建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!


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九州産業技術史研究会では、毎月1回、第34週の火曜日の夕刻より定例会を
行っています。定例会では、産業技術史に関する様々なテーマの元、ゲスト講師、
研究者、会員、博士後期課程の学生等が発表し議論を深めています。

さる419日(火)に行われました定例会では、九州大学総合研究博物館の
中西哲也先生をお招きし、『資源国家日本〜近世以前の日本の鉱山技術の様相』
と題した発表をいただき、活発な議論が行われました。

 

日時:2016419日(火)19002100           

場所:九州大学芸術工学部(大橋キャンパス)

   5号館531教室

 
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九州大学総合研究博物館 准教授の中西哲也先生は、福岡県久留米市出身で、
九州大学工学部資源工学科及び大学院を通じて鉱床学を学び、主として温泉型
金鉱床の生成過程に関する研究を行われ、2000年から九州大学総合研究博物館
で准教授となられました。

地層に興味を持ったのは小学生の頃、横浜で見た博物館の、大陸移動プレートの
模型だったとのこと。この日は、日本が近代化によって西洋の技術を取り入れる
江戸時代までの、鉱山や鉱山技術をテーマにご発表いただきました。

 

人類の金属利用と伝播の歴史は古く、銅山は紀元前3000年のイスラエルに始まり、
600年頃にはトルコで世界最古の金貨の鋳造が確認され、日本では紀元後に
鉱山技術が伝播しました。国内には、かつて一万を超える鉱山が存在し
金、銀、銅、亜鉛、鉄、水銀鉱山等、3000近くの鉱山が存在していました。
この大半が、江戸時代、またはそれ以前から操業していたとのこと。
日本が、他の東南アジア諸国のように西洋に植民地化される事なく、世界第二位の
経済大国にまで急成長できたことの背景には、この鉱山と鉱山技術が背景に
あったそうです。鉱山技術は、探査・採鉱・選鉱・製錬というプロセスに分けられ
鉱業となると、さらに経営、労使、都市開発といった手腕も必要になり、まさに
技術が集約された産業と言えます。
 

中西先生は、平成14年〜17年度にかけて、「日本の鉱山技術資料の総合的調査と
総合目録の作成」という研究課題で、調査活動を行われました。約40カ所の
国内主要鉱山、および関連遺構と、約50カ所の博物館・資料館・大学および
関連施設で器物資料の所在調査を行うといった内容です。そのような研究活動を
通して、日本が、明治期以前、どのような独自の技術を持っていたのかを
江戸時代を中心に捉えてゆかれました。

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質疑応答では、鉱床、地形、鉱山技術等、幅広い視点から非常に活発な議論が

行われました。日本に多数の金銀銅山を生み出した地層や、温泉との関係、
それらを発見する山師の技術など、参加者は興味津々です。日本の豊かな鉱山
資源は、温泉との関係が密接であることを聞き驚きました。

また、明治以降は、海外の製錬・採掘・排水等の技術がお雇い外国人を通して
日本に導入されてゆきます。東南アジアでは、金属生産の発達した技術がなく
海外からの資本家が入り、資本を持っていってしまったのも事実です。
しかし日本の場合は、わずかな人数の外国人の知識を取り入れて、自らの力で
発展させていったことが特徴的であると話されました。
また、414日に起こった熊本地震という広域な範囲で連続的に地震が起こる
未曾有の出来事に対しても、幅広い視点からお話をいただきました。
今後、私たちに何ができるのか、天災とどう向き合っていくべきかを
考えさせられました。中西先生、どうもありがとうございました。

 

次回の九州産業技術史研究会は5月17日(火)19002100

九州大学大橋キャンパス5号館3階 531教室にて
 

熊本地震をどのように捉えるか、参加者の経験や情報を持ち合って
議論する予定です。

九州産業技術史研究会の定例会は、学会員に限らず無料でご自由に参加可能です。

沢山の方々のご参加をお待ちしております。

 

写真:岩井  文:國盛 

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