建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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藤原惠洋研究室テーマ

 

「社会から隠蔽されてきた少数者理解(マイノリティ)へのリテラシー形成〜ハンセン病療養所入所者による絵画作品の評価と美術館展覧会を通して(前半)(後半)」

 

(前半)

 国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県合志市)の絵画クラブ「金陽会」メンバーによる900点以上の作品群が再評価を受けアーカイブ化が進む中、作品の里帰り展が各地で実現してきている。
 本テーマでは本年2020年秋、熊本県天草市で開催する「天草、ふるさとに帰る」展を支援しながら社会から隠蔽されてきた少数者理解へのリテラシー形成をめざす。
 

すでに熊本市現代美術館(CAMK)では同会作品を展示した展覧会を2002年、03年、 05年、07年、10年の5回にわたり開催、入所者(回復者)の作品を継続して紹介してきた。とりわけ「ATTITUDE2007 人間の家〜真に歓喜に値するもの」展(2007721日〜1014日)は世界的な現代美術作家の作品とあわせ、全国の療養所、戦前期旧植民地の韓国、台湾の療養所における作品を一堂に展示し、ハンセン病療養所入所者の作品群を「芸術」として評価した。

 このような企画の背景を踏まえながら、実際の展覧会のあり方を検討していく。

 

(後半)

前半テーマを引き継ぎ展開して行く。

 

 

芸術情報設計学科3年生芸術情報プロジェクト演習藤原班受講生へのメッセージ

 

 今、世界中の人々が同じ危機に直面しており、誰もが目に見えない新型コロナウィルスの病原体にさらされる不安や恐怖をいや応なく実感しています。そのため私たちの毎日は感染拡大防止のためさまざまな生活や活動の多くに厳しい自粛や自制を余儀なくされています。
 

 しかし、このように社会から閉じられ隔離されていることや隠蔽された人の人生のあり方けっしては珍しくなく、今に突然始まったわけではなく、世界には常に平和や安寧を生み出すために異端者を追い出し少数者を生み出す、という力学が起こってきています。本テーマがめざすものは、こうした少数者(マイノリティ)への理解を深め、リテラシー形成を進めるということです。

 

 日本は社会全体を進める政策の中で、とりわけ文化政策が非常に弱いと考えられます。さらに、そこへコロナ惨禍が直撃してしまったためもあり、芸術や文化関係者が非常に苦しい状況に追い込まれています。しかし、たとえばドイツの文化担当の大臣は「芸術はただ単に必要不可欠なものだけでなく、生命維持装置だ」とまでおっしゃっている。こうした識者の見識や私たちの実感をもとに、あらためて芸術・文化は私たち人間が生きていくうえでどうしても必要なものだということを率直に振り返ることができます。

 

 それゆえ、ひとたび自粛を要請される中でコロナ対策の暮らしを数ヶ月にわたり体験した私たちは、途方もない時間や歳月の中で、やむなく隔離され隠蔽されてきた少数者(マイノリティ)の方々が自分の命や生存を守るためにこそ、芸術・文化を生かしてこられた経緯を学んでみる必要があるのではないか、とと思うようになったのです。

 当たり前のことですが、コロナ惨禍下で等しく私たちの命はみんな大事です。最も基本的なこととして、それはお互いに支え合い守りあう必要があります。だから私たち自身が感染防止をめざして厳しく自粛していく必要があったのです。

 一方で、命の次に大切なもののことを思い出してみる必要があります。それは一人一人違うと思います。ご存知のように芸術・文化の領域もじつに幅が広く、ある人にとっては音楽がなければ生きていけない、ある人にとっては演劇や舞台芸術の物語で生きる示唆をもたらされた、自分の人生が詩や歌や言葉の芸術を通して救われた、絵画や彫刻が自分の人生を豊かにしてくれた、心身を鍛えるスポーツや人間の運動能力がもたらす感動を味わいたい、というじつに多彩な思いが入り混じっていることでしょう。

 そうした私たちがあくことなく希望や願望を繰り広げる中で、実際に隔離され隠蔽されてきた方々のことをどのように想像することができるでしょうか。
 
 あらためて、隔離され隠蔽されてきた少数者(マイノリティ)の方々が自分の命や生存を守るために芸術・文化を生かしてこられた経緯の実例として、ハンセン病回復者の方々と交流をしながら、菊池恵楓園絵画サークル「金陽会」の数多い絵画作品を再評価し、その作品展をサポートすることで、少数者(マイノリティ)への理解を深め、そこから私たちのリテラシー形成を育んでみることがたいせつだと思うのです。(藤原拝)


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