建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 2018年2月3日(土)山陽小野田市中央図書館で行われた「詩(ポエム)カフェ」と「本カフェ」(図書館創発会議主催)に参加してきました。市民のみなさん及び近郊から来るみなさんは公共図書館でどのような楽しみ方をしているのか!
 まずは、詩カフェです。いつもは日曜日に開催されるのですが、この日は土曜日に開催されるということからか、参加者は少なかったのですが、それでも参加者のみなさんは自分の紹介したい詩を声に出して読んだり、他の人のを聞いたり、自らの知っていることを話したりと大変面白いひとときを過ごしました。私はみなさんを通して初めてであう作家や作品に喜びを感じました。
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 イタリア語翻訳家の香川真澄さんからまずは、この「ポエムカフェ」の趣旨が述べられました。
「3年前、図書館開館20周年にあたり、何か一般の人が参加しやすいもの、詩をみなさんの前で朗読してみようじゃないかということで、はじめはポエムの広場ということで始めました。人数が少ないけれど濃い体験をしました。はじめの2~3人の方は、『自分は長年俳句を作ってきたが発表せずに来た。人前で発表できてうれしい』ということでした。日本語は表記文字で目で読んで理解するので人前で声出して読むということは少ないのではないかと思います。詩を人生に重ねてそれを声に出して読んで味わうということをしてきました。はじめのうちは週1回のペースでやっていました。時には全盲の方が3人きました。ある方はオペラのように詩を歌うということをしました。自分の出会ったことの無い詩に出会うことができました。日常ではできない話しができるところがよいところです。」
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 山本さんからは、森英介『風天渥美清のうた』のなかから、風天の寅さんこと俳優・渥美清(1928-1996)が作った俳句が紹介されました。「少年の日に帰りたき初蛍」「好きだから強くぶつけた雪合戦」「お遍路が一列に行く虹の中」など15句。その後、山本さんが作った「ふるさとは夕焼けにけり寅さん忌」「寅さんの後ろ姿や秋祭」が披露されました。私は俳句の型は五七五で季語が入るということは知っていましたが、自らで作ろうと思ったことは無く、今回は大変興味深く聞かせていただきました。俳句には「切れ」があるのが余情があって良い句だそうです。私はアメリカの女性詩人Edna St.Vincent Millay(1892-1950)の詩"Bluebeard"を紹介しました。英語だと、頭韻、脚韻など音のおもしろさがあったり、英語文化独特の象徴があったりするのですが、日本語にしてしまうとそれが全部ふっとんでしまうのが残念です。香川さんからはアダ・ネグリ[1870~1945]イタリアの女流詩人・小説家]の詩が紹介されました。「イタリアの国民詩人でモーニングスター(明けの明星)が有名で「母」という詩を上田敏が訳しています。門番の娘で純真さと辛辣さを持っていて、男性に対しては辛辣です。おはりこをしていました。貧乏で貧しい人にはシンパシーを抱き、上流階級には口汚いです。今日は『いのちの調べ』『農婦』『ささやかな来歴』という3編を紹介します。アダネグリの適切な訳が日本ではなかなかありません。―――《Traduttore, traditore》というイタリア語の言葉があります。「翻訳者(トラドゥットーレ)は裏切り者(トラディトーレ)」で、別の言葉にすると魂が失われるということです。」 
 「いのちの調べ  アダネグリ 
 みごとな まっ白な歯をみせて笑う よく肥えた従順などうぶつ 大地そっくりのあなた。あなたのすぐそばには畝の穂のように 息子たちが並んでいる。 あなたの心に敵意が芽生えたことはない それをあなたは知らないし、考えたこともない。あなたは無限にづづく地平線をながめていて 広野はあなたの力強さと豊穣を裡もっている。昼日なかに 花咲く牧草地を刈り取ろうとも、暮れどきに 干し草の山を積み上げようとも、むき出しのあなたの乳房が乳を与えようとも、麦打ち場で唐黍の皮をむき、泉で洗おうとも、影はいささかも あなたの額を曇らせたりはしない。あなたは 思春期の泉の水を飲む女性であり、雌オオカミのよき歯をして笑い こころの底から はればれと満ち足りている 拓かれた大地に立って、歌いながら。」私は最後に河井寛次郎「手考足思」を朗読させていただきました。そして「持ち寄り本カフェ」の時間となりました。
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 こちらは大盛況!巳年キリン『働く 働かない 働けば』、大島菊枝『朝ごはんはすごい』、上原隆『友がみな我よりえらく見える日は』、北川暢子『そこに光があるから』、レオレオニ『スイミー』、松本侑子『アンの青春の明日がかがやく言葉』、沢木耕太郎『春に散る』、宮沢賢治『宮沢賢治全集』、小川三夫『棟梁』の各本が紹介されました。みなさん、思いがある本や興味深かった本を紹介して下さいました。図書館からは『悠久の宙』『米粉のお菓子』『ニッポン全国和菓子の食べ歩る記』『カレーライスを一から作る』が紹介されました。
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  「詩(ポエム)カフェ」「持ち寄り本カフェ」とも、みなさんが日々思っていてなかなか他者に伝える場がない、本を読んだ時の気持ちを、この「場」を通じて発表しているという感じを得ました。

                             岩井


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