建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 藤原惠洋先生による九州大学公開講座「「建築探偵シリーズその14 アジアの
都市と建築」は、早くも第5回目を迎えました。同講座は全6回から成り、19世紀
以降の東アジアの近代化を牽引し、近代都市形成過程を疾走した上海、横浜、香港、
長崎、大連の歴史的成立過程のフレームを理解し、都市・建築の形成過程に
貢献した技術者や建築家の足跡を辿ります。現在の空間に残された数々の
都市遺産を多角的に検証することを試みています。

この日は、「〜長崎〜天草技能集団が造った居留地世界」と題して、長崎の
近代都市形成過程に携わった天草石工らの足跡を、過去の文献資料、写真、
現在も残る遺産から読解いていくものでした。
幕末明治以降、日本は製鉄、製鋼、造船、石炭産業を基幹産業として位置付け、
急速な近代化を実現しました。2015年には、それらを物語る遺産が
「明治日本の産業革命遺産」として、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。
その構成遺産中、端島(通称 軍艦島)、旧グラバー邸、三角西港には優れた
石工の技術が用いられています。それらは下浦に代表される天草石工によって
なされたものでした。また、長崎の居留地や開港場の整備のために
大浦海岸一帯の埋め立て工事を請け負ったのは北野織部であり、弟の小山秀乃進
は船大工として培った技術も駆使して大浦天主堂、グラバー邸、オルト邸、
リンガー邸を手がけ、さらに三角西港も手がけました。

講座では、藤原先生が30年近く研究を行う中で集められた一次資料、
関係者ヒアリング、現地踏査の写真、小川一真やF.ベアトによる古写真などから
長崎の近代都市形成過程と、天草技能集団の関わりが多角的な視点から
紐解かれ、語られました。埋め立てのプロセスや区割り、都市計画、
景観に対する配慮。下浦石の質感や加工しやすい性質と水に濡れても滑りにくい
特徴を活かした路、側溝、船大工の技術を活かした建築の意匠といった
ものが詳細に語られました。在来工法を駆使して作られた洋風建築の
美しさには工夫や合理性が備わっており、技能集団の技術の高さが伺えました。

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藤原惠洋先生+藤原惠洋研究室は、そのような重厚で濃密な文脈がある
天草下浦地区をフィールドに、2014年から地域再生フィールドワーク+
デザインワークショップ展開してきました。下浦の地域の方々、石工の方々と
全国のデザイナー、建築家、アーティスト、JR九州といった一線で活躍する
社会人、様々な大学の学生が一緒に、 天草や石工の魅力を再評価し、
磨きあげると共に、地域の課題解決や提案を行うものです。
今年も8月19日(土)〜21日(月)にかけて行われます!
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國 盛 

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