建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 九州産業技術史研究会現地研究会が福岡県大牟田市で行われました。

       「2017年4月29日(土)9:30~18:00
 明治日本の産業革命遺産~三池炭鉱の坑口から輸送まで」

 10:00西鉄大牟田線大牟田駅西口
 10:20三池港閘門
 11:00三池坑
 12:00三井港倶楽部(M41)
       洋風かつどん 高島北海絵図
 13:00長崎税関三池税関支署
 13:30三川電鉄変電所
 14:00七浦坑からの受電架台
      七浦坑(ごみ埋め立て場擁壁の痕跡)
 14:25稲荷神社(坑内馬像)
 14:50龍湖瀬坑
 15:30石炭露頭
 15:50生山坑の登治窯跡
 16:50三井化学J工場(鉄筋コンクリート7階建昭和13年竣工)
 17:00浅牟田工場群
 17:10大牟田市役所(国登録文化財)
 17:20三池炭山創業碑 爆発赤痢慰霊塔
 17:35竜宮閣(大牟田港)水門跡
 18:00和食松本で懇親会

 

 「大牟田における石炭発見は、1469)年、地元の農夫が焚き火の中で燃える石を見つけたところから始まります。明治6(1873)年、官営化された三池炭鉱は、長崎の高島炭鉱に続き、西洋の技術を導入し、近代化が進められました。 明治22(1889)年、三井に払い下げられ、勝立坑、宮原坑、万田坑などが次々と開坑されました。

併せて、石炭運搬効率化のため、各坑口と港を結ぶ、三池炭鉱専用鉄道が敷設されました。今も各坑口と三池港を結んだ鉄道の路床を見ることができます。 三池港は、明治41(1908)年に三井によって築港され、干満の差の大きい有明海で港の水位を保つための閘門施設が現在も稼働しています。」(大牟田の近代産業化遺産HPより)

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 大牟田駅でパンフレットをいただきました。
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  三池港閘門、建物、機械は、1908年の開港当時からのものです。有明海の干満差が5.5メートルになるため、三池港はハチドリがはばたく形状に設計され、泥土が航路に流れこまないように2本の防砂堤をつくりました。これらのことで干潮時でも石炭の荷役作業ができるようにしています。当初から、これらの設備は電動でイギリスからの輸入とのこと。現在も貨物船の荷積みや台風時のフェリー避難港として使われています。以前はダンクロローダー(三池式快速石炭船積機)もあったそうです。

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 ↓ 機械は当時のまま。ベルト素材が当時はコットンで今はゴムとのことです。
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 109年、屋根もガラス窓のガラスも当時のままです。台風にも耐えました。
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 ↑はキャプスタン、ロープの巻き取り装置。↓は、はしけとのことです。IMG_8543
 ↓建物の建材はグリーンハートで築港当時の部分が多いそうです。グリーンハートは、海水に対して非常に高い耐性とフナクイムシなどの虫害にも強く、燃えにくい特性があります。
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 ↓ 三川坑です。平成9年に閉山しました。電気機関車は、はじめは輸入のものでしたが、採炭量が増え、時代が下るにつれて大きくなり、国産のものになりました。
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 この↓で 炭塵爆発があったそうです。
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 ↓は繰込場。坑内で働く人々のことを坑口で常に把握する場であり、労働者がその日の作業などについて連絡を受ける場。
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 ↓は、エアレシーバー。炭鉱では、電気を使うと石炭粉塵や坑内ガスに引火し、爆発する恐れがあることから、それがないように圧縮空気で坑内の機械を動かすということをしていました。このエアレシーバーは以前は万田坑で使われていたものとのことです。
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 巻上機↓。
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 すぐ裏の三井港倶楽部で 洋風かつどんをいただきます。
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 ↓食後は、高島北海の鳥瞰図をみて位置確認。明治32年。
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 こんにゃく煉瓦ありました。↓
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 長崎税関三池税関支署↓
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 修理されました。

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 これは信号電材株式会社の製品です。大牟田市に本社をおき、業界トップシェアとのことです。
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 三川電鉄変電所(現在はサンデン本社屋)↓
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 受電架台↓。
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 旧七浦坑付近。
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 大浦坑↓ は、現在はごみ埋め立て場の擁壁の後ろにあったということです。
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 三池炭坑起業後、生命の安全を祈願してつくられた稲荷(とうか)神社。
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 坑内馬が祀られている。当時は坑内の運搬に馬が使われていました。
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 龍湖瀬坑、石炭露頭をまわります。↓
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 生山坑の登治窯跡に向かいます。
石炭はそのまま燃やすだけから、コークスがつくられ、副産物のガスやコールタールタールが燃料や化学原料として活用されていくという歴史的経緯があります。コークスは当初「登治」と呼ばれました。生山坑付近にはこの登治窯跡があります。この窯跡がいつつくられた窯の跡かはわかりませんが、コークス生産は、大牟田市の石炭コンビナートをつくる基礎になったはずです。

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 その後は三井化学J工場へ
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 大牟田市役所↓。
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 爆発赤痢慰霊塔↓。和洋折衷、不思議な塔です。
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 竜宮閣(大牟田港)水門跡。↓
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 松本での懇親会。↓
 立っている方が、本日のこの九州産業技術史研究会現地研究会の世話人・大牟田・荒尾炭鉱の町ファンクラブ副理事長の藤木雄二さんです。ありがとうございました。大変お世話になりました。
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 今回の大牟田現地研究会では、石炭を実際に手にっ取ってみることができるところから、登治窯跡、炭坑、輸送の電気機関車、港、税関、変電所、コンビナート工場群と、石炭が見つけられて、採炭されて、量を採って、加工されて、運ばれて輸出されたり、他の製品になったりする過程を技術の歴史を背景としながら知ることができました。 同時に部分をみて、全体を俯瞰するということが私の中でできました。かつて日本最大の産出量をほこった三池炭鉱の今回は技術、歴史を大きく捉え、特に、三池港の築港が日本の近代化に寄与しているように私には思えました。大量輸送があってこその近代化です。また、コークスの他、副産物のガスやコールタールの生産が大牟田の発展を促したのだとわかりました。
 今回は大きな時代の動き、近代化の動きをみたので、次回は石炭産業に関わった民衆の歴史も知りたいです。石炭産業には、多くの人々が関わっています。当初、末端で働く人々はこの石炭がどのように日本の重工業に重きを置いた近代化にかかわっているのか、よくわかっていなかったのではないかと思うのです。毎日の仕事をし、生活をすることのくり返しの中で少しずつ近代化を理解し、その中で石炭産業は発展し、国の政策の中で最盛期を迎え、同じく国の政策の転換で縮小、閉山していきました。今回の見学先の1つの三川坑では平成9年まで、この炭鉱の施設係をしていた方で今はボランティアをなさっている方から具体的なお話を聞くことができ、炭鉱民衆史の記録が今後必要なのかなと思うようになりました。

                                       岩井
 
 

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