建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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壊れた店内で片付けをする傍ら、温泉街のこれからについて関係者と意見を交わす近藤真平さん=8日夕、大分県日田市天瀬町

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オープンしたばかりの店。近藤さんは「天瀬の内と外をつなぐ場所にしたい」と話していた=2019年8月16日
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2度襲った濁流で破壊された近藤さんの店=8日午前11時ごろ、大分県日田市天瀬町 







さいたまから移住の男性、再起へ奔走

 2度の濁流に襲われ、甚大な被害を受けた大分県日田市天瀬町の天ケ瀬温泉街。老舗旅館が立ち並ぶ中、昨夏オープンしたばかりのカフェバーも大きな被害を受けた。店主は市の地域おこし協力隊員として移住してきた近藤真平さん(32)。店を失い、街の復旧の見通しも立たないが「愛する天瀬を、温泉街をまた元気にしたい」と復興に向け動き始めている。

 さいたま市出身。2011年、東日本大震災の混乱の中で、利益ばかり追求してきた社会の在り方に疑問を感じ、第1子誕生を機に移住を決意。16年7月、妻の出身地、日田市で協力隊員となった。豊かな自然、歴史ある温泉街、人の温かさに触れ、19年6月の任期終了後も町に残った。同年8月、地域内外の人が交流できる場を目指して店をオープンさせた。

 大きな窓からゆったりと流れる玖珠川が見下ろせる店は、住民や観光客に愛された。新型コロナウィルスの影響で観光客が激減した5、6月には旅館の協力を得て温泉水の宅配事業を始め、コロナ終息後に備えて天ケ瀬温泉の魅力を積極的にPRしてきた。

 今月7日、玖珠川は暴れ川となった。「店に水が入った」と朝、知人から連絡があった。濁流にのまれた温泉街には近づけず、変わり果てた店を確認できたのは午後2時ごろ。コンテナを改装した店は壁が壊れ、天井まで濁流が押し寄せたことを示す土色の水跡があった。グラスや酒瓶は泥だらけ。コーヒーメーカーや製氷機、冷蔵庫なども水に漬かった。「すべてなくなっちゃいました」

 同日夜も雨は降り続け、再び温泉街を濁流が襲う。翌朝、流木や車が横たわる道路で目を潤ませながら片付けに追われる温泉街の人たちがいた。「自分には、支えてくれたこの人たちがいる。今だからこそできることを考えたい」。被災から4日後、さっそく温泉街関係者と復興への道筋を検討する組織を立ち上げた。義援金集めの他、復興応援グッズの製作や温泉街への誘客の仕組みづくりを進める計画だ。

 店をいつ再開できるか、めどはまだ立たない。それでも「天瀬の人も温泉街も、自分の挑戦を受け入れ応援してくれた。これからも寄り添い続けたい」。愛する天瀬の再起を信じ、前を向く。

(笠原和香子)


 

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