〔創 造 部 門〕
1.氏 名 うえやま とち(漫画家) 2.年 齢 65歳 ※R2.1.16現在 3.住 所 福津市
【経歴及び選考理由】
福岡市生まれ。昭和 53 年から 57 年まで「フクニチ新聞」に 4 コマ漫画「筑紫ン坊」を連載。昭和
60 年 5 月から週刊漫画雑誌「モーニング」(講談社)で漫画「クッキングパパ」の連載を開始し、 料理を通じた人々の温かなつながりをほのぼのとしたストーリーで描き人気となる。
同作品は、主人公の荒岩一味が、働く妻と家事・子育てを分担しながら、営業マンとしてバリバ リ仕事をこなす姿を描き、イクメン、イクボスの元祖ともいえる主人公を生み出した。
また、福岡県内が作品の舞台となっており、福岡にゆかりのある料理や福岡の街並みを忠実に描 いたシーンが多数登場し、その細やかな描写から作中に登場する街並みや飲食店を探し訪ねる愛読 者も多い。
平成 20 年には、テレビ西日本開局 50 周年記念番組として同作品のテレビドラマが制作され、博 多祇園山笠に沸き立つ博多の街を舞台にしたストーリーが、全国ネットで放送された。
人気ロングセラー作品となった「クッキングパパ」は、平成 27 年に連載開始から 30 周年を迎え、 これを記念して、西日本新聞にて「うえやまとち笑顔食堂」と題し、作中に登場した料理を試作し 感想を綴る連載が掲載され、北九州市漫画ミュージアムにおいて特別展「クッキングパパと九州・ 福岡の仲間たち」が開催されたほか、福岡市天神地区の商業施設で作中に登場するレシピを再現し たメニューを提供するキャンペーンが行われるなど盛り上がりをみせた。この年、第 39 回講談社漫 画賞特別賞と福岡市文化賞を受賞している。
「クッキングパパ」は昨年 7 月に連載 1,500 回に到達。コミックスは 151 巻まで販売されており、料 理漫画では世界最長記録を更新している。
また、福岡県を拠点に漫画の新しい可能性を追求し、国内外を問わず次世代を担うクリエイターを発 掘すべく平成 28 年 6 月に設立された「一般社団法人まんがコンテンツ振興機構(通称:まんがシー ポ)」の名誉理事として、数々のイベントや海外交流を行うほか、次世代を担う才能の発掘、育成を行 っている。
このように氏は、長年にわたり全国的に活躍し、漫画を通じて福岡県の文化を全国に紹介するなど本 県の文化交流に貢献するとともに、県民文化の向上、発展に大きく貢献している。
『クッキングパパ』
(参考)創造部門:個性的、創造的な文化活動を行い、優れた業績を残し、県民文化の向上、発展に貢献したもの