「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産一覧表記載決定に当たる、
世界遺産委員会における審議の概要を第二報として報告いたします。
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「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に係る決議概要
(1)記載の可否と評価基準
○ 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を,評価基準(ⅲ)に基づいて世界遺産一覧表に記載する。
評価基準 | |
ⅲ | 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、17 世紀から19 世紀の2 世紀以上にわたるキリスト教禁教政策の下で密かに信仰を伝えた潜伏キリシタンにより育まれた独特な宗教的伝統を物語る他に例を見ない証拠である。 |
(2)追加的勧告
○ 締約国が以下を考慮することを併せて勧告する。
a)久賀島又は野崎島などにおける集落跡,教会跡,墓地跡などすでに廃絶したものの痕跡について,写真測量,航空測量又はこれらに類する技術を用いて,包括的な記録資料を作成すること。
b)地元の活動団体又は個人が,市町・県・国からの経費補助を受けて保全活動ができることについて,よく周知すること。
c)各構成資産の物理的・社会的状況に基づく制約を十分考慮した上で,「収容力(carrying capacity)」及び望ましい観光の管理について検討すること。
d)「世界文化遺産の遺産影響評価に関するガイダンス」(2011)に基づき,遺産内における新規の開発事業について影響評価を行うこと。
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併せて、本件に係る総理メッセージについても情報提供いたします。
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」世界遺産登録に当たっての総理メッセージ
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されたことを心から嬉しく思います。
長崎と天草地方に残る潜伏キリシタンの集落。
江戸時代、当時の社会や風土に適応しながら、何世代にもわたり、その固有の文化を引き継いできました。
日本独自の信仰のかたちを物語るものであり、まさに世界に類を見ない人類の遺産です。
これまで保全に取り組んでこられた関係者の方々に深い敬意を表するとともに、世界の宝を大切に守り、その魅力を世界に向けて発信する、その決意を新たにしたいと思います。
平成30年6月30日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三
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文化庁文化財部記念物課世界文化遺産室