ミュンスター彫刻プロジェクトに続いてドイツのカッセルで開催されたドクメンタ14(Documenta14, Kassel)についても話を続けて行きたいと思います。
ドイツのミュンスターからカッセルまではバスで約3時間半ぐらいかかります。ミュンスターを見学した後、カッセルに移動しカッセルも見学する人も途中たくさん見ることができました。私もそのようなルートで見学を続けて行きました。
カッセルに着いてからは最初インフォメーションセンターで地図をもらい、ルートを考えた後、カッセルのドクメンタも見学し始めました。ドクメンタ14(Documenta14, Kassel)という名前に14がついているのは今年がドクメンタの14番目の展示からです。カッセルの都市を中心に作品は室内外関係なく展示され、彫刻、動画、絵、オブジェなど様々な作品を見ることができます。カッセルドクメンタもヨーロッパの4大アートイベントの一つになっています。
ドキュメントは1955年にドイツで最初開催され、1959, 1964,1968, 1972, 1977, 1982, 1987, 1992, 1997, 2002, 2007, 2012, 今年2017年は14番目になるということです。このようにドクメンタは5年に1度行われているアートイベントです。ドイツのカッセル以外にギリシャのアテネでも2017年4月8日~7月16日まで開催されましたが、カッセルの場合には6月10日~9月17日までが開催期間です。この期間でギリシャでもドイツでもドクメンタを楽しむことができます。開催される期間を見るとほぼ100日間で、それでカッセルドキュメント(Kassel Documenta)は「Museum of 100days」とも呼ばれています。
ドキュメントは1955年最初開催される時はドイツのカッセル大学の教授であったアーノルド・ボーデ(Arnold Bode)が企画をしました。ドイツの場合1945年、ナチス政権のヒトラーがベルリンで自殺をする前までは芸術、美術に関係することの多くに弾圧が加えられてきました。ヒトラーの影響でドイツでの現代美術、芸術は発展できない状況でしたが、第二次世界大戦が終わり、ドイツが再建をし始め、ドイツでの現代美術・芸術などはナチズムから解放され、自由を持ちつつ再生していきます。このように第二次世界大戦が終わってからドイツの努力の一つとしてドクメンタが開催されることになりました。
最初の展示では148名の作家が参加し展示の作品は670作品ぐらいでしたが、5年に1回持続的に開催することにより参加する作家や展示される作品は増えていきました。1977年6番目のドキュメントでは2700個の作品が展示できるようになりました。ドクメンタの開催が増えるほど、参加作家や作品は増えていきましたし、ドキュメントを楽しむため集まる観覧客も一緒に増えていき、最初ドキュメントが開催された時に100日間、約10万人ぐらいだった観覧客は1977年6番目のドキュメントの時は34万人まで増えました。2007年の12番目の時には75万人の観覧客がここを訪れたということになります。カッセルはドイツで、それほど大きな都市ではないですが、ドクメンタを開催することによりカッセルを訪ねる人々が多くなるのは良いことだと思います。展示される作品に対しても最初の時にはドイツで有名な芸術家たちの作品を中心にしてドイツ作家の作品が展示されましたが、現在はヨーロッパでの作品以外にもアジア、アメリカ、アフリカなど世界からの作品がカッセルに集まって展示がされ観覧客に公開されています。
M2 張 榮