建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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藤原惠洋先生による九州大学公開講座「「建築探偵シリーズその14 アジアの都市
と建築」は、とうとう最終回を迎えました。同講座は19世紀以降の東アジアの
近代化を牽引し、近代都市形成過程を疾走した上海、横浜、香港、長崎、大連の
歴史的成立過程のフレームを理解し、都市・建築の形成過程に貢献した技術者や
建築家の足跡を辿るものです。最終回は、西澤泰彦先生を特別ゲストにお招きし
「~中国・大連~20世紀都市の百年」と題して、30年以上積み上げてこられた
研究をぎゅっと凝縮する形で講義をしていただきました。

 

西澤泰彦先生と藤原惠洋先生は、東京大学生産技術研究所村松貞次郎先生のもと
藤森照信先生、堀勇良先生らと共に学ばれ、「日本近代建築総覧」を始めとする
様々なご研究で金字塔を打ち立ててこられました。

なかでも西澤先生は近代化過程の中で大きく変容していく都市の様相を
長きに渡って見つめられてきました。1900年前後に都市建設が始まり
20世紀を通して大きく変容した都市を「20世紀都市」という言葉で象徴され、
東アジア各地を丹念に踏査されてこられました。
大連の踏査の際には、常に1930年代の古地図を持ち都市を歩かれているとのこと。
様々な都市のインフラや建築の変化を敏感に感じ取り、背後にある様々な関係性
も細やかに見つめられていました。

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1891年、ロシアがシベリア鉄道を起工するも、より効率的な移動を実現する

ために東清鉄道を起工。陸路のみならず海路の要所としても適していた場所を
ダーリニーとして押さえ、都市を形成してゆきました。
これを発端にロシア・ドイツとイギリス・フランスの欧米列強が中国大陸内で
睨み合いをきかせてゆく中、ロシアは急速にダーリニーを都市として
整備してゆきました。
1904年には、日露戦争の中で日本が占領し、大連として統治してゆきます。
ロシアが整えたインフラの上に、日本はどのような建築を作っていくべきか。
国力を問われる機会となったことで、大連には質の高い建築、装飾性の高い建築、
大規模な建築やインフラ整備、欧米から学んだ技術を遺憾なく発揮した最先端の
建築が作られていったと述べられました。
その経緯を、大広場、大連賓館、銀行、市役所、駅舎、大連連鎖街、映画館、
消防署、病院、住宅街、火力発電所、灯台、マンホールと都市のあらゆる
側面から詳細に見せて下さいました。
さらに、定点観測的な調査によって近年大連がどのように都市を作って
いこうとしているのか。諸外国が拮抗する過程と共に形成してきた歴史を
どのように需要し、活かしていこうとしているのか、という姿勢や
方向性を伺い知ることができました。

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この日は公開講座最終回ということで、受講生の皆さまには、修了書が
渡され、皆勤賞の方も多くいらっしゃいました。 

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講義終了後は赤木へ。この日は最終回ということもあり盛況となりました。

参加者の方々の中には、ご家族、ご親戚が大連でお過ごしになった経験が
ある方も多く、伝え聞いてきた記憶などもお聞かせいただきました。

 

講義を受けて、都市や建築は生き証人であり、紐解いていくことで実に
様々な歴史を多角的に知ることができるのだと改めて感じることができました。
大きな歴史の流れ、地理、産業、当時の人の往来、そして今もそこに住み携わる
人々の声にも丁寧に耳を傾けるといった、鳥瞰的な視点と虫瞰的な視点の
両方によって、都市が立体的に見えてくるのだと感じました。
西澤先生、本当にどうもありがとうございました。

國 盛 

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