる筬島孝一さんは摩訶不思議な百面相人物。狩猟免許を持ち、森の中の自宅屋敷には獣肉を自家処理する施設が充実、ジビエ保管用冷蔵庫もずらりと並んでいます。その奥には大音響スピーカー装置が据えられた写真現像の暗室。天気が良ければグランツへ赤色1980年式ランド・クルーザー40系で颯爽と出勤。悪天候には曝さず床の間でたいせつに飾ります、とはにかみます。
1954年竹田市生まれ。若い頃から多芸多才、何にでも興味が湧き音楽音響好き。竹田市農協の職員だった20代に趣味で写真を始めたら、独特の岩場を持つ河川でのカワセミ撮影にぐっとのめり込んだ、と言います。
猪突猛進、38歳にして奥様と二人のお嬢さんをおいて上京、プロ写真家を目指し東京綜合写真専門学校へ。電気工事のアルバイトをしながら1996年同校研究科卒時に42歳とは畏れ入ります。日常の生活相に暖かい眼差しを向ける写真家土田ヒロミの門下生として影響を受け、撮影するモチーフを裏庭(BACK GARDEN)にこだわり、95年より本格的な展覧会へ出展。帰郷後は大分市で会社員をしながら、97年にはプロへの登竜門で名高い銀座ニコンサロンにて晴れの「裏庭考現学」写真展を開催しました。大正時代の建築学者今和次郎が名付けた「考現学」の観点から裏庭(BACK GARDEN)を覗き込む作品世界の嚆矢となり、作品展を銀座や大分で続けました。
裏庭にこそ何気ない私たちの暮らしや生活の素顔が垣間見られる、日本人のもっとも日本人らしい裏側がそこにあると看破、モノクロの作品には日本人が有する「裏」の世界観があぶりだされ多元的な表徴が示されていきます。2003年発行の写真集『BACK GARDEN 裏庭考現学』は認知症予防に効果を見せる回想法にも用いられているとのこと。
2009年、大分県内の写真家たちと白黒フィルムによる文化継承をめざすmono96FCを結成、2016年に竹田市へ戻った後も銀塩写真の仲間たちと竹田銀塩クラブを結成、竹田のまち中を生かす芸術祭TAKETA ART CULTUREにも独自の白黒写真世界を出展し多くのファンを魅了しました。
暮らしの裏庭をカメラで渉猟してきた写真アルティザンの筬島孝一さんが、今も見つめる竹田のもうひとつの「裏庭考現学」世界を語ります。
聞き手 藤原惠洋
工学博士・九州大学名誉教授・公益財団法人竹田市文化振興財団理事長・路上観察学会会員