建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 2016年度後期の公開講座が始まりました!2016.10.18(火)

「建築探偵シリーズその15 汎美計画から芸術工学へ~芸術工学の創造者小池新二(九州芸術工科大学初代学長)の戦前期デザイン思想と戦後の実践を巡る物語(その3)」
 
  2018年に九州大学芸術工学部は、前身の九州芸術工科大学創立1968年から半生記を迎え世界的なデザイン教育拠点へ躍進中です。創建以来、理念として示された「技術の人間化」は初代学長小池新二により構想されたものですが、その母体となった人間哲学やデザイン思想は1943年(昭和18年)発行『汎美計画』に見られます。本講座では、「芸術工学」の創造者・小池新二の戦前から戦後へ脈々と受け継がれた人間哲学やデザイン思想を多角的に検証していきます。そのうえで、小池デザイン観に影響をもたらされながら戦後のデザイン振興を実践していった台湾をデザイン・建築探偵します。
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 千葉大学工学部工業意匠学科OBOGの発意で始まった小池新二先生を囲む勉強会で、1965年発足の「よろず会」、これは180回開催に及びます。

また戦前より浩瀚な関心をアジア全体に向けてきた小池新二のアジア観形成と戦後のアジアにおけるデザイン振興や芸術振興への影響力を見ていきたいと思います。
ある意味で小池新二を先達とするアジア観が、デザイン振興や芸術振興のうえから、当事者としてのアジアに関係する人々の関心や人材育成に深く関わってきたと言えます。

小池新二の教え子であり、かつてトヨタ自動車のデザイン部長までつとめられた諸星和夫氏は、小池先生に誘われ、1960年代半ばから台湾のデザインの現場に何回も出席されているという。来る12月13日に講座を予定している諸星氏には、そのことから始まる台湾デザイン振興の現場を振り返ってもらう予定です。
そして本講座が完了した後、来年2月には、関心を有したメンバーで台湾の現地を訪ねる予定です。

さて『汎美計画』、戦時中、1943年(昭和18)に出版されます。この年は戦況も思わしくなくなっていく頃で、例えば山本五十六元帥が移動中に亡くなった年、こうした状況下でなぜ「汎美計画」だったのか。これはとても大きな謎です。

 一方、先導的な小池新二研究は、千葉大学OBの孫大雄先生による博士論文がある中、旧九州芸術工科大学OBの森下明彦先生による小池新二像:研究者・情報紹介者・翻訳(バウハウスなど)コーディネーター・編集者・ディザイナー・実践家・プロデューサー・教育者(千葉大学工学部工業意匠学科や九州芸工大)・ファウンダー・ルサンチマン・創造者

 さらには藤原先生による小池新二像:日本のデザインイデオローグとして啓蒙、ポストコロニアル、汎美計画、産業の人間化、技術の人間化、芸術工学、福岡の美術館2館の創設にかかわる、明治村。

・ポストコロニアルを地でいった人ではないか。1920世紀の植民地主義、帝国主義はデザインにも見て取れる。ポストコロニアルを未だに我々は脱することが出来ていない。
 など、を手がかりに議論を深めてきたと言えます。

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 今、藤原研究室で話題の二人。↓。下関市厳島神社・禰宜の有島さん(左)と、建築士で切手コレクターの鈴木さん(右)の間にどんな関係が!?
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小池先生がどこどこのお祭りを見に行こうというと 諸星和夫氏が運転して行くところ。IMG_0018

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質疑応答

谷口文保氏(神戸芸術工科大学):ポストコロニアルについて。70年代の終わりにインタビュー。先端を牽引された小池新二先生がどうしてそう考えたのか?
 

藤原:芸術工学の理念「技術の人間化」がある。世の中は混沌である。諸星さんいわく小池新二は禅問答のようなことをよくやっていた。技術の人間化が禅問答なら、その質問の核心は「技術は性善か?」というものでは。例えば私は携帯電話を持っていないからスタッフは連絡に困る。でも逆にそれが人間の想像力を育むことがある。これは私見だが、現代日本にあるものはほとんどがポストコロニアルではないか。どれだけ自分を省察するとともに、創造性と結びつけることで社会に貢献する、というものがあるのでは。見事だった彼の末期、小金井の自邸は小池新二夫妻の死後は更地に。自邸にあった1万冊近い重要書物は捨てられそうになり、千葉大へ寄贈された。彼はきっと別に、という感覚だったのでは。それこそ神戸芸術工科大学には小池イズムはあるのだろうか?
 

谷口:九州芸術工科大学の第2期の古賀先生が神戸芸術工科大学にいらっしゃる。12期生は芸術工学に喧々諤々の議論があり、その結論は「政治家になること」じゃないのかなんて思う。技術の人間化とは何かという点は私にとっては「アートプロジェクト」ではないかと思う。IMG_0024

公開講座後の懇親会
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 初回の講義は、小池先生の人生とやってきたこと、この公開講座の大枠の提示でした。小池先生がうまれたのは1901年でノーベル賞の第1回授賞式が行われた年で、昭和天皇が生まれた年で、八幡製鉄所が操業開始しています。世界大戦前でもあり、1901年からの激動の時代をこのようなスマートで本当の知識人がどのように生き抜いてきたのか、時代におもねったり、反撃したり、より良くしたいと思ったり、複雑で大変な小池先生の人生が始まったのだなあと思いました。

                            岩井。

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