建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 2017年5月20日(土)
 この3月にオープンした福智町の図書館で開催された
 内野安彦先生が講師の講演会に参加してきました。

 この図書館は、使われなくなった旧役所をリノベーションしてつくられました。

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 内野安彦先生は1956年の茨城県生まれ。鹿島町役場(現 鹿嶋市役所)に入職後、総務、広報広聴、人事、企画を経て図書館に配属され、中央図書館長、学校教育課長をつとめ、2007年長野県塩尻市役所の招聘に応じて鹿嶋市役所を退職し2007年からは塩尻市の新図書館開館準備を指揮。2010年に塩尻市立図書館をオープンに導き、2012年に塩尻市を退職。これ以後は執筆活動と教育機関での講師としての活動をしています。

 ※2015年には塩尻市立図書館えんぱーく は、ライブラリーオブザイヤー2015の優秀賞を獲得しています。理由は以下です。「人口6万6000名の町でありながら、開館5年で累計来場者300万名を達成していることは、地方の小都市においては異例の成果であり評価できる。単なる図書館単独施設ではなく、一体的な組織運営も含め塩尻を中心とした周辺地域の市民交流機能をあわせ持っていることは、これからの時代の地方都市における文化施設のあり方を端的に示している」


 内野先生は、まずは書籍の後ろについているCコードで、参加者が携帯する本がどのような本かを当てることをしました。
第1桁(販売対象)、第2桁(発行形態)、第3-4桁(内容)。

 私の持っていた本はCコードが3037で専門書、単行本、教育 ということを当てられました。

 次に鹿島神宮について、
鹿島神宮には陸路で来ることはできなかった。霞ヶ浦があるからで、水運で利根川を渡ってきた。日本で一番高い鳥居があり勅祭社であるとのこと。勅祭社は全国で16社で、九州では 香椎神宮と宇佐神宮ということでした。

 また、内野先生は全国の図書館関係者から話を聞くコーナーが有るコミュニティFMのラジオ番組をも持っていて、 
インターネットラジオで世界同時発信ができるということでした。私は以前このラジオ番組に電話出演させていただいており、ラジオで図書館に関わることを発信する取り組みは非常によいと思いました。

 
以下は内野先生の講演より
「図書館は全国で3,200館ある。
その図書館が町の宝物になっているだろうか。この図書館を宝物にしたいという仕掛けがあるところとないところ、施設が新しいというだけではだめで、仕掛けですね。

 

 職員が工作でお寿司を作ったものを貸し出しますよとしていたり、玄海町の図書館では、本の帯をつけている(普通はとってしまう)。
 この椅子は、ボランティアが作ったもので名前も書いている。このように利用者にとって誰が作ったかわからないではなく作ってくれたものには名前を残すべき。 

 

 緊急時の防災システムとして聴覚障害者向けにフラッシュランプがあるが、静岡県の吉田町は閉館の時に毎日フラッシュランプをつけて点検すると同時に、図書館はそういう設備があるということを表明している。

 

長野県塩尻市では、オープンの時に、3つの展示用のケースを入れ、展示をした。今村幸次郎というシトローエンを専門に描く画家がいて今村幸次郎絵画展をしますということをはった。すると、地域の人から「1万台、以上のミニカーをもっているので飾ってあげようか。」という話がきた。盗まれたらどうしよう??とか考えるが展示した。シトローエンとミニカーを遠くから見に来る。コレクターはコレクションをみてほしい。
 
 この車コレクションを展示した後は、YS機の模型を展示したいという申し出があった。(松本空港の上を飛んでいるのはYS機)。

 このようにコレクション展示をきっかけにきてくれるようになった市民がいる。「思っていたよりも図書館は本があるのだね、自分がないと思っていた本がある。」とミニカーマニアや飛行機マニアがくるようになった。

  
スバル360という戦後日本人が車に乗れるという夢を実現させた車がある。これを作ったのは塩尻の人だよと聞いた。戦争中、飛行機を作るために大学に行ったが、飛行機を作ってはダメということになり、車を作った。NHKプロジェクトXにも取り上げられたことのある百瀬普六氏である。市民の方がおしえてくれた本もある。これは、市民みずからが自分たちのイベントには参加するというスタンスを表している」

南相馬はおしゃれポスターを貸し出す。
ビートルズ、アビーロードなど

 

自動車のカタログを集めて図書館においてある。市内の全てのディーラーのカタログを集めている。この街は自動車産業が盛んな地である。

東京の葛西、昭和のような商店街が並んでいる。
図書館でやろうとしているポスターを商店街近くの駅や商店街の中にも貼ってある。

 

図書館がやっていることに市民が入ってくることができる。

 

このヒゲを生やしたイラストが缶バッジになっているものを市職員全員がつけているものがある。これは、町政100年、合併60年を市民に知ってもらうにはどうしたらいいか、髭を生やしてアピールしたらいいのではないか。バッジをつけて町政を祝ってくださいという意味で、この缶バッジをつけていると、「何ですかこのバッチ。」と会話が生まれる。役所が苦手としている広報をバッチを使ってしているのだ。

 

 大津図書館、ここはバイクの雑誌が多い。マニアックな雑誌がある。まちの産業をホンダが担っているので、ホンダ、バイクに関する雑誌を置いてある。

 

 

奈良情報館では、私、内野の講演にあたり、講演前はまち歩きするので、棚に私の本を置いてくれた。

 

本の寺子屋が地方を創るという本を書いた。
塩尻市立図書館の寺子屋事業に関するもので、
文芸誌の編集長、松本の古書店が、図書館をステージに何かをしたい、館長協力してくれないかということで始まった。

 

67000人の町に有名人がくる、全国の図書館員が見に来る、人が来るということは経済効果もある。5400人をこのイベントで集客、一回ごとに100人はきた。

 

従来の図書館のイメージをもっとあげていかないと、図書館にはポテンシャルがある。役所としてもこの本が流布することで塩尻にいくひとがいるのではないか、この本の出版に関して行政も協力してくれる。

 

鳥取県 本の学校 書店員の勉強の場、出版文化と図書館 が私・内野の大学院のテーマでした。書店で絶対に売れないを仕入れて、買う人がいた、自分だった。本屋と図書館が共存できないといわれるがナントカ書店を守りたいとしてきた。 

 

図書館が町の宝物にならないといけない。

 

 

PRという言葉の中身を考えたことがありますか。市と市民、利害関係者が理解し、協力し、支援するというのがPR。僕たちが何かの時に声をかけてあげるよ、周知をしてあげるよ、パブリックリレーション。

 

評価に関しては、貸し出し数となっているところが多いが、貸出冊数を増やすことを目的とはしない、

登録者を増やすことを目的とする。

 

登録者数2割から5割の登録になる方が良い。都市部は利用者カードは1年使わないと消される。登録者は実数ではない、実数と乖離をしている。

 

市民一人当たりの貸し出し冊数という評価軸がある。これが10冊を超える図書館はほんの少し、塩尻は3年前に10冊越え、9.7とか。

 

 貸し出し冊数を伸ばさないといったのに伸びた。登録者数は74パーセントになった。

 

市民が守ってくれている、行ってごらんよ、すごい先生が毎月来るんだよ。

 

塩尻の年間に1回以上借りたことのある市民は17パーセント。日本有数のところでもこのようなものである。年に1回でも使った人が17%ということは、図書館は知られていないということを意味している。
 

1997年をピークに 出版物の状態、前年度をしたまわる、出版は落ちないとなっていたのに 下回る、図書館は増える、利用者は増える、右肩あがり。 

役所の中では貸し出し冊数を増やせが市長の命題になるが、高い本は買えない、専門書も貸し出しがないからダメ、予算がないのに貸し出しを増やすとは、図書館の選書はおかしくないか、2000年に図書館の選書がおかしいといった林望先生。 


20年前から出版点数が増えている。8万点の新刊がある、年間、8万点の本を図書館が買えるかというと8万点買うことができない、書店にもおけない。

 

 

初版は私で1000部。新刊は芥川賞でも10000冊

 

塩尻図書館の新規登録者の4割は他の市町村 そのうち9割は松本からなので予算を二つばらばらではなく、一つものものと考えることはできないか。

 

生まれた本の多くは届かない。図書館の本は保存になる。10年30年残す、地域資料は捨てない、

10年前にあのマイナーな本はある、20年後30年後に使う図書館のために蔵書をつくる、

俺が読みたい本だけでよいではないかでは蔵書が変わる。
 

貸出冊数を伸ばせという ことから そうじゃないと市民が言う。今だけ見ているとどうしちゃったんだろうという棚になる。
 

リレーション関係があると、それも夢じゃない。


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  ※このマークは本を置いた様子と福智町の山を組み合わせているとのことです。

                           岩井 

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