建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 九州産業技術史研究会7月定例会

 

7月18日(火)19:0021:00

九大大橋キャンパス

5号館3531教室

 出席者:大石先生 平島 岩井 吉峰 韓 佐々木一成先生(西日本短大教員)

松本さくら(大石ゼミ学生)、木村けいご(大石ゼミ学生)

 

 

      講演:大石道義先生(西日本短期大学教授)

 「伝統的な産業技術・生活技術の保存活用の検討事例 ~体験学習遊具へのポテンシャルならびに古農具ミュージアムガーデンへのポテンシャル」

 

    

 研究会次第

1. 大石先生から挨拶 

宗像大社の世界遺産おめでとうございます。そして朝倉市・日田市の被害にあたりお見舞い申し上げます。原因の一つは戦後の杉林業のあり方、手を加えないという悪条件が重なり、支線の川が氾濫してしまった。三連水車は200年前から田んぼを潤してきた。上流地域が被災を受けてきた。本体は残っていてひしゃくの中にゴミが埋まっていた。ボランティアの処置があった。三連水車は復興のシンボルとなっている。産業遺跡と産業遺産が見直されることになればと思います。異常気象が世界各国である。我々の日々のあり方が問われている。

 藤原先生が帰国しますのでそこからまた議論の場をつくりたい。

 

2. 講演 大石先生

 公園・遊具などソフト・ハード両面に関心がある。子どもにとっての遊具=学習具につながる。昔の産業技術が遊具やガーデンの世界に役立つのではないか。花と緑の両方に役立つ、花が語りかけるもののポテンシャルが着眼点である。

 第一段階:農民としてため池を作った価値=原初的価値、

 第二段階:ため池という水があることで魚や鳥の棲家、ボートを浮かべたり、絵や写真をとったり、俳句を読んだりしている。農家はそういうことを一切考えないでつくった=後成的価値。

 田んぼも同じ。米をつくるところがビオトープや災害の緩和になる。

 原初的な価値を創造しながら新たに発見できる価値を、意味あるもの、大きなモノにしていくと考えると産業遺産も活用できるのではないか。

古農具はおりおりの人々の創意工夫性=博物性がある。ガーデン要素(庭石、松の木)、古農具もガーデン要素たりえる。

 その視点でつくった事例を紹介する。

1)古農具ガーデン

 産業技術教育福祉文化環境面での包括的価値創造をめざした古農具ミュージアムガーデン。

 庭園の目的)人を心豊かに育み、幸福に導く。

 1)テーマ性を持った庭園

 (ミュージアムガーデン)快適環境に加え、ミュージアム性をもつ。

 癒しを含め、学習・文化の価値を付加することができる。

 2)古農具の活用

以前、佐賀県のあるところで古農具と古民具があり展示されていたが、そこがなくなることになり、西日本短大で引き取った。人々に示した方がいいので、学校祭のときに細々とガーデン展示していたが人だかりができた。私たちの思っていた以上に反響があった。もっと活用した方がいいのではないか。

 (実例)

・甘棠館前のひろばに造園科でみどりのオアシスをつくっていたので、ここに古農具ガーデンをつくった。

 ・うみのなか道のある場所で、花の中に農具を入れたガーデンをつくった。新聞では「古農具に新たな命」との見出し。

 ・ただ古農具を置いたのではない、回転基軸の農具を草花とまとめた。テーマを狭めて回転させることで楽にしたのか、水を高いところから落とすのか、などわかりやすくした。

・うみなか2014古農具/玉手箱ガーデン普及宣言

①古農具は、人々の知恵の結晶です。無言の文化財です。

②人々が汗をかいてきた思い入れの深いものです。

③小道具がそばにあると癒され、色んな話がでてきます。

④眠れる古農具を使って玉手箱ガーデンをつくりましょう。

 

人力揚水技術

・試行錯誤や創意工夫の蓄積である歴史的な産業技術・生活技術を遊具のデザインの観点から、見直していくと転用・応用すべきデザインリソースを発見できる。

・その技術の動態保存を果たすとともに子供らの遊びの原体験を豊かなものにする。

・親水体験になりやすい人力による揚水技術に着目

 

・竜骨車は小学生が10分やれば楽しい。

・池森先生は水車の世界的権威で例えば、北斎の絵をみて、この水車は機械学的にみると回るとか廻らないがわかる。

・水を扱う技術体験をテーマとした公園創造等への示唆がある。

・仕掛けを楽しむ⇒昔の農具をお蔵入りさせるのではなく遊具化をすると体験できる。

・人力揚水技術の絵を様々取り上げ、造園科の学生と小学生に見せたところ、昔の人の知恵に感心した、造園空間や施設設計に役立つという感想を得た。

・小学生に揚水の絵を見せたところ、踏み揚水車が最も支持率が高かった。

・ダイナミック性や体ごと動かすことなどが遊具化希求やデザイン志向の必要条件としてある。

 

3.質疑応答 討議

 岩井)大石先生が大事だと思っているのは、古農具なのか、知恵それ自体なのか。ガーデンミュージアムには、このものの本来の使い方を知っていて説明できる人はいるのか、エデュケーターが今後必要になるのではないか。これから先は古農具を使ったことのない人が多くなり本来の使い方を知らない人々ばかりになるのではないか。エデュケーター・学芸員のような人がいるのではないか。

大石)そこは問題です。まだそこまで手をつけていません。

 

吉峰)エコミュージアムがあるが、これはそのようなものか。

大石)古農具の価値、古農具そのものの価値に限界があるから価値の転用があるのではないか。転用したらいいかなと思ったのは、もったいないなと思ったから。どう転用応用したらいいのかと思った時に、成り立つのは遊具かなと思った。

・この道具が災害の時に役立つかもしれない。

・こういう原理のものが役立つかもしれないというストック集があるかもしれない。そのものの原初の価値に重きを置くのがいいかもしれない。遊具だと子どもたちがビビットに思いつく体験を通じて原初の価値を伝えていくことができるのではないか。

・人間の知恵自体に価値があると思えた。

 

4.各地からの報告  

 715日に西日本短大ではキャンパスツアーで線香つくりや竹あみつくり、ブルーベリー収穫体験をした。

5.連絡など

 1028日(土)大橋キャンパスで九州産業考古学会と九州産業技術史研究会の共催で映画鑑賞会をしたい。

 これは、九州産業考古学会で123日に行う「佐賀県福島鉱業所鯛之鼻炭鉱跡現地現地見学」の前の学習会に位置づけで、昭和34年当時の炭鉱文化・採炭設備など当時の貴重な炭鉱「佐賀県福島鉱業所鯛之鼻炭鉱」の様子が分かる映画で記録映画としても評価できる作品「にあんちゃん」を鑑賞することで事前学習をするという意味合いのものである。

 

佐賀県福島鉱業所鯛之鼻炭鉱跡現地現地見学予備学習会「にあんちゃん鑑賞会」

1028日(土)

上映会スケジュール

14301610映画放映

16101620休  憩

16201650ディスカッション

16501700片付け・移動

17001900懇親会

 

 映画タイトル:『にあんちゃん』

 上映時間:101

 映画概要等情報:19591028日公開の日本映画で日活が製作・配給した。小さな炭鉱町を舞台に、両親を亡くした4人の兄妹が貧しくても懸命に生きる姿を重厚なリアリズムで描いている。文部大臣賞受賞。

 

 

6. 次回の確認    

 822日(火)19:0021:00

藤原先生が既に帰国されているということで池森先生の講演を大石先生がマネジメントして下さる予定。


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