建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!


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下浦フィールドワークの2日目は、メインプログラムといえるグループ活動を中心
とした一日となりました。 
840 下浦コミュニティーセンターに集合。
学生が民泊先のご家族のお見送りを受けている様子からは、一晩ですっかり
打ち解けている様子が伺えました。


午前中は、2名の方から下浦の地域再生のヒントとなる沢山の示唆が詰まったご講演
をいただきました。韓国のヨミリ村でギャラリーを拠点に芸術文化とまちづくりの
架け橋活動を行っているジョ・サニー氏からは「韓国余美里、新文化空間造成事業
推進事例」と題したご講演を、熊本県文化財保護指導員であり下浦石工の由来来歴を
長年追い求めている前川清一氏からは「下浦石工の成立とその後」と題したご講演を
いただきました。
 

ジョ・サニー氏はソウルのご出身で、弘益(ホンイク)美術大学をご卒業され
ギョンヒ大学国際マーケティングで博士号を取得。5年前の2011年から人口わずか
200人程の小さなヨミリ村に移住し、新文化空間造成事業の支援を受けて、昔の
精米所をギャラリーとして活用し、1950年以降産業転換によって著しい衰退を
余儀なくされた村に寄り添い、コミュニティの再生や伝統的な建築物の保存活用を
行っていらっしゃいます。2015年にも下浦フィールドワークにご参加下さり
弁天様の石切丁場の作業小屋をギャラリー化するご提案をいただきました。
サニーさんは下浦町の人口のわずか10分の1程の村で、芸術文化を大切にした
まちづくり活動を通して村民一人一人の生活を豊かにすることを実践されていました。
講演後はたくさんの拍手に包まれ、移住者に関する質問等が交わされました。
 

続いて前川氏からは、下浦石工はどのようにして成立したのか、地層、技術の伝来、
下浦石工として名乗り始めた人々の存在から多角的に紐解き、さらには下浦石工が
手がけたものがどこに送られていったのか、玉名、荒尾、大牟田、久留米といった
各地の神社の狛犬や、鹿児島、宮崎の官軍墓地の石塔を地道に調査する中で
その足跡を明らかにされました。下浦石の特徴である脆さを危惧し、記録保存の面
から様々な構築物の拓本を取るなど資料収集をされており、この日は実物も
持ってきて下さいました。

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中村市長も駆け付け激励をくださいました。


午後はいよいよグループワークです。プログラムは
 

 A 本渡東小学校跡地活用

  B 下浦の絵本づくり

  C 下浦情報発信(下浦ホームページ構築)

  D 下浦フットパスコースの構築

  E 下浦屋外ビジターセンター構築

  F 下浦石工伝統的工芸品の国の伝統的工芸品指定
  (下浦石工の伝統に立脚したプロダクトグッズデザイン提案)の6つです。

これらは、2014年、2015年のグループワークの成果と、下浦実行委員会の要望を
摺り合わせて構築されたものです。

2日目から集まって下さった社会人参加者の紹介の後、グループに別れて自己紹介、
グループリーダーの選出、作戦会議を昼食を挟む中で行っていきました。

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この日の昼食は、婦人会の方々が準備してくださいました。
湯貫さんと倉内さん達が朝5時から釣ってきたガラカブ200!!のお煮付けと
お味噌汁は絶品。お盆前に穫れる天草の新米おにぎりもいただきました。
婦人会の佐々木さんからお料理の紹介がなされ、天草の魅力を味覚からも
いただきました。
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Eチームでは、2015年に引き続き、かつて石工の共同作業場として使われた
弁天さまをビジターセンターとして再生させる構想をチームで練ってゆきました。

そのきっかけとして昨年タカクラタカコさんによって生み出された弁天カフェを
引き続き行いながら、この場所の由来来歴を石工の千葉順次さんや地域の方々に
お尋ねしてゆきました。この土地の所有者の方も散歩がてら、カフェの様子を
見に来て下さり、いろいろとお話をお伺いすることができました。
 

湯貫秋男さんの晩柑ジュースとポンカン餅、千葉友平さんの石臼コーヒーを
丸尾焼のカップでお出しし、室内には千葉順次さんの石スピーカー「あんぐり」
からは、2014年フィールドワークの中で、ソニーのチョ・ヨナさん達によって
生み出されたSHIMOURA BEATBGMに、2年前に埼玉から移住した詩人の
森本千佳さんの作品等を展示して下浦の魅力を集めた場所を目指しました。

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実行委員会の方々を中心に、お盆を返上して整備したという弁天さま!
石を活かした素敵な空間に生まれ変わっていました。

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18002000の間は、下浦運動公園で大交流会が開かれました。
地域の方々、民泊先のご家族と参加者の交流が行われた後は、弁天さまへ移動し
「弁天様の音楽祭」が開催されました。弁天さまは水神様でもあり、音楽の神様
でもあります。石切丁場が、もう一度公共の場、創造的な場として再生し、弁天様
を喜ばせることで下浦にご加護をいただこう!というのが趣旨となっています。
アイデアは去年弁天カフェに訪れた黒川学ご夫妻によってもたらされたものです。
 

開会の儀には、山口県下関の厳島神社の禰宜さんである有島さんに頂きました。
丸尾焼の「珍」からは、誰もが知っているナンバーと天草の伝統芸能牛深ハイヤが
参加型で踊られ、一気に場は盛り上がってゆきました。
さらに、湯貫さんとパワープレイスのデザイナー倉内慎介さんのコラボレーション
によって生み出された移動販売車「くるもん」が登場し、テーマソングを作詞作曲
された岡崎孝和さんによって歌が披露されました。
ご高齢者の孤立化を防ぎ、お互いが助け合って暮らしていく取り組みが、デザイン
や音楽によってより彩り豊かなものとなっている様子に胸を打たれました。
続いては、シンガーソングライターのエゾエタイスケさん、橋本直樹さんら
九州大学の学生らによって飛び込み参加の歌が披露されました。
最後は森本千佳さんとヨミリ村のストーリーテラーのユ・ヒョンジュさん、
尹東柱の詩を読む会の下田保子さんによって、韓国の国民的詩人であり
第二次世界大戦下で治安維持法の疑いをかけられ福岡で獄死した詩人、尹東柱の
詩が日本語・韓国語で掛け合うように朗読されました。
この交流と企画はフィールドワークの中で即興的に生み出されたものであり
素晴らしいコラボレーションとなりました。
最後は森本千佳さんご自身の詩の朗読が披露され、黒川学ご夫妻と藤原先生の
お言葉で締めくくられました。下浦の方々からも「音楽を通して参加者や韓国の
方々と一体になれた」「弁天さまの場所の大切さや可能性を感じた」といった
声がありました。

2日目は、講演会を通してフィールドワークの意義や下浦への理解をより深め、

グループワークや交流会、音楽祭を通して地域と参加者同士の関係性が
深められた一日となりました。

 

國盛

 

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