建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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ふ印ラボのみなさん
ふ印ラボをご支援くださる同人のみなさま

みなさま、ご無沙汰しております。
お元気でしょうか。

新型コロナウィルス感染防止のためにさまざまな私たちの日常生活や活動が自粛や自己規制を余儀なくされる中、新たな年度が始まりました。

ご周知のように、この年度は私藤原惠洋にとっても、27年間勤めた九州大学(1993年4月〜2003年9月九州芸術工科大学)の最終年度となります。
したがって一年後には、九州大学芸術工学部におけるすべての活動を整理した上で退職をいたします。

そこで、最後の一年間を、これまで以上に有意義に過ごすために、研究、教育、社会貢献、国際貢献に関わるテーマに関して、以下のような集中プログラムを構想してきました。
大なり小なりみなさまにも関わっていただければ嬉しく思います。
そして、すでに国内の全都道府県をはじめ世界83か国を対象としたフィールドワークを重ねてきた成果に関しても、機会を設けて、わかりやすくみなさまへ還元できる機会を設けていきたいと考えています。
また、神戸芸術工科大学准教授谷口文保先生を筆頭幹事役とする教え子・有志のみなさんが、私を媒介として成就されてきた研究・教育に関わる成果を一覧したいと趣向を凝らした研究論文集(および雑感集)を発行すべく、すでに活動を開始されていることも楽しみです。
谷口先生には先行き見えない厄介な先導役を引き受けていただきましたが、一人でも多くのOBOGならびに同人のみなさまから、私や私の研究室と邂逅することで得られた成果や気づきや人生の豊かさをふりかえっていただけるならなによりです。

【2020年度(最終年度)芸術文化環境論藤原惠洋研究室集中プログラムへ向けて】

(1)研究
・近年、博士論文を元にした教え子の著書が九州大学出版会より相次いで刊行されました。谷口文保先生(博士(芸術工学))『アートプロジェクトの可能性』、國盛麻衣佳先生(博士(芸術工学))『炭鉱と美術』。いずれも旧来の先行研究を凌駕する優れた知見を獲得したことで学界でも高い評価を受けています。この時節が穏やかさを取り戻したら必ず出版記念パーティーを開催したいと構想をたくましくしています。
・これまで20本程の博士論文の審査を主査・副査として担当してきましたが、さらに現在、本年度中に博士学位取得をめざしたいと博士論文執筆を展開中のかたが複数名おられます。最善を尽くしてご指導申し上げます。
・私自身は、これまで〈日本近代〉〈芸術文化環境〉〈住民参加まちづくり〉の三軸を組み合わせながら、普遍的な洞察力の涵養、人格の陶冶、民主主義を担う市民育て、等を目標とした研究と実践を展開してきました。さらにこれらは〈日本近代〉=文脈、歴史、時間、〈芸術文化環境〉=矜恃、芸術文化、空間、〈住民参加まちづくり〉=紐帯、互助・共助・共創、仲間 の重層的なキーワード群を通して今後も発展・展開することが可能です。そこから学術的な専門領域としては、日本建築学会、建築史学会、日本デザイン学会、産業考古学会、日本文化政策学会、文化経済学会〈日本〉、日本産業技術史学会、文化資源学会等のアカデミズムに貢献してきています。今後も持続的な活動を展開していきます。
・現在は、主として専門性の高い文化財まちづくりや文化資源を活用するための文化政策に関する論考を重ねています。主として日本文化政策学会や文化経済学会〈日本〉において最新知見を口頭で学術講演発表しています。今後も継続的に発表を展開していきます。

(2)教育
・これまで開拓してきた地域社会との連携や地域貢献や社会還元を軸として構築した教育資源の活用を前提に、この20年来にわたり芸術工学部における先導的な対話型講義や学生参加型演習のプログラム開発ならびに実践を展開してきました。いわば芸術工学部におけるPBL(プロジェクトベースドラーニング)の先導的役割を果たしてきたと自負しています。新型コロナウィルス感染防止対策として遠隔授業が推奨されることとなりましたが、こうした教育現場の危機的状況にも対話型の基本路線は有効だと考えています。ぜひ独自の遠隔授業コンテンツ開発を心がけていきたいと思っています。
・九州大学芸術工学部芸術情報設計学科は昨年度に改組され学科終了となりました。私は芸術情報設計学科創設メンバーとして23年間を通して学部教育に携わったことになります。ついで今年度より新たに芸術工学科環境デザインコースに配属されました。期限は1年間のみ、ですが、考えてみれば人生はじめての高等建築教育分野での教育スタッフとなるのです。
・大学院の学府教育は最終年度も環境・遺産デザインコースです。さらに最後の1年間は同コース長に推挙されましたが、これは2014年度〜16年度からの再任となります。
・九州をはじめとする全国の基礎自治体(延べ260以上の市町村行政および関係組織・団体より公的依頼を受託・委託)における文化資源総合調査、歴史的建築調査、歴史的町並み調査、景観資源調査、地域固有資源調査、文化政策立案、住民参加・市民協働まちづくり施策の助言、住民自治組織の構築提案、環境教育プログラムの創出、まちづくり・まちそだて・まちづくろいプログラムデザインの助言指導、等を展開する一方で、実践的なフィールド教育の効果を射程に入れながら九州大学学生・大学院生ならびに同人OBOGの参加を伴った現地フィールドワークを構築展開することを心がけてきました。実施例は50エリア・自治体を超えました。そのひとつ、熊本県天草市下浦地区を生かした九州大学芸術文化環境論フィールドワークの効果検証に関して、指導下の岩井千華先生が公共コミュニケーション学会査読論文として発表しています。本メールに添付いたしますので、ご興味がある方はご覧ください。

(3)社会貢献
・文化審議会世界文化遺産部会専門委員として、ユネスコ世界文化遺産に関する日本国内候補審査に参加、2012年より八年目に至る審議活動を継続展開しています。
・明治日本の産業革命遺産群の構成資産でもある荒尾市(熊本県)大牟田市(福岡市)の三井三池炭鉱遺産に包含される国史跡や国重要文化財歴史的建造物の保護、保全、再生、活用に関する数多くの委員会を委員長として所掌し、基礎自治体の文化遺産政策を先導してきました。
・国重要文化財門司港駅文化財保存修理委員会委員長、人吉市景観審議会会長などをはじめ、九州・山口・沖縄等の歴史的建造物の保護、保全、再生、活用をめざした国重要文化財をはじめとする指定文化財化や国登録有形文化財の調査、評価、意見書作成を通した文化財樹立へ多数関わってきました。
・2016年熊本地震で被災を受けた指定・未指定の歴史的建造物の被災状況の調査をはじめ復旧・再生・再利用などに関する提案作業に参加してきました。
・まちづくりオルガナイザーとして九州をはじめとする全国の基礎自治体(延べ260以上の市町村行政および関係組織・団体より公的依頼を受託・委託)における文化資源総合調査、歴史的建築調査、歴史的町並み調査、景観資源調査、地域固有資源調査、文化政策立案、住民参加・市民協働まちづくり施策の助言、住民自治組織の構築提案、環境教育プログラムの創出、まちづくり・まちそだて・まちづくろいプログラムデザインの助言指導、等を営々と展開してきました。とくに九州大学学生・大学院生ならびに同人OBOGの参加を伴った現地フィールドワークの実施例は50エリア・自治体を超えました。
・建築理論家として幅広い公共施設(中学校体育館、公共ホール、公立病院、公立歴史資料館、等)のプロポーザル審査を担当してきました。今後も必要とあらば力を発揮するつもりです。
・今後へ向けて今もなお、大分県地方独立行政法人(大分立芸術文化短期大学・大分県立看護科学大学)評価委員会委員や地域ブランディング天草謹製事業公開審査会審査委員長、人吉市景観審議会会長、竹田市都市再生事業事後評価委員会委員長、国重要文化財門司港駅文化財保存修理委員会委員長等を継続担当していきます。

(4)国際貢献
・15年間にわたり福岡アジア文化賞委員会メンバーとして、とりわけ同賞芸術文化賞選考委員会を委員長として所掌し、幅広いアジア独自の芸術文化の発展に寄与した方々の評価・検証を先導してきました。同事業は今もなお福岡市の重要な都市政策のいっかんとしてアジアのゲートウエー都市へ豊潤なコンテンツを創出しています。
・京都賞[思想・芸術部門]推薦委員として世界を代表する芸術家・表現者・芸術創造者達の選考に推薦者として貢献してきました。
・ユネスコ世界文化遺産に関する日本国内候補審査に文化審議会世界文化遺産部会専門委員として八年目に至る審議活動を継続展開しています。
・2020年6月後半〜7月にかけ中国・福州で開催される(予定、状況次第では中止、順延を検討中)ユネスコ世界遺産委員会への専門家(文化審議会世界文化遺産部会専門委員ならびにICOMOS国内委員会メンバー)オブザーバー出席を予定しています。
・新型コロナウィルス惨禍により渡航すら困難になった中国の福建省において一昨年より厦門理工学院大学院大学再編成へ貢献しうる研究領域「文化資本と創造経済」講座樹立へ向けた集中講義を展開してきました。九大門下のJim熊准教授が幹事役をつとめています。
・同じく中国・福建省において巨大な屋敷構えの民居群に関する文化遺産保護と保全活用に関する助言指導を展開中です。
・中国をはじめとする外国人留学生の受け入れを20年以上にわたり継続指導、現在も複数名の指導を展開中です。

(5)2020年度ふ印ラボ研究室の集中プログラムのご案内
・旧来展開してきたふ印ラボの最重要課題とも言える地域社会の再生促進と芸術文化の創造を通した相乗作用を橋渡しする(ブリッジング)ことと、それぞれの内的成長を伴走する(ボンディング)ことに今後も積極果敢に取り組んでいきます。
・日本近代〉=文脈、歴史、時間、〈芸術文化環境〉=矜恃、芸術文化、空間、〈住民参加まちづくり〉=紐帯、互助・共助・共創、仲間 の重層的なキーワード群を軸にした研究室活動を幅広く維持展開していきます。
・今後1年をかけ、ふ印ラボの関係者名簿作成(九大学生時代1974年4月〜79年3月、竹中工務店九州支店実習生+東京・渋谷界隈アトリエ派事務所時代1977年10月〜1985年3月)、東京藝大修士課程大学院生時代1980年4月〜1983年3月)、東京大学博士課程大学院生時代(1983年4月〜1988年5月)、千葉大学工業意匠学科助手時代(1988年5月〜1993年3月)、九州芸工大工業設計学科講師・助教授時代(1993年4月〜1997年3月)、九州芸工大芸術情報設計学科助教授、ライデン大学客員教授時代( 1997年4月〜2003年8月)、九州大学大学院教授時代(2003年9月〜現在)をすすめていく予定です。
・同上で時代的に仕分けされるふ印ラボの活動事歴のアーカイブ化を順次すすめていく予定です。
・1993年より継続開催してきた誰もが参加できる満月交流宴「月宮殿祭」の年度内継続開催と開催記録のアーカイブ化を実践していきます。
・教授室、博士研究室、学生研究室、資料庫、教材倉庫などの所蔵書籍・資料・スライド写真・映像データー等の整理と適切な場所への搬出再整理を実施していきます。
・1993年より長年にわたり実施してきた公開講座受講生の方々との人的ネットワークの再整備および名簿整備をすすめていきます。
・1993年より数多くの地域社会で開催してきた住民参加、市民参加、市民協働によるまちづくり・まちそだて・まちづくろいのワークショップやフィールドワークに参加された方々との人的ネットワークの再整備および名簿整備をすすめていきます。


まずは思いつくまま以上。
課題は少なくないのですが、どうぞお見守りください。

ふ印ラボ ボスこと藍蟹堂藤原惠洋拝 
2020.0404深夜。




今後も継続的にみなさまに近況をお伝えすることにいたします。
どうぞご笑覧くださいませ。

Comments

    • 辻 潔's comment
    • 2020年04月06日 11:33
    • 最後まで読み終え、先生のひとつ、ひとつのお言葉から、エネルギーを貰っています。この一年のご活動お体に気を付けて。たのしみにしています。
    • 藍蟹堂藤原惠洋's comment
    • 2020年04月09日 23:18
    • 辻さま コメントをありがとうございました。残す1年間を有意義に過ごすための私自身の覚悟と態度を、指導下の学生・大学院生諸君へ向け、そして長年ご交流をいただいてきた数多くの同人、研究・教育のお仲間、数々のご支援者のみなさま、政府や自治体関係のみなさま、さらには家族や友人たちへ向け、お示ししたことになります。時節柄、たいへんなコロナ惨禍の体験を余儀なくされていますが、どうぞご自愛のうえ大禍無くお過ごしください。藤原拝

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